【レポ】生成AIとの「コラボイラスト」に専門学生が初挑戦!

AI の時代は、テクノロジーの進化とともに避けることのできない現実として到来しました。AI は、産業革命やインターネットのように、さまざまな事柄のやり方を変える技術です。しかし、「革命」という言葉が示すように、新しいものが現れると、それに置き換えられるものが淘汰されるのは避けられません。そのため、さまざまな問題も生じてきます。著作権や創造の価値などの衝突に対して変化の交差点にいる現在、私たちはそれと真剣に向き合わなければなりません

今回は、AI ができることをより深く理解し、これまでの私の創作方法とどのように組み合わせるかを試してみたいと思います。AI を使う理由の多くは作業時間の短縮のためですが、今回は時間を気にせず、今まで自分が得意でなかったことに、AI の力を借りて挑戦し、自分の能力の範囲を超えてみたいと思います。とはいえ、もしAI を使うことで、これまでできなかったことができるようになれば、⾧年の訓練を省くことも効率的だと考えられます。

文&制作/コミックイラスト専攻C・H

アイデア出し~ラフまで。AIでどこまでできちゃうのか?

アイデアの発想は、創作にとって欠かせない要素ですので、AI に任せてみようと思います。まず、この記事の目的や大まかな内容をCopilot(旧BingAI チャット)に伝えて、この記事に使用する一枚絵のテーマを考えさせてみた結果、いくつかのテーマが提案されました。

■生成AIが考えた「一枚絵イラスト」のテーマ
・自然と技術の融合
自然の要素、例えば木々、山々、川などと、技術の要素、例えばロボット、都市の景観、未来派の建築物などを組み合わせて表示します。
超現実主義
浮遊する島々、巨大な時計、物理的に不可能な構造を含む超現実的な夢の世界を創造します。
文化の多様性
異なる文化の服装、儀式、建築などを描いて、世界の多様性と美しさを表現します。
抽象的な概念の視覚化
例えば、感情、音楽、哲学的な概念を視覚的なイメージに変換します。

この中から、私は「自然と技術の融合」をテーマに選びました。

次に、キャラクターがいる絵は目を引きやすいので、そのテーマに基づいてキャラクターを考えさせてみました。

■生成AIが考えた「キャラクター」のアイデア
未来の都市の守護者
彼は高度な技術の装甲を身に着けた戦士であり、彼の使命はデータツリーと都市の調和を守ることです。
・スマートプラントの庭師
彼はスマートプラントとコミュニケーションを取る庭師であり、植物のニーズを理解し、成⾧をサポートします。
エネルギー探求者
彼は新しいエネルギー形式を探求する科学者であり、彼の研究室は発光する実験装置と浮遊するエネルギーボールで満たされています。
平和の使者
彼は遠い星からの外交官であり、平和と知識の贈り物をもたらし、地球の住民と共有します。

私は「平和の使者」を選びました。ちなみに、この使者は自然と技術が平和的に融合できる象徴という意味も込めているのですが、ほとんどは自分の好みによる選択です。

その後、Copilot(旧Bing AI チャット)とAdobe Firefly を使って、以上の情報に基づき、日本のアニメ風スタイルを指定して画像を生成しました。以下はその中から選んだ例です。

AIの生成画像①

AIの生成画像②

AIの生成画像③

生成画像に仕上げをして、イラスト作品完成

次に、私は一枚を選び(画像②)、自分なりに手を加えてみました。主に、メインキャラクターと中央部分を描き直しました。説明のために、部分的にだけ描いています。

メインキャラクターなので、服装のデザインをもっと工夫しました。明暗による形やしわなども調整しました。着彩の配色は、周りのさまざまな色を取り入れて使うことで、統一感を持たせました。

顔とその周りも描き直しました。元の画像のコンセプトに従いつつ、自分のアイデアも加えました。

背景にいる女神のようなキャラクターや、魔法陣のような模様も、認識しやすいように修正しました。

AIとの「コラボ制作」を経験してみて感じたこと

というわけで、このような描き直しが時間を省けるかどうかはわかりませんが、ゼロから描くより簡単なのは間違いありません。私にとって、特に人間の部分は既に大体の形がありましたし、周りを参考にすれば、色の選択や試行錯誤も比較的簡単でした

ゼロから描くと、アイデアやラフスケッチ、参考資料の検索など、何段階も必要になりますが、AI に任せると、カラーラフまでやってくれます。その段階から描き始めれば、画面の配置や色合いなどに全く気を使わないわけではありませんが、配慮することが減るので、特定の一つか二つの要素に集中できるため、作業が楽になります。そのように集中して描いた方が、様々なことに気を配って描くよりも、より良い結果が出るでしょう。良い練習にもなります。

さらに、創作には、通常3つ以上のアイデアが必要だと言われています。AI を使うと、多くのラフを描く手間を省くことができます。ラフとしてもかなりクオリティが高く、完成までのイメージをより具体的に想像することができます。今回は試していませんが、AI が生成した画像を、コンセプトアートのように色んな画像から切り抜いて再構成したり、そのまま参考資料として使ったりすることも可能です。

今回は、AI による発想、色使い、そして画面構成を活用しました

使用するAI、スタイル、プロンプトによっては、今回生成した画像よりも完成度の高い作品を生成できるでしょう。そのまま手を加えずに使えるレベルの完成度だと言っても過言ではありません。しかし、著作権の問題や、自分で作品を創作する手応えが感じられなくなる可能性もあります。そのため、私はあえて完成度の低い作品を選び、手直しをしてみました。多くの議論がまだ落ち着いていない中、技術が後戻りできないという現実を踏まえ、新しいものを平和に受け入れることが重要です。

それゆえ、試してみる価値があります。今回はあくまでも私のスタイルや創作方法にAI を取り入れてみました。AI を使わなければならないというわけではありません。デジタルの時代になっても、アナログで創作している方は少なからずいます。しかし、技術を拒絶しない姿勢は大事です。創作方法は人それぞれですから、自分に合ったやり方を見つけるしかありません。もし私の方法が、あなたにわずかでもインスピレーションを与えられれば幸いです。

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あとがき
留学生である私は、文章のアイデアや構成を考え、一度日本語で文章を書いた後、言葉遣いや文法をChatGPT に修正してもらいました。全てを任せたり、完全に翻訳してもらうより、ずるい感じが少なくなると思います。

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