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クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…〈vol.33〉―『聖と俗 対話による宮台真司クロニクル』

おはようございます。こんにちは。こんばんは。 アメリカ大統領選も終わりトランプ氏が勝利しました。 色々騒がしくなりそうな昨今ですが、 皆様いかがお過ごしでしょうか? マクロな社会情勢の混沌とミクロな日々の変化や忙しさに 私だけでなくあらゆる方々も疲弊しているかと思います。 今回は疲弊しがちな現代社会において 祝祭が人間が力をため込む上での重要性を感じさせる 社会学者の著作と祝祭的なフェスと音楽をご紹介。 『聖と俗 対話による宮台真司クロニクル』 まずご紹介するのは社会学者 宮台真司の半世紀を 当人とミュージシャンの近田春夫が対談によりまとめ上げた一冊。 宮台氏にご興味ある人は紹介する本書並びに 上記Wikipediaのリンクを読んでほしいのですが それすら面倒な方にをバックり説明すると 90年代より若くして活躍してきた 気鋭の社会学者/映画評論家であり 常に過激な発言が巷間の耳目を集め、 最近の出来事だと大学構内での切り付け事件の 被害にあったことが有名である人物です。 本書は宮台真司という強烈な個性から 想像がつく家系や数々のエピソードが 面白いのは勿論だが、 近田春夫が宮台氏の「かわいさ」を 見出したのが慧眼。 当人の本やラジオを聴いてた身としては 我が意を得たりなその「かわいさ」が 通底奏音になっているのが素晴らしく感じる。 また本書が宮台氏のこれまでの著作や発言の 補助線としても効果的に機能しており、 彼の考えやそれに付随する学問、 その界隈への理解も進むので、 彼の理解や批判をしたいのならまず読むべき作品です。 力をため込むことの重要性 本書並びに宮台氏の過去の著作や発言において ヒラメ/キョロメな振る舞いの劣等生、郊外化の問題、 損得勘定しか気にしないクズ、感情の劣化… なかなか刺激的なパワーワードが並ぶ。 これらのワードや通底する問題は ニクラス・ニューマンの社会認識に依拠する 曰く(宮台氏の解釈のさらに筆者の抜粋) “社会(言語・法・損得…)の営みで疲れた=力を失った者は 性愛やその延長の家族(言語外・法外・損得外…)の営み または祝祭によって力を回復する(ため込む)” これは現代社会のあらゆる問題に関して通底するとともに 現代は“力をため込むプロセス”が損なわれているのでは ないだろうか?と感じる。 そんな中でもちょうど本書を読んでいて 力をため込むような祝祭を感じたフェスが Festival de FRUE 2024 Festival de FRUE 2024 私の記事の中で何度もFRUE関連のことを記載しているので 詳細は省くが、Festival de Frueは “魂の震える音楽体験”をコンセプトに 様々なアーティストが参加するフェスです。 何度か参加したこのフェスでしたが 参加前&フェス会場でも『聖と俗』を読んでいたせいか、 はたまた今年のラインナップがFRUEのコンセプトを体現する 集大成的な出来だったからか、 実に社会での疲弊を回復し、 力をため込ませてくれるようなライブの数々でした。 すべてのアクトが素晴らしかったので、 まずは公式のプレイリストをご視聴いただければ幸いです。 https://open.spotify.com/playlist/5e8zYsGXYEfjOO8QWoRa54?si=hdmRt3fGSPyHFpLAmiUnaw その中でも今年のFestival de FRUE 2024で 個人的に楽しみにしていたのがBruno Berle https://youtu.be/Im5GEESq0q0?si=780oH-OIjQAzeHEV 現行のブラジル音楽を代表する音楽家であり、 前作『No Reino Dos Afetos』ではビートミュージックや コンテンポラリーR&B、アフリカンな影響も受けつつ フレッシュなMPBを展開してブラジルでのLIVEは SOLDOUTしている。 今回のFRUEでは『No Reino Dos Afetos2』を引き下げ アルバムプロデューサーのbatataboyとともに ライブを行いました。 前作を深化させた楽曲群を伝統的な楽器編成と エレクトニックなダンスチューンの両側面を 体験できるライブで非常に力をためさせて頂きました。 *Bruno Berleもbatataboyも会場で 軽くお話をさせていただき、 写真にも快諾頂き人柄も最高でした。 どんな音楽でもよいので 社会生活をする上で “力をためこめる”祝祭や音楽が 皆様の近くにあること祈念しております。 文・写真 北米のエボ・テイラー ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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アート

アートが秘める「見える化ツール」としての可能性。DX&AIが拓く、表現の未来とは?

