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手で作られた、完璧な錯覚ー吉田ユニ×キム・ヨンジュンが表現する“存在そのものの美”

日本トップクラスのアートディレクター・吉⽥ユニと、BTSやTWICEなどのアルバムジャケット撮影も手掛ける韓国のフォトグラファー キム・ヨンジュンによる初のコラボレーション写真展『KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”』が、2026年4⽉29⽇(⽔)〜5⽉28⽇(⽊)までの1ヶ⽉間、⿇布台ヒルズギャラリーにて開催される。

本写真展では、ドラマ、舞台で活躍する⽇韓のトップ俳優62名が参加し、キム・ヨンジュンのレンズと吉⽥ユニのディレクションのもと、それぞれの俳優が持つ内⾯と存在感をアートとして昇華させた作品が展⽰されている。⽇本からは、⻑澤まさみ、広瀬すず、⼩松菜奈、オダギリジョー、坂⼝健太郎 他(※順不同)、韓国からはイ・ビョンホン、ソン・ヘギョ、パク・ヒョンシク、チュ・ジフン、キム・ダミ 他(※順不同)、両国を代表する俳優たちが参加し、“今”のアジアを象徴する豪華な顔ぶれがそろっています。

《アーティスト情報》

■キム・ヨンジュン KIM YEONG JUN

フォトグラファー。大韓民国ソウル生まれ。31歳でエージェンシーにスカウトされキャリアを始めた。雑誌、広告、アルバムジャケット、映画、ドラマ、ポスターなど多様な分野で活動を続けている。Vogue、Harper’s Bazaar、ELLE、Marie Claire、Dazed、Singles、W Korea、GQ、Esquire、Arena Homme+などの主要マガジンで撮影を担当。また、BTS、TWICE、Stray Kidsなどの様々なアーティストのアルバムジャケットやコンサートポスターの撮影も手がける。映画ポスターでは『アジョシ』、『神弓-KAMIYUMI-』、『王になった男』、『エクストリーム・ジョブ』、『ゾンビになってしまった私の娘』などがあり、ドラマポスターでは『涙の女王』、『テプン商事』、『暴君のシェフ』などを撮影した。Levi’s、Montblanc、Calvin Klein、Adidas Originals、Reebok、Guessなどの広告ビジュアルでグローバルブランドとコラボレーションした。

 

吉田ユニ YUNI YOSHIDA

アートディレクター、グラフィックデザイナー。東京生まれ。女子美術大学卒業後、大貫デザイン入社。宇宙カントリーを経て2007年に独立。広告、CDジャケット、装丁、映像など幅広い分野で活動中。主な仕事にWonjugyo 、エテュセなどのコスメブランドの広告、渡辺直美のドーム公演ビジュアル、『アンナチュラル』、『エルピス』、『しあわせな結婚』などのドラマのポスター、Vaundyや木村カエラ、アイナ・ジ・エンドのCDアートワーク、UNIQLO × DISNEYコラボレーション、韓国の舞台「マクベス」のキービジュアルデザイン等。国内外での個展も開催し、23年には、韓国・ソウル美術館で個展「Alchemy」を開催。過去作や新作「PLAYING CARDS」などを展⽰し10万⼈を動員。主な受賞に、東京ADC賞(2016)、毎⽇デザイン賞(2019)、MAMA ベストアートディレクター賞(2019)。2024 年韓国へオルム国⽴劇場での舞台「マクベス」のポスターがClio Awards で2部⾨ゴールドを受賞。

都市とつながる展示空間

会場となっている麻布台ヒルズ ギャラリーは、多様な文化や表現が交差する場として企画された展示施設である。

アクセスは、東京メトロ日比谷線「神谷町」駅から直結しており、駅の5番出口を利用することでスムーズに到着できる。実際に訪れてみると、駅と麻布台ヒルズが自然に接続された設計になっており、迷う事なく会場へ行く事ができる。

「花」をモチーフにした62名の俳優の世界観を表現

本展のテーマは「⼈間の最も本質的な美しさ」。

(公式:内館画像)

「花」をモチーフに、俳優⼀⼈ひとりの個性や存在感を引き出したビジュアル作品が合計124点展示されている。一枚一枚異なるディレクションがなされており、本展の為に撮りおろされた作品だ。

会場内には、ビジュアル作品の他、実際の撮影で使用した花を使用したフォトプロップスを、展示空間に合わせて、再現した立体作品が点在している。

撮影で使用しているフォトプロップスは、全て吉田ユニ氏ご本人が、一つずつ自らの手で制作されているそう。

撮影を疑似体験できるフォトブース

ここでしか体験できないコンテンツとして、フォトスポットが用意されている。

フォトスポットの壁面裏に展示されているビジュアルの背景と同デザイン。

ぜひ展示の記念に撮影したいスポットだ。

 

制作の裏側を知る「メイキングエリア」

吉田ユニ氏の、俳優それぞれから受けるインスピレーションをデザインに落とし込み、実際の花で表現するという、類稀なる能力はいかにして生まれるのか。その片鱗をみることができるメイキングエリアが用意されている。

ここでは、撮影前のプレゼンテーションで実際に使用されたラフ画を、インスタレーションとして体験できる。将来、アートディレクター・デザイナーを志す方にとっては、普段目にする事のできない制作の裏側を見られる貴重な機会なので、ぜひ見てもらいたいコンテンツだ。

「⼈物と向き合う体験をして欲しい。」ーータイトルに込めた想い

▲左から:吉⽥ユニ/キム・ヨンジュン

韓国と⽇本、それぞれのクリエイティブシーンを牽引するお⼆⼈が、今回タッグを組むことになった経緯や、きっかけを教えてください。

キム氏:きっかけはシンプルで、ユニさんとは友達関係だったので、何か⼀緒にできたら良いねと以前から話していました。 「ポートレートの展⽰会をやろうと思っているんだけど、⼀緒にやらない︖」と提案しました。もともとユニさんの作品を知っていたので、展⽰会をきっかけにより親しくなりました。

