クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…〈vol.29〉―『ガザとは何か』『HIND’S HALL』
おはようございます。こんにちは。こんばんわ。
都知事選の狂騒も終わり
次の関心事はオリンピックあたりになるんでしょうか?
かねてより人間は忘却をする生物ですが、
・情報ソースのデジタル化
・情報量の過多
・脳のワーキングメモリの制約
などの理由により
あらゆる事象を忘れやすくなっている傾向にあると思います。
今回は忘却してならない昨年から10月から続く
イスラエルによるパレスチナ人へのジェノサイドについて
今起こっていることだけでなく背景を知れる著作と
それに関連するレべルミュージック
(=社会的メッセージが込められた音楽)をご紹介します。
『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』
『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義/岡真理』は
パレスチナ問題を深く理解するための講義をまとめた書籍です。
岡真理氏は、長年にわたりパレスチナ問題と現代アラブ文学を
研究してきた専門家で、早稲田大学学術院教授も務めています。
この書籍は2023年10月に起きたジェノサイドを契機に
実施された緊急セミナーを基に編集されています。
本書は2部制+質疑応答で構成されており、
概要としては
第1部は「ガザとは何か」と題され
・イスラエルによる繰り返されるジェノサイド
・シオニズムとイスラエルの建国
・建国以降のナクバ(民族浄化)について
・ガザの現状
第2部は「ガザ、人間の恥としての」と題され
・不均衡な暴力と平和デモへの弾圧
・国際社会の政治的無関心
・イスラエルのアパルトヘイト
記述されています。
1部と2部で重複する内容もあれど
1部では現在に至るまでのパレスチナ問題の歴史と背景、
2部では如何に国際社会の無関心が今の惨状を作ってしまったか
が記されています。
不勉強ながらパレスチナ問題に関して私は無知でした。
本作を読むことで毎ページ付箋を貼るほど
自分のパレスチナについての無知を深く知り、
毎ページの凄惨な事実に顔が歪みました。
ようやく読んだことすら恥ずかしくなりましたが、
どんなタイミングであれ、あらゆる人にこの事実を知ってほしい。
そして本書を読んで肝に銘じてほしいと感じました。
忘却が次のジェノサイド=虐殺を生むとことを。
また本文にある通り
“言葉とヒューマニティという武器を手に、
何人の人間性も否定されない世界のために闘わなければならない”
ことを。
日本の主要メディアだけをみていると
ハマースについての認識、イスラエルが軍事攻撃、
なぜ学生がパレスチナ側に寄り添っているか、
米国のエンタメ界の著名人が本問題に沈黙していることに
若者が憤っているか…わからないと思います。
少なくとも私はよくわかっていなかった。
現状の認識と次の虐殺を生まないためにも本作はオススメです。
そしてもう一つ。
ガザで起こっていることに対して
素晴らしいRebel Musicのご紹介。
HIND’S HALL / MACLEMORE
マックルモアはシアトル出身のラッパーであり
第56回グラミー賞で4部門の受賞も果たしています。
なかなかイスラエルに批判的な意見を出せていない
アメリカエンタメ業界の中にあって
有名ラッパーに関わらず声を挙げたのが本作です。
是非本作を聴いた後にリリックの日本語訳も
読んで頂ければと思います。
米国の若者が何に憤っているのか?
この状況に米国のアーティストが声を
上げなかったこと彼の怒りがわかるかと思います。
*前々回の記事で米国HIPHOPゴシップを
嬉々と書いてた自分の愚かさも反省
なお、本作の収益はすべて
UNRWA(国際パレスチナ難民救済事業機関)に
寄付されるということです。
Rage Against Machineのトム・モレロをして“レイジ以来、最もレイジな曲”と言わしめた
HIND’S HALLをどんなプラットフォームでもよいので
聴いたり、購入したり、Youtubeを観てください!
オススメです!
文・写真 北米のエボ・テイラー
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