こんにちは。アートとカルチャーをこよなく愛するキャリアコンサルタント・竹島弘幸です。 この連載では、長年一般企業に勤め主に国内海外の新規事業開発を行ってきた僕が「アート×企業」という切り口から、アートに対する新しい観点を探ってみようと思います。 「世俗離れしたイメージのあるアートが、企業とどう関係あるの?」そう思われる方も多いでしょう。しかし、どんなアーティストやクリエイターであっても、何らかのかたちで「企業」という存在には関わりを持つことになるのです。たとえば企業に勤めてアートやデザインの仕事をする人はもちろん、派遣社員をしながら創作をする人もそう。フリーで創作活動を頑張る人も、ギャラリー展示のスポンサーやアート系サイトでの販売といったかたちで、企業に関わっています。 そのほかにも、「アート×企業」の関わりは現代では多様なものがありまして、パッと思いつくのは企業が本社などに設置するためにアートを購入したり、文化貢献のためのスポンサー活動でしょう。またラグジュアリーブランドや自動車会社が自社製品のデザインやマーケティングにアートのセンスを入り込むこともよく行われています。そして経営にアートを取り入れる”アート思考”も数年前から提唱されています。 このように「アート×企業」は結構深い関係にあるんですね。 この連載ではさらに思考をグッと推し進めて、企業自身がアーティストとなり絵筆を持ってアート作品を作成する可能性についても考えたいと思っています。こう言うと、え?企業自身が絵筆をもつなんてできないでしょ……人間じゃないんだから……と不思議に思われるかもしれませんね。でも結論を先に言うと、DX(*1)やAIといったデジタルテクノロジーの進歩によって、企業が”絵筆”をもてる時代が来ているのではないか。僕はそう考えているんです。 (*1)DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がデジタル技術を活用して、業務プロセスや組織、企業文化、ビジネスモデルなどを変革し、競争上の優位性を確立する取り組みのこと。英語の「Digital Transformation」の頭文字をとったもので、「Transformation」のTransに交差するという意味があり、交差を1文字で表す「X」が用いられています。DXと似た言葉に「デジタル化」や「IT化」があるが、目的が異なります。デジタル化は業務効率化が主な目的である一方、IT化は特定の業務プロセスの効率化に焦点を当てます。 文/竹島弘幸(国家資格キャリアコンサルタント・外国人雇用労務士) 企業とは「目に見えないオバケ」である⁉ まずちょっと回り道ですが、そもそも「企業」とは何なのか、をしっかり考えておきたい。 結論から言えば、企業とは「残留思念」、つまり人の感情・思い・記憶といった目に見えないものが集まってできたものである――というお話をします。ちょっとスピリチュアルに聞こえるかもしれませんが、とても単純なことです。 まず企業の所有者は株主です、株主によって企業は所有されています。そして株主は経営のプロを選任して業務を委託します。それが社長や取締役といった人々です。また、企業は多くの従業員、つまり「人」を雇用します。「人」以外の要素についていうと、本社ビルや机椅子とかの備品、設備投資した工場や機械、販売店舗なども企業を構成する要素です。 上記の説明をよ~く読むと不思議なことがわかります。どの要素も「企業の一部」ではあるものの、「企業自体」を指し示していないのです。 [caption id="attachment_21865" align="aligncenter" width="750"] イラスト/ⓒみさきアトリエ[/caption] 「企業自体」はどこに存在するのでしょうか。例えば「トヨタの社員さん」や「トヨタの社屋」や「トヨタの車」ではなく、「トヨタという会社自体」に会ったことがあるよ、という人は、おそらく誰一人としていないでしょう。街で見かけるロゴや広告なども、企業を表す記号だったり、宣伝だったりするので、厳密には「企業それ自体」ではありませんね。 このように考えると、多くの要素の集合体というものが企業であると一旦は言えます。法律的にみると例えば会社法(*2)では企業に対し行動すべきことや罰則が規定されていますし、日常的に行われる契約行為も企業間で行われています。「法人」という言い方はまさに絶妙でありまして、あたかも人のような存在として法的に扱われているのです。このヒトのようでいてヒトでなく、モノのようでいてモノでない曖昧な集合体…これが企業です。 (*2)会社法とは、会社の設立・運営において守らなければならない規定を定めた法律です。会社法は、全8編から構成されており、企業における会社の設立、組織、運営や管理について定めた法律を定めています。会社に関わる色々な法律がありましたが、統合・再編成され、2006年に施行されました。会社法の役割は会社経営の柔軟性を高め、機動力を向上させることです。取引相手の保護、利害関係者の利益確保、法律関係の明確化などが重要なポイントです。 哲学や思想にも明るいマクロ経済学者の岩井克人(*3)は『会社はだれのものか』という著書で、法人という存在の不思議さについて企業の社会的責任(*4)の観点から論じています。 (*3)岩井 克人(いわい かつひと、1947年〈昭和22年〉2月13日 - )は、日本の経済学者(経済理論・法理論・日本経済論)。学位はPh.D.(マサチューセッツ工科大学・1972年)。国際基督教大学特別招聘教授、東京大学名誉教授、公益財団法人東京財団名誉研究員、日本学士院会員。本編では、氏の著書『会社はだれのものか』平凡社、2005年を参照しています。 (*4)企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)とは、企業が事業活動において、環境や社会、利害関係者に対して責任ある行動をとることを求める考え方です。CSRは、企業が利益至上主義に傾倒せず、社会全体に対して責任を果たすことを意味します。企業は、土地や人材、資源などを社会から借りている立場にあるため、それらを大切に活用するという義務があります。 また、その取り組みは、企業の社会的評価や信頼向上につながり、事業の成長にもつながります。また、社会問題や環境問題が注目される中で、CSRはますます重要視されています。 ではその多様な要素をつなぎ止めているものはなんだろうかと考えてみましょう。僕としては、企業に関与する人々の「残留思念」こそが各要素をつなぎ止め、企業自身となるのではないかと考えています。 例えば企業には歴史があります、過去があり今がある。また多くの役員、従業員がいてさらに過去に定年退職していった人や転職していった人々の思い、成功した人、平凡に過ごした人、失敗した人、喜びや悲しみ、怒り、人々の気持ちの交流、魂の交感。このような残留思念が形になったものが企業自身なのではないでしょうか。