吉⽥氏:⼀緒にやろうとずっと話していて、そういう提案をしてくださったことから、話が広がっていきました。2年前に韓国で個展をしたのがきっかけでヨンジュンさんとつながりました。

展⽰タイトル『Face to face』にはどのような想いが込められていますか。また制作過程において、お⼆⼈がまさに「向き合う(Face to face)」中で⽣まれたエピソードがあればお聞かせください。

吉⽥氏:タイトルはヨンジュンさんが考えてくださいました。 最初はお花と決まっていたわけではないのですが、少し進んだ段階で、お花をテーマにするのもいいかもねとなり、そこからすべてお花で、俳優さんに合ったイメージに仕上げました。私は作り込みに時間をかけることが多かったのですが、ヨンジュンさんは撮るのが早く、⼀瞬で撮ってくださいました。

キム氏:俳優さんたちのポートレートを携帯の画⾯で⾒ることが増えている中で、⼤きな作品として⾒てもらう機会をつくりたくて、今回のタイトルを「Face to face」にしました。 エピソードとしては、ユニさんは1つの作品に12時間ほどかけて作り上げていましたが、僕は15分ほどシャッターを切っただけです(笑)。

吉⽥さんの計算し尽くされたビジュアル構成と、キムさんの写真表現が融合する際、どのようなルールやこだわりを持って制作されたのでしょうか。互いのスタイルをどう活かし合ったのか伺いたいです。

吉⽥氏:ヨンジュンさんが私のアイデアを受け⼊れてくださったので、それに合う撮影⽅法を毎回考えてくださり、とても楽しかったです。ヨンジュンさんが考えてくださった撮影⽅法については、私も何も⾔わず任せて、信頼していました。

キム氏:最初に決めていたのは、ポートレート写真なので、⼈物がしっかり⾒えるライティングにすることです。それ以外は⾃由に進めました。 今回ユニさんと作業しながら驚いたのは、各⼈物に合った、その俳優が持つ魅⼒やオーラをさらに引き⽴てるアートワークを、毎回新しく⾒せてくださった点で、本当に感激しました。お互いの領域をリスペクトしながら、うまくプロジェクトを進められたと思います。

今回の展⽰は、⿇布台ヒルズギャラリーという特別な空間で開催されますが、空間構成において特にこだわった点や、来場者に「ここだけは⾒逃さないでほしい」という作品、または演出はありますか︖

吉⽥氏:写真1枚1枚がしっかり⾒えるように全体としてはシンプルに⾒せながらも、空間の中に少しずつ撮影に使った要素を遊び⼼のように散りばめています。

キム氏:ポートレート写真展なので、まずは「⼈物がしっかり⾒えること」を最優先に考えました。 また、作品に使われた⼩道具なども空間内に配置していて、撮影の要素を感じられるようにしています。ちょっとした“シークレット的な要素”もあるので、そこも楽しんでほしいです。

実際に共同制作を⾏ってみて、相⼿のクリエイティビティに最も刺激を受けた部分や、⾃分⼀⼈では到達できなかったと感じる「新たな発⾒」は何でしたか︖

吉⽥氏:私も普段の作品とは違って、フォトグラファーの視点が加わることで新しい世界が広がったと感じました。 特に、短い時間で俳優の⾃然な表情を引き出す⼒はすごく印象的で、その瞬間性が作品の魅⼒になっていると思います。

キム氏:今回のコラボレーションを通して、ポートレート撮影に対する視野やアプローチが⼤きく広がったと感じています。 これまでは「⾃分がうまく撮れればいい」と考えていた部分もありましたが、⼀緒に制作することで、⾃分では表現できない領域を補い合えることに気づきました。新しい表現の可能性や発⾒が連続する、とても刺激的な経験だったので、今回で終わらせるのではなく、今後も⼀緒に制作を続けていきたいと思っています。

この展⽰を楽しみにされているファンの皆様や、初めてお⼆⼈の作品に触れる⽅々へ、この空間を通じてどのような体験を持ち帰ってほしいか、メッセージをお願いします。

吉⽥氏:これだけ多くの俳優陣が⼀堂に会する展⽰はなかなかないと思うので、⼀つひとつの作品をそれぞれ丁寧に作り込んでいるのでじっくり⾒てほしいです。

キム氏:この展⽰では実際に⼤きなサイズで、⼈物と向き合う体験をしてほしいです。私がもっと頻繁に⽇本に来られるように、たくさんお越しいただけたら嬉しいです!

***

本展は、鑑賞にとどまらず、表現を志す人にとって多くの示唆を与えてくれる。どのように見せるか、どう表現するか、どこまで作り込むか。その問いに向き合うこと自体が、作品制作のヒントになるだろう。

KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”』は5月28日(木)まで

《展覧会情報》
『KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”』
⽇程:2026年4⽉29⽇(⽔・祝)〜 5⽉28⽇(⽊) ※会期中無休
時間:11:00-21:00
会場:⿇布台ヒルズギャラリー(〒105-0001 東京都港区⻁ノ⾨5-8-1 ⿇布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)
料⾦:⼤⼈2,200円(税込)/⼤学⽣・専⾨学⽣1,500円(税込)/中⾼⽣800円(税込)/⼩学⽣以下無料/障害者⼿帳をお持ちの⽅1,500円(税込)

取材協力:株式会社TANK

取材/PicoN!編集部 市村

撮影/学生サークルSHATO 外山・八重樫

 

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