【アイレベル or ウエストレベル】カメラの構え方で写りが変わる

「カメラで写真を撮る」と聞いてだいたいの方が思い浮かべるのはこういった姿勢ではないでしょうか↓

これはカメラのファインダーを覗き、目線と同じ高さで撮影するカメラの一般的な構え方で「アイレベル」と呼ばれるポジションです。
一方、カメラにはこんな構え方もあります↓

こちらは往年の中判カメラ等で撮影する際によく見られる構え方です。
腰の辺りでカメラを持って上から覗き込んで撮影するため「ウエストレベル」と呼ばれるポジションになります。

上から覗き込んで撮影するカメラとしてはハッセルやマミヤ、ローライなど名機がたくさんあります。


これら二つの構え方は、現代のデジタルカメラでもどちらも再現できる構え方です。
再現もなにも「アイレベル」に関しては、カメラを持てば誰もが自然とその構え方になっているはずです。
「ウエストレベル」については、デジタルカメラの背面液晶を上に向けることで、ファインダーを上から覗き込む中判カメラのような撮影をすることができます。

デジカメの背面液晶を上に傾けた状態。これでウエストレベルでの覗き込み撮影ができます。

この二つの構え方は「ただカメラを持つ高さが変わるだけ」ではありますが、これが写真にとって結構大事な要素だったりもします。
目線が変わることで、写り方も変化してくるわけです。

どのような変化があるのか、実際に両方の構え方で撮り比べてみましょう。

 


渋谷のキャットストリートを「アイレベル」・「ウエストレベル」それぞれのカメラの持ち方で撮影しながら歩いてみました。

最初に渋谷→原宿方向に歩いてみます。
まずはアイレベルの撮影をするため、シャッターを切る際は必ずファインダーを覗くことにします。

「通りを歩いた人の視界の記録」といった感じの写真になりました。
目で見ている景色ほぼそのままの視線なので、普段街を眺めている感覚と近い、自然な印象です。

次に逆向きの原宿→渋谷方向を「ウエストレベル」で歩きながら撮影。
カメラの背面液晶を90°に固定し、上から覗きながら撮ってみます。

「アイレベル」で撮影した前半の写真と比べて、景色を見る視線が下がっています。
こちらは前半に比べて「通りを客観的に見た記録」といった感じの印象を受けます。

些細な変化なので解りずらいかもしれませんが、目線が変わることで街やモノの見え方が微妙に変わっている感じがしませんか。
とくに変化が解りやすいのは通りを歩く人の後ろ姿の写真でしょうか。
同じ通行人でもアイレベルで撮影した方は「自分の前を歩いている人」といった臨場感があり、一方「ウエストレベル」の方は「通りを歩いている人」っていう感じで、同じ通行人の後ろ姿でも存在感が違って見えると思います。

このように、カメラの持ち方を変えるだけで写真の写り方にも変化をもたらします。
微妙な変化かもしれませんが、「ちょっとした違和感」といった要素もうまく使えばオリジナリティのある魅力的な作品になり得るはずです。

みなさんが好きな写真家がどんなカメラを使っているのか調べてみると、それらの作品がアイレベルで撮られているものなのか、ウエストレベルなのかを知るヒントにもなると思います。
誰しも「アイレベル」で撮影することが大半かと思います。
ぜひ写真にバリエーションを持たせたいと感じている人や、写りに変化をつけてみたい人は「ウエストレベル」も試してみては。

PicoN!編集部:黒田


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