例えば、自分の人生に置き換えれば、生まれてから今まで出会ってきた人々との関わりの ”記憶” が、過去と現在をつなぎ、それらが現在の自分を形成していますよね。 こう考えると、「企業文化」なるふわっとした言葉も説明しやすいと思います。人々の残留思念が、企業文化の担い手なのです。明確に定義はできなくても企業文化って確実にあります(まだちゃんと働いた経験のない学生読者の皆さんは、企業文化=校風のようなものと想像してみてください)。挑戦的だったり、保守的だったり、面白系、センスがいい、とんがっている、環境意識が高いなど、企業文化をつくるのは最初は創業者の思いだったりしますが、それを人々の残留思念が継承しているのでしょう。 企業の「残留思念」をカタチにする、デジタルアートの可能性 ここで本連載の主題である、企業=残留思念が絵筆をもてるのか? についてです。普通に考えれば残留思念が物理的なモノ、油絵とか日本画の画材を持って作品を作ることはできませんよね。ただ、デジタルテクノロジーはそれを可能にしつつあると考えます。 また横道ですが、皆さんはクリストファー・ノーラン監督の傑作SF映画『インターステラー』をご覧になったことはあるでしょうか? この映画はSFであると同時に、父と娘、家族の物語でもあります。 https://youtu.be/isoTSzwBMKE?si=veEfxTYuK6dKqMzu 宇宙船で異なる次元に旅立った父クーパーは、重力制御の方法を地球にいる娘になんとかメッセージで送ろうとします。しかし次元が異なる世界にいる二人は、メールも電話もできるはずがありません。そこで父クーパーは、地球にいる娘に対し時計の秒針を動かしメッセージを伝えることを思い付きます。これがモールス信号なのです。果たして娘は父のメッセージに気がつくのか!? [caption id="attachment_21864" align="aligncenter" width="750"] イラスト/ⓒみさきアトリエ[/caption] クーパーが「俺の娘だ」と信じてメッセージを送り続けると、ついに娘はその意味を理解します。そしてモールス信号を分析し、重力制御の方法を組み立てることに成功するのです。 本論に戻りますと、残留思念である企業が現実界の絵筆を持ち、アートを作成できるのか? この問いについて、『インターステラー』がヒントを与えてくれます。 「残留思念」は現実世界に存在していますが、物理的な意味で世界とは次元が異なります。しかし両者は、コンピューターの「ハードウェア(=物理界)」と「ソフトウェア(=残留思念)」のような関係にあります。物理的実体のないソフトウェアがハードウェアを動かせるように、残留思念もまたコンピューターのプログラム(インターステラーのモールス信号)を駆動させることはできるのではないでしょうか。残留思念は物理世界に接触できずとも、あるプログラムに対してパラメータ(*5)を投げ込むことならできるのです。 (*5)パラメーター(Parameter)とは、物事の結果に影響を与える値や、外部から与える値を意味する言葉です。もともと数学やプログラミングなどの分野で幅広く使われており、それぞれに意味が異なります。 数学やプログラミングでシステムや関数の挙動を調整する要素として使われていましたが、その概念が派生し、ビジネスシーンでも「成果に影響を与える重要な条件」として活用されています。計画や戦略を調整し、目標達成を最適化する役割を担う概念として頻繁に使われています。 例えば銀行が工場に対して1,000万円融資を実行した。その金額や時期などは「数値データ」というパラメータとして表現できます。このパラメータをあらかじめ用意されたプログラムに投げ込めば、アウトプットとして何らかのデジタルアートを生成できます。そしてそのアートは、1,000万円の融資に関わった営業担当の思い、決裁した役員の思い、借り手の事業者の思い、融資を受けた工場や、その利用者の思い……などがプログラムによって結実した、いわば「思念」の表現であると見ることもできますよね。アーティストの「思念(想い)」が、絵の具という媒体で表現されるのと同じことです。 このように企業活動=残留思念を、デジタル技術を使うことでアートとして見える化することはできるのではないでしょうか。 いわばアートは、企業の残留思念という目に見えないものを見える化する、「妖怪ウォッチ」のような役割を果たせる可能性を秘めているのです。 [caption id="attachment_21863" align="aligncenter" width="750"] イラスト/ⓒみさきアトリエ[/caption] ヒトのようでいてヒトでなく、モノのようでいてモノでない残留思念=企業。この活動を、この連載では考えていきましょう。 文/竹島弘幸 (HIROYUKI TAKESHIMA) 国家資格キャリアコンサルタント
外国人雇用労務士 大手通信会社勤務中。 新規事業開発・金融系企業複数社の立ち上げやTOBを実施、執行役員を歴任。近年ではアジア諸国へ出向など。 同時に映画や音楽、アート等の視聴覚芸術、ファッション、現代思想などへの造詣を活用した共生社会の実現のたに、「人的資本経営」をサポートする会社を起業。 コーディネート/竹内基貴 (MOTOKI TAKEUCHI) プロデューサー/コンサルタント 日本写真専門学校卒業後、フォトグラファーになる。その後ロンドン芸術大学(LCC)留学。帰国後はIT企業各社にてWEBマーケティングや新規事業棟に従事。2015年に起業、アーティスト/文化人のマネジメントやデザイン会社の広報業務、企業のM&Aなどを行う。現在は地方でギャラリーを経営しつつ、初心に返りちょっとだけ映像制作も行っている。 ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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アート

【ディズニー雑学】知ると2倍楽しくなる!?ワールドバザールに隠されたディズニーの秘密。

