【イマーシブ体験の流行で再注目!】映像演出の先駆者に聞く、ディズニーの映像演出の魅力とは?【後編】
皆さんは現在ディズニーシーで見ることのできるプロジェクションマッピングを使用した水上ショー「ビリーヴ シー・オブ・ドリームス」をご存知でしょうか?
今回は、プロジェクションマッピングを含めた空間映像演出の先駆者的存在としてご活躍されている専門学校日本デザイナー学院 ビジュアルデザイン専攻講師の土井昌徳先生に「ビリーヴ シー・オブ・ドリームス」の魅力を伺ったインタビュー記事です。
▽土井先生の経験や空間映像演出の歴史を解説していただいた前編記事はこちら
【イマーシブ体験の流行で再注目!】映像演出の先駆者に聞く、 ディズニーの映像演出の魅力とは?【前編】
後編となる今回は、ディズニーシーで行われているプロジェクションマッピングを使用した水上ショー「ビリーヴ シー・オブ・ドリームス」の魅力を土井先生に空間映像演出の観点から伺いました。
先生から見てこのプロジェクションマッピングショー「ビリーヴ シー・オブ・ドリームス」の魅力はどのような点ですか?
まずは、空間映像演出というかプロジェクションマッピング作品を作る上で重要になる「現実空間で没入感を持って体験できるか」と言う部分の作りこみがディズニーならではの魅力だと思っています。
最近では「イマーシブ体験」というものが似たもので流行していますよね。ディズニー風に言い換えるならば「魔法にかかった」体験が現実空間で出来るという事でしょう。具体的には、光はもちろん噴水や火などのスペシャルエフェクトを演出で沢山使用していることがポイントになると思います。コンサートで一番盛り上がるシーンで使用しているような、五感を刺激する演出が何度も行われていることで、見ている人の印象に残るショーになっているように感じます。
あとは、他のプロジェクションマッピング作品では、最初に苦戦することの多い “何が主役なのかを決めていく作業” 。例えば投影するのが建物であれば、その建物の歴史がメインになるというような感じですね。その工程がディズニーだと、まず前提として作品自体の魅力であったり、世界観やストーリーがメインになるので、主役を決める時点で世の中の認知があり魅力的なものを選ぶことが出来ると思います。それはディズニーならではの強みだと思います。
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(東京ディズニーリゾートPR公式Xより引用)
ディズニーだからこそ出来ている技術やテクニックはあるのでしょうか?
色々な意味でスケール感が凄いと思います。まず、演出が行われている空間がそもそもすごく広いですよね。通常、建物に投影をするとなると様々な制約や条件みたいなものがあります。例えば建物の近くに道路やビルがあると、光を出しすぎることでと周辺の人々に迷惑が掛かってしまうため、配慮をして光や音を調整しなければならない、などですね。しかし、ディズニーは園内でショーが行われるので、そのような気にしなければならない問題が少なく、やりたいことを最大限に詰め込んでいると感じます。
さらに、広い空間を使ってショーを開催する事で、見る場所によって見え方が違うので、見るたびに新しい発見があったり、ショーを見る人が何度でも楽しめる要素が詰まっていることも魅力だと思います。
中でも土井先生が一番気になった点、見て欲しい点はありますか?
まずは、世界観を崩さないような工夫ですね。例えば、どんなショーやライブでも使用されるスピーカーや音響設備などの大きい機材、オペレートするスタッフ。ショーやライブを行う上で当然必要なもの、というのが完璧に隠されていて、現実に戻って興ざめする瞬間を作らない工夫というのが至る所に隠されている点は、是非注目していただきたいです。
▽PicoN編集部撮影。地面から無数に生えている大きな機器は全てスピーカー
▽スピーカーを収納しているのが分かりやすく解説されている動画はこちら
さらに挙げるとすれば、投影しているホテルがかなり横長な建物であるにも関わらず、アニメーションがどの角度からも綺麗に見えるようになっているという点です。投影する機材や再生機となるパソコンを沢山使用し4KやフルHD以上の解像度で動画を作成、投影をしていると思います。その綺麗な映像を見ている人の視界全てをカバーできるスケールの大きさで見せることが出来るのは、大きな魅力だと思います。ぜひ見て欲しいポイントですね。
これからクリエイターを目指す方々、プロジェクションマッピングの制作に興味にある方へぜひ土井先生からメッセージをお願いします!
「自分の直感に噓をつかない」という事を大事にして欲しいです。僕も長いこと仕事をしていく中で、「これは何か引っかかるな」みたいな感覚になることがあって、この自分の中での1秒くらいの判断で違和感に感じた点を言語化したり紐解いていく事が成長に繋がるのではないかと考えています。自分の中でそういう風に違和感に感じている事って、他の人に見せても自分の見せたい、表現したいことが上手く発揮できていなかったり、不都合があったりすることが多いので、そういった点を自分の中で誤魔化さず突き詰めていく事が大切だと思います。
また、体験授業やオープンキャンパスなどで今回話したような内容を実際にお伝えできる機会も沢山あります。今回のテーマのプロジェクションマッピングような映像に興味がある人はもちろん大歓迎なのですが、僕がおすすめしたいのは「マッピングってちょっとキーワード自体は聞いたことはあるけど、あんまりそこにアンテナ張ってなかったな」とか「自分はイラストを書いたり、なんか実写撮影が好きなんだけど、なんかちょっと自分の一つのツールの一つとしてマッピングっていうものを勉強してみようかな」っていうぐらいの人。これまら伸びしろや可能性を秘めていると思います。
プロジェクションマッピングというと、どうしても言葉のイメージ的に敷居が高いイメージがあるかもしれません。ですが、授業の中で制作して作れるようになると自分の表現の幅が広がりますし、自身にもつながると思います。これからどんどん仕事にしていける可能性が高いジャンルだと思いますので、ぜひ気軽に体験授業にきたり授業見学などしてもらえたらと思います。是非気軽にお越しください。
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映像に興味を持ってくれた方、もっと詳しい話が聞きたいと感じた方、ぜひお気軽にご参加くださいね。お会いできるのを楽しみにしております。
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