特色って何なの?
突然ですが「特色」ってご存知でしょうか?
Adobe Illustratorなどを使ってデザインをされる方なら「いつも使ってるよ」という方も多いですよね。
それでは「特色」を使って印刷をしたことがありますでしょうか?
印刷となると、実は特色を使ってデザインをしたことが無い方も増えてくると思います。
「1色でまとまりのあるデザインにしたいけど、黒だけでは寂しいなぁ…。」
実は、こんなことを思ったときには特色がオススメです!
今回は、特色で印刷をする際の
「基礎のキの字」をご紹介します。
そもそも「特色」を使った印刷って何?
印刷物を作る際に、基本的に使われるインクはシアン・マゼンダ・イエロー・黒の4色インクとなります。
CMYKやプロセスカラーと呼ばれるこの4色があれば、基本的に多くの色が表現できます。
ただし、金や銀、パステルカラーなどは、CMYKでは表現が難しい色になります。
そんなときに使われるのが「特色」です。
「DIC」「PANTONE」って聞いたことありますか?
CMYKで表現できないときに使われる特色インク。
このインクで色を指示する際に使われる暗号があります。
それが「DIC(ディック)」や「PANTONE(パントン)」と呼ばれる暗号です。
この暗号と数字を印刷会社に伝えることで、望んだ色で印刷をすることができるのです。
ちなみに、この暗号の正体は「インクメーカーの名称」からつけられています。
DIC
DIC株式会社(旧:大日本インキ化学工業)が製造するインクです。日本国内ならば1番有名な特色ではないでしょうか。ただ海外では、あまり使用している印刷会社が多く無いため、海外で印刷をする際には注意が必要です。
PANTONE
アメリカ合衆国ニュージャージー州に本社がある企業のインクです。国を股に掛けたプロジェクトやロゴマークのデザインならば、こちらで指示した方が安心かもしれませんね。
TOYO
東洋インキが製造するインクです。こちらも日本国内での利用が目立ちます。
「特色」のメリット・デメリット
大きなメリットとして挙げることができるのは、思い通りの色を表現できることでしょう。
先にお伝えしたように、インクメーカーの名称と数字の組み合わせで色を伝えるので、細かな色の差も思い通りに表現することができます。
例えば、青色の表現をする場合も、明るい青や暗い青と伝えるのではなく、明確な数字で色を伝えることができるというメリットがあります。
逆にデメリットとしては、印刷に使用する版が1版増えてしまうことが挙げられます。
特色はプロセスカラーとは異なる版が必要になるため、使用する特色を追加する毎に、新たな版を作る必要性が出てきます。特色1色で印刷する場合は、安い費用で印刷することが可能ですが、プロセスカラーと組み合わせると、グッと費用が上がってしまう可能性もありますのでご注意くださいね。
特色を使う際には、使用目的を明確にした上で利用することをオススメします。
そうすることで、作品のクオリティにも、皆さんのお財布にも優しい制作になると思いますよ。
特色を上手に活用することで、より魅力的な創作が行われることを願っています。