はじめに 東京ディズニーランドに入場してすぐの場所にある「ワールドバザール」。お土産屋さんや飲食店が並び、東京ディズニーランドを訪れる誰もが通る玄関のような場所です。   この投稿をInstagramで見る   東京ディズニーリゾート(@tokyodisneyresort_official)がシェアした投稿 カチューシャやお土産を買いにお店に立ち寄ったことがある人も多いのではないでしょうか?なんとなく素通りしてしまうこともあるかもしれませんが、実はこのエリアの空間の構造や装飾、外装には、ゲストを楽しませる『秘密』とこだわりが沢山あるのです……! 今回はそんな秘密が隠された「ワールドバザール」に注目して細かな視覚的なデザインの工夫を紹介していきます! ワールドバザールとは? そもそも、なぜ「ワールドバザール」という名前なのか。理由は諸説ありますが、ディズニー社は当初東京ディズニーランド内に世界中のお店を集めたエリアを構想していたという話があり、実現こそ叶わなかったものの「ワールドバザール」という名前がそのまま現在も残っている、と言われています。今も様々な国の料理が楽しめるエリアなので「ワールド」要素は残っているように感じます。ワールドバザールはウォルト・ディズニーが生まれ育った20世紀初頭のアメリカの街並みをイメージした造りになっています。 さらに「ワールドバザール」という名前のエリアがあるのは世界のディズニーパークの中でも東京ディズニーランドだけであることをご存知でしょうか!?海外のディズニーパークにはワールドバザールによく似た「メインストリートUSA」という名前のエリアがあります。ワールドバザールとの大きな違いのひとつは、屋根。日本は雨が多い国という事で、特別にガラス張りの屋根が作られたと言われています。日本の気候に合わせた東京ディズニーランドならではの特別感があって素敵ですよね。   視覚効果を利用したデザインの工夫 その1「シンデレラ城までの道のりに秘められた仕掛け」 ワールドバザールは入口と出口の空間の構造にとても大きな秘密があります。それは、人間が狭い場所から広い場所に出た時に、本来よりも強く広さを感じるという特徴を利用している工夫です。 実際にディズニーランドに入場し、歩いていることを想像しながら解説をしてみます! ① まず、ワールドバザールの入り口には目線より高めの位置に東京ディズニーランドのロゴが記された看板があります。その看板に目を向け、ゲストの視線は上向きになります。 ② 上向きの視線になったゲストは、次の瞬間、目の前にある天井の低いレンガのアーチをくぐり抜けます。これにより、目線が上から下へと移動し、アーチの高さがより低く感じられるのです。 ③ 低く狭いアーチをくぐり抜け、ワールドバザールの開けた空間に出ると……本来室内では体感できないような迫力をワールドバザールの入り口で感じることになるのです! ④ そして、出口を抜けると①~③の効果で高く感じているワールドバザールの天井よりも遥に大きいシンデレラ城が目の前に…!  さらに!今まで視界を遮っていた建物が無くなることによって、シンデレラ城の存在がゲストの中で物凄く迫力のあるものになる仕掛けになっているのです。 ※ちなみにワールドバザールの地面はシンデレラ城に向かっていくにつれ横幅が狭くなっていっていることも、実際よりもシンデレラ城が遠くに見える錯覚をさせていると言われています。   ▽東京ディズニーランドのお城の秘密について記載した記事はこちら [clink url="https://picon.fun/design/20240713/"]   視覚効果を利用したデザインの工夫 その2「強化遠近法を使った店舗外観の秘密」 ワールドバザールの視覚を利用した工夫は出入口だけでなく、お店の外観にも隠されています。 ワールドバザールのお店の建物の高さは、実際には2階建てビルより少し低いくらい。よーく見ると、1階よりも2階の窓やレンガの方が小さく作られており、更に2階よりも3階の窓やレンガの方が小さい物が使用されていることがわかります。 これは「強化遠近法」と言われる視覚的な工夫です。階によって窓やレンガのサイズを変えていくことで、実際よりも建物自体の高さが高く感じられるという秘密。さほど大きくない建物を、より高く見せる秘密がここにも隠されています。 この「強化遠近法」の効果によってワールドバザール全体の空間が、実際よりもさらに広く、より高く見えるようになっています。ゲストがパークの玄関口であるワールドバザールで非日常を感じることが出来る工夫がされているのですね。 ※ちなみに、お店の2階や3階の窓には言葉遊びのような店舗名が書かれていたり、日本のディズニーパークを運営するオリエンタルランド株式会社の社長の名前が書かれていたりもします。気になる方はぜひ窓に書かれた文字にも注目してみてください。   最後に いかがだったでしょうか。ディズニーパークに入園した時のワクワクを倍増させる視覚的なデザインの工夫がいろいろな場所に隠されていることを知っていただけたら嬉しいです! ぜひパークに訪れた際には、ワールドバザールを歩きながら隠された様々な工夫を探し、楽しんでみてください。きっと新しい発見や面白さがあると思います!他にもディズニー関連の記事を書いていますので、こちらも是非ご覧ください! [clink url="https://picon.fun/design/20240805/"]     ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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アートが秘める「見える化ツール」としての可能性。DX&AIが拓く、表現の未来とは?

こんにちは。アートとカルチャーをこよなく愛するキャリアコンサルタント・竹島弘幸です。 この連載では、長年一般企業に勤め主に国内海外の新規事業開発を行ってきた僕が「アート×企業」という切り口から、アートに対する新しい観点を探ってみようと思います。 「世俗離れしたイメージのあるアートが、企業とどう関係あるの?」そう思われる方も多いでしょう。しかし、どんなアーティストやクリエイターであっても、何らかのかたちで「企業」という存在には関わりを持つことになるのです。たとえば企業に勤めてアートやデザインの仕事をする人はもちろん、派遣社員をしながら創作をする人もそう。フリーで創作活動を頑張る人も、ギャラリー展示のスポンサーやアート系サイトでの販売といったかたちで、企業に関わっています。 そのほかにも、「アート×企業」の関わりは現代では多様なものがありまして、パッと思いつくのは企業が本社などに設置するためにアートを購入したり、文化貢献のためのスポンサー活動でしょう。またラグジュアリーブランドや自動車会社が自社製品のデザインやマーケティングにアートのセンスを入り込むこともよく行われています。そして経営にアートを取り入れる”アート思考”も数年前から提唱されています。 このように「アート×企業」は結構深い関係にあるんですね。 この連載ではさらに思考をグッと推し進めて、企業自身がアーティストとなり絵筆を持ってアート作品を作成する可能性についても考えたいと思っています。こう言うと、え?企業自身が絵筆をもつなんてできないでしょ……人間じゃないんだから……と不思議に思われるかもしれませんね。でも結論を先に言うと、DX(*1)やAIといったデジタルテクノロジーの進歩によって、企業が”絵筆”をもてる時代が来ているのではないか。僕はそう考えているんです。 (*1)DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がデジタル技術を活用して、業務プロセスや組織、企業文化、ビジネスモデルなどを変革し、競争上の優位性を確立する取り組みのこと。英語の「Digital Transformation」の頭文字をとったもので、「Transformation」のTransに交差するという意味があり、交差を1文字で表す「X」が用いられています。