丸よりも丸い形???「スーパー楕円」とは!?
みなさん、「スーパー楕円」という形
知っていますか?
スーパー楕円(Superellipse)は、長方形と楕円形のちょうど中間にあたる、四角のような丸のような、とても柔らかい印象を与えてくれる形です。
さっそく並べて見比べてみましょう。
正方形、正円、角丸正方形、スーパー楕円の
4種類です。
いかがでしょう、
印象で見てみると意外と「正円」って固そうに見えませんか?均一な整った形っていうのはある種の強さがありますね。
「柔らかさ」を感じる
角丸長方形とスーパー楕円ですが、
スーパー楕円の柔らかい印象の強さはさすがです。
角丸長方形とはレベルが違います。
なんとも触り心地の良さそうな、
柔らかい印象の形です。
デンマークの数学者
ピート・ハイン(Piet Hein)氏がデザイン
このスーパー楕円は、フランスの数学者ガブリエル・ラメ(Gabriel Lamé)氏の曲線の研究をもとに、デンマークの数学者ピート・ハイン(Piet Hein)氏がデザインしました。
ちなみに数学的な計算式は、
(x/a)n+(y/b)n=1
この[n]が[2]のときは通常の楕円形になり、
[n]が[2.5][3.0]というように[2]以上の数字の場合に
スーパー楕円となるそうです。
[n=2.5]の曲線が最も美しいとされるそうです。
最初はストックホルムにあるロータリー交差点の交通問題を解決するためにデザインされたそうです。
「長方形だと流れが悪い」「楕円だとカーブがきつい」これを解決するためにスーパー楕円が活用されました。
世の中に多く使われるようになった
スーパー楕円
スマートフォンや、アプリのアイコン、建築や家具のデザインにも多く使われています。
最近ではシヤチハタから「スーパー楕円はんこ」が発売されたようです。
印影の心地よい形もそうですが、持ち手の部分も手に馴染む形状のようです。
〈スーパー楕円〉を
Illustratorで作ろう!
そんな気持ちのいい形状のスーパ楕円を
デザインでも活用できるように、Adobe Illustratorで作ってみましょう。
作り方①/パスを移動させて作る方法
まずは任意の正円を描き、同じ位置で125%拡大した円を作成します。
つぎに、内側の円の四方のアンカーポイントを、外側の円のアンカーポイントにスナップさせるように移動させます。
なんとも簡単にスーパー楕円の完成。
作り方②/効果[ワープ]で作る方法
任意の正円を描き、[効果] → [ワープ] → [膨張(-38%)]をかけると完成。
最終的に[オブジェクト] → [アピアランスの分割]でパス化しましょう。
こっちの方が手順は少ないですね。
この方法はTwitterで紹介されていたものです。
話題の「スーパー楕円」ですが、Illustratorのアピアランスで実現するなら、[ワープ(膨脹)]効果で「-38%」くらいで、それっぽくなります。 pic.twitter.com/IL6KyuKa0C
— DTP Transit (@DTP_Transit) February 2, 2021
できあがった2つを調べてみると、①の作り方「125%拡大」は[n=約2.5]、②の作り方「ワープ膨張」は[n=約3.0]ほどのスーパー楕円のようです。
作り方②の「ワープ膨張」の方で[n=約2.5]のスーパー楕円にするには、膨張の数値を[-23%]ほどにするのが近い形状になるようです。
いかがでしたでしょうか。
柔かく美しい印象を持っているスーパー楕円。
ぜひ、デザイン制作の際に上手く活用してみてください。
文:PicoN!編集部 横山