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【絵を上達させたい人必見!】そもそもデッサン 第1回 「上達のカギはグラデーションにあった!?」

「思うように絵が描けない」「絵ってどうやったらうまくなるの?」・・・
イラストレーターを目指している方、趣味でイラストを楽しんでいる方、自分の画力になかなか自信がもてず、不安になることもあるのではないでしょうか?

「絵を上達させたい!でも何から始めたらいいのかわからない…」

そんなアナタに向けた連載のスタートです!絵を上達するためのヒント…それは“デッサン”にありました。

デッサンってやっぱり大事なんです、そもそも。

 

そもそもなんでデッサンが大切なの?

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
原先生、デッサンの連載はじまりましたね!これからよろしくおねがいします!
よろしくおねがいします!デッサンって実は深いので、知るともっともっと絵を描くのが楽しくなりますよ。
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
お~楽しみです!私が最後にデッサンしたのは高校の美術の授業だったような…ただ目の前のものをなんとな~く模写した記憶しかないのですが、そもそもデッサンって画力を上げるために効果的なんですか!?
絵を描く上での観察力を養うため、人が見てて気づかないことに気付けるようになって、結果として描写力のアップに繋がるんですよ。それとここだけの話、将来イラストレーターなど絵を描くことを仕事にしたい方、実は就職活動で見られるのはデッサン力なんです!
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
就職活動にも関係してくるんですか!?デッサン力ってそんなに大事なんですね…
そうなんです。クリエイティブ系の企業に就活する際に不可欠なポートフォリオ(自分の制作した作品をまとめたもの)にデッサン課題を載せることが必須だったりします。

それはデザインを考えたり、イラストを制作するときにもデッサン力が重要だからなのですが、そもそもの物を見る力を“観察力”と言ったりします。

原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
観察力?

デッサン(※)をするためには、モチーフをよくよく見る必要があります。
どう描いたら、それらしく描けるのか。それは描こうとするものの特徴や性質を観察によって紙に上に描き出していくのです。
原先生
原先生

※ ここでの『デッサン』は鉛筆デッサンを指します。デッサンは木炭やコンテ、パステル等でも描きます。

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
なるほど。すぐ描きだしちゃいそうですけど、まずは目の前のものをよーく観察するんですね。

この観察する力と、併せて鉛筆・消しゴムなどの道具を使って表現していく描画の技術である『描画力』の両方の力でデッサンが向上します。
『観察力』+『描画力』お互いの技能が相乗効果となってデッサンが上達します!
原先生
原先生

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
どっちの力も大切で、相乗効果なんですね!

描きたいものを描きたいように紙面に表現できる力を『デッサン力・描写力』と言っています。
描く対象ですが、例えば「りんご」のようにモチーフが物体である場合の他に、室内の空間であったり、家のような建物や公園などの風景のスケッチにもこの『デッサン(描写)力』が活用できます。
原先生
原先生

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
描く対象は身近なものでよいんですね。簡単に始められそうです。

そうですね。デッサン力をつけていけば描く対象が目の前になくても、想像だけで紙面もしくはパソコンの中で描くことができます。
そのような『描写力』がクリエイティブな仕事には大切な技術となる訳です。
ただ、ここで補足させてもらうと、イラストの表現力というのは、別に全然『描写力』は無くても、イラストの『表現力』は成り立つんです。
原先生
原先生

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
たしかにリアルな描写ではないイラストで、面白さだったり、楽しさを伝えてくれるイラストってたくさんありますよね!

そこはもうイラストレーターのセンスですよね。
ここでの『デッサン力』はリアルなイラストを描きたい場合に、その表現に「的確さ」をもたらしてくれるという意義としてお伝えできればと思います。
イラストレーターとして備えてて良い武器のひとつになりますよ。
原先生
原先生

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
デッサンするのが楽しみになってきました!先生、よろしくお願いします!

 

↓ここから先の手順は動画でもわかりやすく解説しています!↓

早速デッサンをはじめていきましょう!

まずは準備する道具について

とても身近な物だけでデッサンを描くことができます。
基本的には鉛筆と消しゴムに白紙と言うことですね。あとは描く対象であるモチーフです。

  • 鉛筆・消しゴム・白紙 ー これは最低限の用具です。
  • 鉛筆…硬さがHBを中心に硬軟に幅があり、デッサンではこの硬さの差を利用して描きます。
  • 消しゴム…通常の消しゴムの他に「ねり消しゴム」を使用して描きます。
  • …大きさも様々あり、また紙質も多様です。基本的には白紙ですが、グレーなど地色のついた紙でも描きます。
    ※ ここでは基本の白の画用紙を使うことを前提とします。
  • その他ー(補助用具※ 準備すべきだが、使わない場合もある)
    ・カルトン・バインダーなど…画用紙を安定させる。
    ・直定規…直線を引く・見た目のモチーフを測る。
    ・図り棒…垂直・水平を見定める(定規で代用可能)。
    ・羽ブラシ…消しゴムの消しカスを紙面から払う。

 