DXと似た言葉に「デジタル化」や「IT化」があるが、目的が異なります。デジタル化は業務効率化が主な目的である一方、IT化は特定の業務プロセスの効率化に焦点を当てます。 文/竹島弘幸(国家資格キャリアコンサルタント・外国人雇用労務士) 企業とは「目に見えないオバケ」である⁉ まずちょっと回り道ですが、そもそも「企業」とは何なのか、をしっかり考えておきたい。 結論から言えば、企業とは「残留思念」、つまり人の感情・思い・記憶といった目に見えないものが集まってできたものである――というお話をします。ちょっとスピリチュアルに聞こえるかもしれませんが、とても単純なことです。 まず企業の所有者は株主です、株主によって企業は所有されています。そして株主は経営のプロを選任して業務を委託します。それが社長や取締役といった人々です。また、企業は多くの従業員、つまり「人」を雇用します。「人」以外の要素についていうと、本社ビルや机椅子とかの備品、設備投資した工場や機械、販売店舗なども企業を構成する要素です。 上記の説明をよ~く読むと不思議なことがわかります。どの要素も「企業の一部」ではあるものの、「企業自体」を指し示していないのです。 [caption id="attachment_21865" align="aligncenter" width="750"] イラスト/ⓒみさきアトリエ[/caption] 「企業自体」はどこに存在するのでしょうか。例えば「トヨタの社員さん」や「トヨタの社屋」や「トヨタの車」ではなく、「トヨタという会社自体」に会ったことがあるよ、という人は、おそらく誰一人としていないでしょう。街で見かけるロゴや広告なども、企業を表す記号だったり、宣伝だったりするので、厳密には「企業それ自体」ではありませんね。 このように考えると、多くの要素の集合体というものが企業であると一旦は言えます。法律的にみると例えば会社法(*2)では企業に対し行動すべきことや罰則が規定されていますし、日常的に行われる契約行為も企業間で行われています。「法人」という言い方はまさに絶妙でありまして、あたかも人のような存在として法的に扱われているのです。このヒトのようでいてヒトでなく、モノのようでいてモノでない曖昧な集合体…これが企業です。 (*2)会社法とは、会社の設立・運営において守らなければならない規定を定めた法律です。会社法は、全8編から構成されており、企業における会社の設立、組織、運営や管理について定めた法律を定めています。会社に関わる色々な法律がありましたが、統合・再編成され、2006年に施行されました。会社法の役割は会社経営の柔軟性を高め、機動力を向上させることです。取引相手の保護、利害関係者の利益確保、法律関係の明確化などが重要なポイントです。 哲学や思想にも明るいマクロ経済学者の岩井克人(*3)は『会社はだれのものか』という著書で、法人という存在の不思議さについて企業の社会的責任(*4)の観点から論じています。 (*3)岩井 克人(いわい かつひと、1947年〈昭和22年〉2月13日 - )は、日本の経済学者(経済理論・法理論・日本経済論)。学位はPh.D.(マサチューセッツ工科大学・1972年)。国際基督教大学特別招聘教授、東京大学名誉教授、公益財団法人東京財団名誉研究員、日本学士院会員。本編では、氏の著書『会社はだれのものか』平凡社、2005年を参照しています。 (*4)企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)とは、企業が事業活動において、環境や社会、利害関係者に対して責任ある行動をとることを求める考え方です。CSRは、企業が利益至上主義に傾倒せず、社会全体に対して責任を果たすことを意味します。企業は、土地や人材、資源などを社会から借りている立場にあるため、それらを大切に活用するという義務があります。 また、その取り組みは、企業の社会的評価や信頼向上につながり、事業の成長にもつながります。また、社会問題や環境問題が注目される中で、CSRはますます重要視されています。 ではその多様な要素をつなぎ止めているものはなんだろうかと考えてみましょう。僕としては、企業に関与する人々の「残留思念」こそが各要素をつなぎ止め、企業自身となるのではないかと考えています。 例えば企業には歴史があります、過去があり今がある。また多くの役員、従業員がいてさらに過去に定年退職していった人や転職していった人々の思い、成功した人、平凡に過ごした人、失敗した人、喜びや悲しみ、怒り、人々の気持ちの交流、魂の交感。このような残留思念が形になったものが企業自身なのではないでしょうか。例えば、自分の人生に置き換えれば、生まれてから今まで出会ってきた人々との関わりの ”記憶” が、過去と現在をつなぎ、それらが現在の自分を形成していますよね。 こう考えると、「企業文化」なるふわっとした言葉も説明しやすいと思います。人々の残留思念が、企業文化の担い手なのです。明確に定義はできなくても企業文化って確実にあります(まだちゃんと働いた経験のない学生読者の皆さんは、企業文化=校風のようなものと想像してみてください)。挑戦的だったり、保守的だったり、面白系、センスがいい、とんがっている、環境意識が高いなど、企業文化をつくるのは最初は創業者の思いだったりしますが、それを人々の残留思念が継承しているのでしょう。 企業の「残留思念」をカタチにする、デジタルアートの可能性 ここで本連載の主題である、企業=残留思念が絵筆をもてるのか? についてです。普通に考えれば残留思念が物理的なモノ、油絵とか日本画の画材を持って作品を作ることはできませんよね。ただ、デジタルテクノロジーはそれを可能にしつつあると考えます。 また横道ですが、皆さんはクリストファー・ノーラン監督の傑作SF映画『インターステラー』をご覧になったことはあるでしょうか? この映画はSFであると同時に、父と娘、家族の物語でもあります。 https://youtu.be/isoTSzwBMKE?si=veEfxTYuK6dKqMzu 宇宙船で異なる次元に旅立った父クーパーは、重力制御の方法を地球にいる娘になんとかメッセージで送ろうとします。しかし次元が異なる世界にいる二人は、メールも電話もできるはずがありません。そこで父クーパーは、地球にいる娘に対し時計の秒針を動かしメッセージを伝えることを思い付きます。これがモールス信号なのです。果たして娘は父のメッセージに気がつくのか!? [caption id="attachment_21864" align="aligncenter" width="750"] イラスト/ⓒみさきアトリエ[/caption] クーパーが「俺の娘だ」と信じてメッセージを送り続けると、ついに娘はその意味を理解します。そしてモールス信号を分析し、重力制御の方法を組み立てることに成功するのです。 本論に戻りますと、残留思念である企業が現実界の絵筆を持ち、アートを作成できるのか? この問いについて、『インターステラー』がヒントを与えてくれます。 