【アナログイラスト初心者向け連載】第2回~絵の具の違いについて~

こんにちは!

水彩の使い方に入る前に…

まずは水彩アクリル絵の具アクリルガッシュの違いについてお話させていただきます。

水彩とアクリル絵の具、アクリルガッシュの大きな違いは、「耐水性があるか、ないか」です。

水彩はアラビアゴム顔料が入っています。顔料とは、色の粉のことです。

水で彩るという文字通り紙への定着が弱く、乾いた後も水の付いた筆でなでると顔料が動きます。色を重ねると、どんどん色が混ざっていくのが水彩の特徴です。

アクリル絵の具とアクリルガッシュは、アクリル樹脂顔料が入っています(アクリルガッシュは細かく言うとエマルジョン樹脂が入っています)。アクリル樹脂がボンドのような役割をしているため、一度塗って乾いた後は水に溶けず、色を変えることはできなくなります。

アクリル絵の具やアクリルガッシュは紙以外のものにも書くことができます。ガラス、石、木、ブラスチック、金属、陶器など。ネイリストさんが爪に絵を描くのに使用したりもするそうです。

アクリル絵の具とアクリルガッシュの違いが分かりにくいので

透明の板に塗った画像を見てみてください!

透けている方と、透けていない方がありますね。透けていない方がアクリルガッシュ、透けている方がアクリル絵の具です。

透明か、不透明か」これがアクリル絵の具とアクリルガッシュの大きな違いです。

どちらもプラスチックや石、金属に描けますが、アクリルガッシュだと、引っ掻いたりすると簡単にポロポロ取れてしまいます。

アクリル絵の具はアクリルガッシュに比べて、アクリル樹脂がたくさん入っているので剥がれにくくなっています。

ですので、布やビニール袋へのペイントなど、大きく曲がる・伸び縮みする素材はアクリル絵の具が向いています。

シンプルに分かりやすく表にまとめてみます。水彩とアクリル絵の具、アクリルガッシュの違いについて

まだまだ説明できていないことが多いので、

今後、描きながら仕上がりの絵も比較しながら連載していきますね!

余談ですが油絵の具の成分はなんだと思いますか?

油と顔料です!

油は乾性油と呼ばれる植物性の油が用いられます。

水彩はアラビアゴムのように水が蒸発して固化しますが、油の成分は蒸発しないので、酸素を取り込んで化学変化して固化します。

油絵の具は、艶や透明感、ゆっくりと乾く特性やゴッホのような盛り上げタッチなど、様々な魅力がありますので興味ある方はぜひトライしてみてください。

私は普段の制作でアクリル絵の具とアクリルガッシュを併用することが多いのですが、最近は水彩で描いて上からアクリルガッシュを加えたり、キャンバスにアクリルガッシュで描いて上から油絵の具を重ねたり、組み合わせ方も増えてきています。

自分のイメージする画風やテーマに合わせるためにも、気になっている素材はどんどん試していきましょう!

素材の数が増えた分、表現の幅も広がっていくので、きっと、ますます描くことが面白くなっていきます。

次回は、紙についてお話しさせていただきます。

池田幸穂
絵描き / Gallery MoMo 所属 / 武蔵野美術大学卒業後、個展多数。ワークショップ等。海外のアートフェアに参加。図書館に作品常設。

Instagram @sachiho_ikeda

▼【アナログイラスト初心者向け連載】第1回~筆選びのコツ~


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