クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…〈vol.25〉― 細野晴臣『HOSONO HOUSE』

おはようございます。こんにちは。こんばんわ。
花粉症が猛威を振るっていますが花粉症を患っている皆様
いかがお過ごしでしょうか?
かくいう私も30年来の花粉症患者でして、春になると毎日憂鬱です。
アレジオンの2024花粉情報によると私が住んでいる
関東地方の花粉飛散状況は昨年より少ないそうなのですが、
体感として症状は重いです。

春先の憂鬱さに輪をかけてクリエイティブ業界、
いや、あらゆる業界にとって悲報が舞い込みました。

『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』などで
有名な鳥山明氏が3月8日逝去されました。

鳥山氏は漫画界のみならず、
国内外のあらゆる人々に影響を与えてきました。
音楽業界でも様々なファンがいますが
国外ですとThundercatが熱烈なファンで
『Dragonball Durag』という『ドラゴンボール』を
題材にした曲まで作っています。

もちろん追悼コメントをXでポスト

そこで今回は国内外での評価のみならず、
長年で様々なクリエイターに影響を与えたアーティストである
細野晴臣の発売から半世紀も愛されている
『HOSONO HOUSE』をご紹介いたします。

細野晴臣について

細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏からなる言わずと知れた
イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のリーダー/プロデューサー
であり、エイプリルフール、ティン・パン・アレー、はっぴいえんど…
これまた伝説的なバンドの中心人物として在籍。

自身のバンド/ユニットのみならず松田聖子、小泉今日子、星野源…
数々のアーティスト、映画音楽、企業向けの音楽、ゲーム音楽…
に音楽提供を行っています。

音楽のみならず著書も多数で映画、ドラマ、コント…にも出演。
領域を越境しまくるクオリティとクオンティティを兼ね備えた
マルチな天才クリエイターです。

彼の音楽性はバンド/ユニット、年代、作品ごと/作品内でも異なり
ロック、テクノ、アンビエント、ワールドミュージック、
アンビエント、フォーク、エレクトロニカ…
あらゆるジャンルの作品をリリースしています。

このような変幻自在なアウトプットをする理由は
彼の「観光音楽」と呼ぶアイデアに由来していると思います。

これはクリエイター/リスナーとして
自分自身を音楽旅行者として考え、
オープンマインドに様々な文化の光景や音を吸収し、
それらを個人的な翻訳を通じて
記録していく制作と聴取の姿勢です。

そんな彼の特色を個別作品の解説しだしたら
キリがないので「細野晴臣」で検索して片っ端から聞く
正しい受容の仕方だと思います。

当然国内外、ミュージシャン以外からの影響も多大で
電気グルーブ、KENISHII、高野寛、小山田圭吾、テイ・トウワ、
ディペッシュ・モード、デリック・メイ、アフリカ・バンバータ、
デュラン・デュラン、ケイトリン・オーレリア・スミス、
マック・デマルコ、ゲームクリエイターの飯野賢治、
漫画家の江口寿、漫才師の塙宜行などが
彼や彼の関わっているバンド/ユニットへの影響を公言。

細野晴臣の代表作の一つ『HOSONO HOUSE』

本作は彼が1973年5月25日に発売した通算1枚目のスタジオアルバム。
邦楽ポップ史だけでなく世界的にも影響を与えた金字塔的作品。
細野氏にゆかりのある松任谷正隆、鈴木茂、林立夫などもゲスト参加。

アルバム・レコーディングは埼玉県狭山市の稲荷山公園の近くにある
通称アメリカ村という当時の細野の自宅で行われた。
(現在もジョンソンタウンとしてアメリカンなエリアです)

当時、全宅録すること自体が先鋭的だったが、
ザ・バンド『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』
ジェームス・テイラー『ワン・マン・ドッグ』など、
アメリカのアーティストのホーム・レコーディングに
刺激されたのがきっかけだったとのこと。

アルバム通してアメリカのカントリーロック、フォーク、
ポップスなどのサウンドがベースなのだが、
アメリカの音楽を日本語に直接翻訳しただけない
「仮想のアメリカ音楽」のような不思議さがあります。

細野氏の低い声、歌詞の独特の乗せ方、宅録環境だけなく
彼の「観光音楽」の姿勢とアメリカ村に住んでたことも
大きな要因だと思います。

是非あなたも本作を聴いて音楽旅行者として
「仮想のアメリカ」に旅行してみては

『HOSONO HOUSE』は続く…

細野氏デビュー50周年の2019年には本アルバムを
セルフリメイクした『HOCONO HOUSE』をリリース。
こちらの曲順はオリジナルの逆になっています!
オリジナルと各曲を聴き比べてみると非常に面白いです。

さらに2024年は本作50周年を記念して
カクバリズム、STONE THROW、Bayon Productionという
日米の両レーベルが共同プロデュースしたカバーがリリース
先行リリースの作品は下記特設ページから!

HOSONO HOUSE COVER

文・写真 北米のエボ・テイラー

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