「残留思念」は現実世界に存在していますが、物理的な意味で世界とは次元が異なります。しかし両者は、コンピューターの「ハードウェア(=物理界)」と「ソフトウェア(=残留思念)」のような関係にあります。物理的実体のないソフトウェアがハードウェアを動かせるように、残留思念もまたコンピューターのプログラム(インターステラーのモールス信号)を駆動させることはできるのではないでしょうか。残留思念は物理世界に接触できずとも、あるプログラムに対してパラメータ(*5)を投げ込むことならできるのです。 (*5)パラメーター(Parameter)とは、物事の結果に影響を与える値や、外部から与える値を意味する言葉です。もともと数学やプログラミングなどの分野で幅広く使われており、それぞれに意味が異なります。 数学やプログラミングでシステムや関数の挙動を調整する要素として使われていましたが、その概念が派生し、ビジネスシーンでも「成果に影響を与える重要な条件」として活用されています。計画や戦略を調整し、目標達成を最適化する役割を担う概念として頻繁に使われています。 例えば銀行が工場に対して1,000万円融資を実行した。その金額や時期などは「数値データ」というパラメータとして表現できます。このパラメータをあらかじめ用意されたプログラムに投げ込めば、アウトプットとして何らかのデジタルアートを生成できます。そしてそのアートは、1,000万円の融資に関わった営業担当の思い、決裁した役員の思い、借り手の事業者の思い、融資を受けた工場や、その利用者の思い……などがプログラムによって結実した、いわば「思念」の表現であると見ることもできますよね。アーティストの「思念(想い)」が、絵の具という媒体で表現されるのと同じことです。 このように企業活動=残留思念を、デジタル技術を使うことでアートとして見える化することはできるのではないでしょうか。 いわばアートは、企業の残留思念という目に見えないものを見える化する、「妖怪ウォッチ」のような役割を果たせる可能性を秘めているのです。 [caption id="attachment_21863" align="aligncenter" width="750"] イラスト/ⓒみさきアトリエ[/caption] ヒトのようでいてヒトでなく、モノのようでいてモノでない残留思念=企業。この活動を、この連載では考えていきましょう。 文/竹島弘幸 (HIROYUKI TAKESHIMA) 国家資格キャリアコンサルタント
外国人雇用労務士 大手通信会社勤務中。 新規事業開発・金融系企業複数社の立ち上げやTOBを実施、執行役員を歴任。近年ではアジア諸国へ出向など。 同時に映画や音楽、アート等の視聴覚芸術、ファッション、現代思想などへの造詣を活用した共生社会の実現のたに、「人的資本経営」をサポートする会社を起業。 コーディネート/竹内基貴 (MOTOKI TAKEUCHI) プロデューサー/コンサルタント 日本写真専門学校卒業後、フォトグラファーになる。その後ロンドン芸術大学(LCC)留学。帰国後はIT企業各社にてWEBマーケティングや新規事業棟に従事。2015年に起業、アーティスト/文化人のマネジメントやデザイン会社の広報業務、企業のM&Aなどを行う。現在は地方でギャラリーを経営しつつ、初心に返りちょっとだけ映像制作も行っている。 ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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アート

PicoN!な読書案内 vol.23 ― 『いのちの車窓から2』

この連載では、ライターの中尾がこれまで読んできた本の中から、アートやデザインに纏わるおすすめの書籍をご紹介します。 今回は人気アーティストのエッセイについて。 いのちの車窓から2(星野源/KADOKAWA) [caption id="attachment_21773" align="aligncenter" width="511"] 画像引用:KADOKAWA HP[/caption]   アーティスト星野源さんのことを知っている人は多いだろう。かくいう私は古参の星野源ファンだ。2000年代に彼が所属するインストバンドSAKEROCKを知り、当時インストバンドをほとんど聞いたことがなかった私は、SAKEROCKの懐かしく暖かくも耳に残るサウンドがとても新鮮だった。程なくして、バンドのリーダーである星野源という人が音楽だけではなく大人計画という劇団に所属し演劇やテレビドラマへも出演していることを知る。(松尾スズキ氏や宮藤官九郎氏関連の作品で度々見かけることとなった。) 当時から文筆業も行っていた星野氏のエッセイでは、生活の些細な出来事への悩みや、素朴なことを愛する感性、世の中の常識に対する疑問など、表現者として芯がありながら親近感湧く内容が印象に残っていた。 2010年に弾き語りでソロデビューしてからはシンガーソングライターとしての作品評価が高まり、また音楽だけではなく映画の主演やドラマにも多数出演するようになる。しかしキャリア絶頂期の2012年にくも膜下出血と診断され、闘病期間を挟むことになる。 2014年2月の日本武道館公演で復帰。2016年には国民的ドラマとなった『逃げるは恥だが役に立つ』に主演、主題歌の『恋』が大ヒット。その後の活躍は多くの方が知る通りとなる。 『いのちの車窓から』は今から10年前の2014年12月に雑誌ダ・ヴィンチで始まった星野氏によるエッセイの連載名だ。活動休止の期間を経て、シンガーソングライター・役者・文筆家…多くの顔を持つ星野源という人間がこれまでよりも仕事の幅がグッと広がる期間の連載である。2017年に連載をまとめて書籍化した単行本『いのちの車窓から』は45万部超えのベストセラーとなった。 [caption id="attachment_21774" align="aligncenter" width="511"] 『いのちの車窓から』 画像引用:KADOKAWA HP[/caption]   それからの10年間をまとめたエッセイが今回紹介する『いのちの車窓から2』である。2017年〜2023年の連載をまとめたものだ。大ブレイク以降、多忙を極める生活を送ってきた星野氏。音楽制作のスタイルや活動の規模も大きくなり、進化し続ける創作活動のことはもちろんのこと、「誰もが知る存在」となったゆえの息苦しさも真っ直ぐに綴られている。エッセイを書いて心情を吐き出す、音楽とは異なる文章での表現を長年続けている同氏だからこそ、環境変化に対する葛藤を奇を衒うことなく書けるのだろうと思う。 また、自身の環境変化だけでなく、2020年のコロナ期間も大きな出来事だった。特に音楽活動や役者の活動に与えた打撃、その時期どのように過ごしていたか、またアーティストとして今までの当たり前が崩れてしまったことにどのように向き合ってきたのか。 