◆鉛筆の使い方

使用する鉛筆は常にしっかり削って、先をとがらせます。(カッターで削るのが一般的だが、鉛筆削りでも良い)
デッサンをするときは画像のように指4本を添わせるような持ち方をしよう。

 

◆消しゴムの使い方

使い込んだ先の丸いものは避けて、真新しく角(かど)のある消しゴムが望まれます。
ねり消しゴムは指で形を変化できて、また消しカスも出ないのが特徴です。デッサンは輪郭線で描くと思いがちですが、ほとんどハッチング(斜めの筆跡)とグラデーション(明暗階調)で表現します。

輪郭は線ではなく、明暗の差で描きます。輪郭線は必要な場合に限定して描きます。
そこを実際のデッサン実習で経験していこう。

◆デッサンのモチーフ

初歩は基本的に単純な形状でかつ、単一な材質と単純な白い物をモチーフとして選びます。
石膏の正六面体(サイコロ型)・石膏製の円柱など
これは形の描き方と面の変化の描き方の両方を体験します。同時に鉛筆の使い方も体験します。
そして、画用紙上に描く適切な大きさも考えていきます。
デッサンの回数が増すにつれて、りんごなどの単体のモチーフを描きながら、その質感などの表情と陰影の描き方を体験します。

 


 

今回は初回ですので、何かモチーフを描く、その前のデッサンのためのトレーニングを行ってみましょう。

 

【1本の鉛筆による「グレーグラデーション」の作成】

デッサンは紙面に真っ白な部分から真っ黒な部分までの間の「明」から「暗」までの幅を使って描きます。これを「明暗階調」と呼びますが、これがデッサンの作成と理解に大変重要ですので、今回はこの作成体験してみることにしましょう!

 

◆グレーグラデーションの作成に必要な用具

◯画用紙(白)…2枚
大きさはB4サイズ
1枚に作成します。もう1枚は下敷き用です(紙面が柔らかくなり、鉛筆を持つ手への負担が軽減できます)
※画用紙には表裏がありますので、必ず表側の面に描きます。裏表がわからない場合、同じ指で両面を触って、ざらざら感の強い方が表(描く面)だと覚えておきましょう。

◯鉛筆(2B)…1本
2B とは、鉛筆の硬さ表記でやや柔らかめものを使用します。カッターで芯の先がしっかり尖るように削っておきます。カッター使用が苦手という方は鉛筆削りでも結構です。

◯消しゴム…1個(あれば、練り消しゴムも使用する)

◯直定規(長さ30cm以上)…1本

◯マスキングテープ(18㎜幅程度)…1個

↑グレーグラデーション作成のための用具

 

◆◇ ステップ1◆◇ グラデーションフォーマット作成

  • まず、画用紙(B4)を横位置にして、その中央部に長方形を鉛筆と直定規で作成します。長方形内を4㎝幅に縦線を引いて8等分します。
    長方形サイズ:縦幅8㎝ × 横幅 32 ㎝

 

  • 長方形全体の外側を枠線に沿って囲むようにマスキングテープを貼ります。これでフォーマットができます。

 

↑グレーグラデーションのフォーマット

 枠の周囲のマスキングテープはグラデーション作成後にはがします。

 

◆◇ ステップ2◆◇ 鉛筆での塗り作業

この枠の内側を用意した鉛筆で最も濃く塗った状態から→最も淡く塗った状態へ滑らかに変化させていきます。
参考画像では左端(濃)→右端(淡)という方向ですが、方向は逆でも構いません。
作業は濃い方から進めていきます。

【ポイント!】
①濃い方の側から塗り始める。
②最初はあまり鉛筆に力を入れずに軽く持って、塗りが進むにつれて徐々に力を加えるようにする。
③鉛筆のタッチ(筆跡)は同じ方向だけでなく、紙を動かしながらいろんな方向から入れていく。
④一つの4㎝幅枠内を均一に塗るのでなく、その中で濃淡変化を作るようにする。
⑤隣接した枠の境に階調の段差が出ないようにする。
⑥左右から四番目(中央)の線がグレートーン(階調)の中間になるように意識する。

↑グレーグラデーション【完成】

マスキングテープをゆっくりと慎重に剥がしとって、グレートーンの帯全体を見てみよう。
また、鉛筆の枠線とテープとの隙間に白い塗り残しがあるので、そこも同じ鉛筆で補正しよう。

さあ、いかがでしょうか?
出来たグラデーションの良し悪しの基準です。

【評価のポイント!】
❶全体の階調変化にムラや段差はないか。
❷両端が黒(最も濃い)・白(最も淡い)にできているか。
❸左右から四番目(中央)の線がグレートーン(階調)のちょうど中間になっているか。

この作業は一度きりではなく、何度も試みてください。一度目は作り方をおさらいしただけです。
何度も繰り返し作成しながら、「評価ポイント」の観点での完成度を高めましょう。
また、鉛筆の硬さをHBや2H(やや硬め)など他の場合のものを作成すると、硬さの違いによる鉛筆の調子(トーン)の違いも比較できて理解につながります。

 

次回から、ご家庭にある身近な物をモチーフ(描く対象)にして初歩のデッサンをサポートします。
ぜひ、ご期待ください。

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