【アナログイラスト初心者向け連載】第7回~空の描き方編~

水彩の練習のひとつとして、今回は空の塗り方をご紹介します。
広い面積をたっぷりの絵の具と水を使って塗る空は、手を大きく動かして描いていきます。風景や人物を描いて仕上げに空を塗ると失敗することもしばしばあるので、遠くにある空から描き始めるのがコツです。
それでは、青空、夜明け、夕焼けを描いていきましょう!

青空

①ハケで紙を満遍なく濡らす

②途中で色が無くならないように、たっぷりと水色の絵の具を水で溶かしておく

※太い筆で、一気に均一に塗る。このとき、真っ白の雲を作るため、いくつか白を残しておく。

③乾く前にティッシュやタオルで雲になる部分を拭き取る(水彩基本編を参照)

④輪郭線の緩やかな薄い雲は、水をつけて絞った丸筆で洗い出す(水彩基本編を参照)

※紙の白を生かして描く雲と、拭き取り、洗い出しで作る雲は表情が異なります。

⑤よく乾かしたら、ちょうどいい濃さの青空になるまで②~④を繰り返す

⑥雲の中に影を入れていく

⑦水彩のホワイトで雲のハイライトを描く

⑧完成

夜明け

一気にグラデーションして色を変えていく描き方【夜明け】と、寒色系を載せて、乾かしながら暖色系を重ねていく描き方【夕焼け】、2つの方法をお伝えしていきます。

①ハケで紙を満遍なく濡らす


※このとき海の箇所に色が入らないようにマスキングテープなどで防ぐ(水彩応用編を参照)

②太い筆で、一気にグラデーションしたい色を置く。


※乾く前にティッシュやタオルで雲になる部分を拭き取る。

③もう一度濃くしたい空と雲の影をつけていく

④マスキングテープを外し、海を描く


※かすれの技法で波を表現する(水彩基本編「かすれ」参照)

⑤全体を調整し、海が手前に出てくるように、波を洗い出して表現する。

⑥完成

夕焼け

①ハケで紙を満遍なく濡らし、薄く水色を塗る

②乾く前にティッシュや筆で雲になる部分を拭き取る

③乾いたら画面左側に再び水を塗り、ピンクのグラデーションの色を置く

④乾いたら夕陽に染まった雲に色をつけていく


※同時に影もつけ、不自然な濃さのところはぼかし、画面のバランスを整える。

⑤完成

いかがでしたでしょうか。
画面を水で濡らしながら広い面積を塗るのは勇気が入りますが、ティッシュペーパーやタオルでポンポンしながら雲を出していくのは水彩の醍醐味です。
水彩ならではの空の透明感や太陽の光を表現してみてください!

PicoN!で以前、東京の朝をテーマに朝日の空を描いた記事がありますので、よければそちらも参考に覗いてみてください。

池田幸穂
絵描き / Gallery MoMo 所属 / 武蔵野美術大学卒業後、個展多数。ワークショップ等。海外のアートフェアに参加。図書館に作品常設。

Instagram @sachiho_ikeda

 

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