全編を通して、星野源という人間の変化を感じるエッセイだ。 一つは先に述べたような仕事やそれに伴う環境の変化であり、人との関わり方の変化である。81年生まれの星野氏が30代後半〜40代を迎え、結婚生活や大切な恩師との別れ、若い世代との出会いなど、ライフステージの節目となる様々なエピソードも胸を打つ。その視点は昔から知る星野源氏そのものでありながら、「他者との交流」がより人生の核となっていることが本人の筆致からじわじわと伝わる内容となっている。 もう一つは、星野氏自身が「社会的な価値観の変化」にものすごく自覚的であることが挙げられる。いわゆる「価値観のアップデート」というものだ。この10年で自身が反省したこと、意図せず特定の対象を傷づけてしまったかもしれないこと・改めていきたいことについてもいくつも正直に語られている。 表現をする人、特に著名人ならあらゆる発言がネットニュースになりやすい昨今、「過去のこれは良くなかった」とあえて自身で振り返る人もあまりいないのでは、と思う。しかし国民的に支持された今も、アーティストとして、いやそれ以前に一人の人間として、見えていなかったものや知らなかったものを知り続ける姿勢が信用できる。同時に、過去の時代を一緒に生きてきた自分自身としても、より広い視点でものを見ないとなとも思わされる。 ポップアーティストの第一線を走る星野源氏の感性を知りたい人にはぜひおすすめの1冊だ。 文・写真:ライター中尾 [clink url="https://picon.fun/design/20220524/"] [clink url="https://picon.fun/art/20220627/"] [clink url="https://picon.fun/design/20220925/"] [clink url="https://picon.fun/design/20221028/"] [clink url="https://picon.fun/art/20221125/"] [clink url="https://picon.fun/art/20221227/"] [clink url="https://picon.fun/comic/20230125/"] [clink url="https://picon.fun/design/20230225/"] [clink url="https://picon.fun/design/20230325/"] [clink url="https://picon.fun/art/20230527/"] [clink url="https://picon.fun/photo/20230627/"] [clink url="https://picon.fun/art/20230728/"] [clink url="https://picon.fun/illustration/20230826/"] [clink url="https://picon.fun/photo/20231028/"] [clink url="https://picon.fun/design/20231125/"] [clink url="https://picon.fun/design/20240127/"] [clink url="https://picon.fun/design/20240226/"] [clink url="https://picon.fun/design/20240527/"] [clink url="https://picon.fun/comic/20240627/"] [clink url="https://picon.fun/comic/20240726/"] [clink url="https://picon.fun/comic/20240826/"] [clink url="https://picon.fun/art/20241023/"] ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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アート

NDS&NPI学校トートバックのイラスト担当!Maniackers Designイラストレーター・佐藤麻美のオシゴトのハナシ。

PicoN!を運営している、専門学校日本デザイナー学院(NDS)と日本写真芸術専門学校(NPI)。オープンキャンパスや学校見学会に来場してくれた方にお渡ししている、わたしたち自慢のトートバックがあります。イラストを手掛けるのは、NPI卒業生で現在イラストレーターとして活躍する佐藤麻美さん。群馬にあるデザインスタジオ「Maniackers Design(マニアッカーズデザイン)」でお仕事をされています。   ▽以前、PicoN!記事でもご紹介させていただきました [clink url="https://picon.fun/design/20220528_dp/"] ▽Maniackers Designは1995年に設立し、群馬県高崎市を拠点に様々なメディアで活動をしているデザインスタジオです。   この投稿をInstagramで見る   Maniackers Design(@mksd)がシェアした投稿   この投稿をInstagramで見る   Maniackers Design(@mksd)がシェアした投稿   この投稿をInstagramで見る   Maniackers Design(@mksd)がシェアした投稿   イラストレーター・佐藤麻美さんのオシゴトのハナシ。 これまでブランドロゴ、ポスターイラスト、キャラクターデザイン、雑誌の表紙、旅MAPイラスト、看板…などなど、多岐にわたりイラスト・デザイン制作担当をされています。今回は佐藤麻美さんに、イラストレーターのお仕事について、実際に制作担当されたイラストをご紹介いただきながらお話を伺いました。またイラストやデザインを学ぶ専門学生に向けたアドバイスもお話いただきました。   NHK毎日ロシア語テキストの表紙を彩る、愛くるしい動物たち。   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿 NHK毎日ロシア語のテキスト表紙を1年間担当しています。12か月、通年のイラストを担当するにあたり、イラストの雰囲気や色合い、タッチが大きくずれないように意識して描いています。   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿 編集担当の方と相談しながら、ロシアにいる動物たちをメインに描いています。各月ごとのテーマに沿ってイラストを描くうえで、細かな設定や情報を取り入れながら(例えば、ハリネズミの背景に描いた「キノコ」は実際にロシアに生息している品種である、とか、調べてみるとこの植物はロシアの夏時期には生えていないな…とか)、ロシアのことを想像しながら描くのがとても興味深いです。