デザインは全てあたりまえの生活の中にある。「佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉」

東京・銀座のギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で5月16日(月)から6月30日(木)、デザイナー・佐藤卓氏の仕事や作品などを一挙展示する企画展「佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉」を開催。

会場の1階には2004年のggg佐藤卓展以降、佐藤氏が自発的に制作してきた作品を中心に展示している。B1(地下)には佐藤氏が率いるデザイン事務所「TSDO」として関わってきたデザインの仕事を展示し、これまでの活動が凝縮された内容となっていた。今回はその様子をご紹介していく。

まずはじめに、gggの入り口には粋のあるあいさつ文が出迎えてくれる。

中に入ってみると、一度は目にしたことある商品が巨大な作品となって展示されている。

「MILK」の作品のなかに佐藤氏はこう語っていた。

①デザインの成立、②デザインの解剖、そして③デザインの作品化へ。あくまでデザインを起点に、模索を続けたいと思っています。「MILK」キャプション文一部引用

「MILK」

これは牛乳のパッケージの部分をよく見ているうちに、アート作品になると思えてきて、立体化したものだ。元々は佐藤氏がデザインしたパッケージですが、それを自ら解剖し、次に作品化したという流れをみることができる。遠くからではわからなかったが、近づいてみると壁一面に牛乳パックが敷き詰められていた。その発見をしたときは筆者も自然に物事を解剖してみることが出来ているのだと感じた。

 

他にもチューブのから中身が出ているという、世の中の日常を切り取り巨大化したもの。

MASS

 

ひらがなの優美な形を、音のイメージを立体化したものなど。

ひらがな立体

 

作品を観ていると、「どうしてこのデザインになったのだろうか?」「デザインの解剖って何?」とその根源から確かめたくなる内容だった。そしてその答えはB1(地下)の展示にあったのだ。

B1(地下)フロアには食品、化粧品、お菓子、本、地域活性化、ブランディング、、、これまで佐藤氏が率いるデザイン事務所「TSDO」携わってきた数々のデザインが展示されていた。

また作品1つ1つに説明のキャプションがあるので、デザインが成り立った経緯やこの商品に込められている意味をデザインに落とし込む様子を知ることができる。プロのデザイナーの頭の中を覗いている気分だ。

エリエール

みなさんが普段当たり前のように使っている商品。それには売り場で目立ちやすさ、手に取りやすさ、情報の整理など試行錯誤をされたデザインだからこそ長く愛され続けている商品になるのだと感じた。

佐藤氏の考えを見ていると、美味しそうなものはとことん美味しそうなデザインとして本能的に訴えかけることを大切にしていた。

最後に

佐藤氏は公式サイトにて以下のように述べている。

双方に共通するキーワードを「in LIFE」とし、全てあたりまえの生活の中にあるという意味を感じてほしい。公式サイト一部引用

みなさんも展示に行った際はこの言葉の意味を感じてほしい。

会期中、銀座エリアでは複数の関連イベントを開催する。TSDOがこれまで手がけてきたTORIBA COFFEE、ISSEY MIYAKE GINZA、松屋銀座 地下通路では、それぞれ現地にあるQRコードにスマホをかざすと、オンラインで佐藤氏の解説を聞くことができる「TSDO WORK WALK in GINZA」を実施。

gggと同じビル内の2Fライブラリでは、展覧会や商品告知、地域活動などに関する8つの映像(約2時間20分)を紹介している。

佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉
日程:5月16日〜6月30日
休館:日曜・祝日 / 入場無料
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
時間:11時〜19時
公式サイト:https://www.dnpfcp.jp/gallery/ggg/jp/00000787

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