クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…〈vol.3〉
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
気がつけばGWも終了し、新たな環境に身を置かれている皆様に置かれましては、5月病に罹患されているかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
今年はコロナによる混乱も落ち着きをみせ、徐々に社会が通常運転に戻りそうな気配ですね。(希望も込めて)
しかし、2020年から続くコロナの狂乱で皆様大事な予定が変更になったり、すり抜けたり、失われたりしたのではないでしょうか?
今回は、2021年にサブスク解禁&歴史的名盤発売30周年を記念して5月に新装版CD/LPをリイシューしたにも関わらず、盛り上がりに欠けた感が否めないMy Bloody Valentineの『Loveless』のご紹介です。
*音楽メディアで紹介、関連本の発売、Supremeとのコラボ等あったので「盛り上がっていたでしょ?」というご意見もあるとは思いますが、私見ではもっと盛り上がるべきだと思っているのでご容赦頂きたく!
My Bloody Valentineについて
1984年結成のアイルランド出身の男女混合の4人組バンド。
バンド名はカナダ制作のホラー映画“血のバレンタイン(放題)”に由来。
オルタナティブロック、サイケディック要素もありつつも彼らを特徴づける何重にも重なるノイズのようなギターと甘美で気怠い男女ヴォーカルを載せ、サンプラーやエフェクターを多用し、ゴリゴリにディストーションをかけたサウンドは幽玄です。
彼らのサウンドは靴を見ながらギターを引いたりエフェクターをいじらなきゃならないような演奏に由来して“シューゲーザー”と呼ばれ多くのフォロワーを生みます。
*シューゲーザーの始祖は誰かに関しては諸々ありますが、間違いなくシューゲーザーを代表するバンドであることは異論はないかと。
「Loveless」という歴史的名盤
1991年に発売されたMy Bloody Valentineの2ndアルバムです。
彼らの代表作として後世に語り継がれるとともに、シューゲーザーという音楽ジャンルの金字塔的な作品。
本作は、メンバーのこだわりにより2年ほどの制作期間がかかり、制作費に25万ポンドがかかった結果、当時バンドが所属していたクリエーションレーベルが倒産寸前に追い込まれたといういわくつき!
内容は森山大道の写真のような「アレ・ブレ・ボケ」た感じのアルバムジャケットの通りのサウンドスケープ。
1stアルバム「Isn’t Anything」のオルタナティブ、サイケディック要素は抑えられ、アルバム全体の音像がディストーションがかったノイジーなギターが隙間なく埋め尽くされ、その轟音で心身ともに持っていかれて、不安感と安心感が去来ししながらも浮遊感をともなう美しさを有しているという素晴らしさ。
どの曲も名曲すぎるのだが、一発で持っていかれる
アルバム1曲目only shallowと最終曲soonを是非ご一聴ください!
my bloody valentine – only shallow (official video)
my bloody valentine – soon (official video)
私は、FUJI ROCK FESTIVAL’08でLOVELESSの曲を体験しましたが、My Bloody Valentine自身が演奏しながら爆発して、自分も轟音で爆発するのでは?
でもそれも良いかと思えるような至福の轟音体験でした。
重複となりますが2021年の5月にリイシューされた本作ですが、個人的にはもっと盛り上がってほしかったので、1年越しにリコメンドさせていただきました。
おススメです!
ちなみにAndrew Weatherallによる「soon(Andrew Weatherall Mix)」は、原曲のフレーズを活かしつつもどこかヘッポコなブレークビーツでクセになるので、こちらもご一聴を!
My Bloody Valentine – Soon (The Andrew Weatherall Mix)
文・写真 北米のエボ・テイラー