自分でゼロからイラストを描くのとはまた違った面白さがあります。     永く愛されるよう願いを込めたキャラクター「nolbé (ノルベ)」。 群馬の言葉訛り「乗るべ(乗ろう!)」から【 nolbé 】をネーミングし、バスのキャラクターを制作しました。新しく地域の交通ICカードが作られるときに、担当者の方と私たちで話合いました。今回、わかりやすくバスをそのままキャラクターにしよう、という話になりました。お年寄りから子供まで、みんなに愛されるようにという願いを込めて。   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿   この投稿をInstagramで見る   Maniackers Design(@mksd)がシェアした投稿   装飾が多い特徴的なキャラクターよりも、シンプルで、可愛げのある、耐久性の強いキャラクターをデザインすることを私たちは得意としています。必然性や意味を強めるために、安易にデザインせず、クライアントから細かなヒアリングをして出てきた要素をデザインに取り込んでいきます。そうすることで既存のキャラクターやデザインと被ることを避けられます。過去には、クライアントであるお店の歴史と紐づけてうさぎのキャラクターをつくったり、創設者をイメージしたおじいちゃんのキャラクターをつくったりもしました。     この投稿をInstagramで見る   Otafukuma PokuPoku(@otafukuma)がシェアした投稿   この投稿をInstagramで見る   Otafukuma PokuPoku(@otafukuma)がシェアした投稿 現在、クライアント様からのご依頼だけでなく、自分のオリジナルキャラクター「おたふくま ぽくぽく」もグッズを自主制作していて、ポップアップショップに出展したり、ショップにグッズをおろしたり、お店とコラボしたりしながら楽しんでいます。   フランスのセレクトショップ 【 DEJIMA store 】にてリソグラフプリントを販売中 パリで日本の工芸品を扱うDEJIMA storeにて私のリソグラフプリントが4点販売中です。憧れの場に自分の作品が販売され、とても嬉しいです。SNSをきっかけにお声掛けいただきました。ネットに自分のイラスト作品を掲載する事でこんな風にご縁がつながることもあるのだな、と面白さを感じました。   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿   この投稿をInstagramで見る   INVENTAIRE(@inventaireparis)がシェアした投稿   地元の人々と、愛情をこめてつくる雑誌「THE GUNMA」のMAPイラスト。 群馬のご当地雑誌「THE GUNMA」でおすすめスポット・まち歩きMAPイラストを担当しています。8月号ではみなかみエリアの紹介イラストを描きました。群馬の素敵なスポットをイラストで伝えるこのお仕事を通して、私自身ももっと群馬の魅力を伝えたいと感じるようになりました。   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿 日課としてお散歩の時間をつくっていて、目に映る、木や落ち葉、動物、建物など自然や近所の風景がイラストやお仕事の描くアイディアにつながっています。   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿 2024年7月9日発売POPEYE8月号で「〈DAMD〉の車に乗って、僕らしいひとり旅をカスタム。」に黒磯のマップとイラストを描きました。     イラストレーターとしてお仕事するうえで大切にしている「コミュニケーション」。 イラストレーター、デザイナーというお仕事は、依頼をしてくださるクライアント、企業の方や発注者とやり取りすることも多いです。大切にしている事は、密にコミュニケーションをとることです。自分を選んでお声掛けしてくださった方と、一緒に良いものを作っていきたい、という想いを込めています。   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿 Maniackers Designは群馬にある会社です。代表の佐藤正幸が地元である群馬をとても愛していて、地域の人々とのお仕事にとてもこだわりを持っています。打合せの場では細かなヒアリング、密なコミュニケーションを大切にしています。 例えば、クライアントの依頼内容にある背景や、込められた願い…など、依頼者の言葉と想いを深く理解することで、デザイナーとして新しい提案ができることも多いのです。私自身もイラストを描くお仕事をするうえで、コミュニケーションをとても大切にしています。   学生時代は、好きなことにのめりこんでどんどん色んなことを試してみてほしい。 学生の頃は、とにかく好きなデザインやイラストをたくさん見て、自分でもどんどん試しに描いたり作ったりして、のめりこんでいく時間が大事だと思います。失敗しても良いと思います。わからないことや気になることは先生に質問することも。いつも教えてくれる先生がいる学校という環境は特別だったと思います。   この投稿をInstagramで見る   Mami Sato(@_mami_sato_)がシェアした投稿 あとは、自分の興味のない分野も勉強してみることも良いと思います。例えば、「自分はこれはちょっと興味がないかな…?」と感じても、学んでみるときっとその先には奥深い世界があるはず。自分の知識を広げておくことで、後に社会に出て働くうえで役に立つシーンもあると思います。 資料探しや調べ物をするスキルも大事になってくるかなと感じます。最近はChatGPTやAIなど、クライアントとの打合せでもどんどん出てきているので、自分の知りたい情報にすぐ辿りつくことができるか、など今後もっと重要になるような気がしています。   ▽ヤマハ発動機が運営するWEBサイト「HATSUDO」にてピックアップクリエイターとしてご紹介されています   この投稿をInstagramで見る   HATSUDO(@hatsudo_official)がシェアした投稿 ---   みんなに愛されるイラスト。NDS&NPIのトートバック配布中。 佐藤麻美さんのイラストレーターとしてのお仕事や学生時代を振り返ってのお話をお伺いしました。好きなイラストを仕事にされている中でも、日々発見があり、新しいチャレンジをしていると話す佐藤さんの姿はとても輝いていて素敵でした。 佐藤麻美さんがイラスト担当したNDS&NPIの学園トートバックは、学校のオープンキャンパスや学校見学会にて皆さんにお渡ししています。   オープンキャンパス情報はこちら     ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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