2月22日は猫の日。猫専門イラストレーター・Coony(クーニー)さんにインタビュー

もうすぐ「猫の日」。
SNSでは猫の動画がバズり、「猫ミーム」が話題を集めるなど、最近は特に猫が大人気ですね。

今回は、猫専門イラストレーター・Coony(クーニー)さんにインタビュー!作品作りのこだわりや戦略についてお話を伺いました。

Coony(クーニー)
猫専門イラストレーター
福島県生まれ、多摩美術大学卒業。
2019年よりイラストレーターとして活動を開始し、現在は3匹の猫と暮らしています。

イラストを始めたきっかけはなんですか?

以前の職場に猫好きの先輩がいて、その先輩と仲良くなりたいと思い、誕生日に猫のイラストを描いてプレゼントしました。とても喜んでくれて、「絶対何かやったほうが良いよ!」という言葉をもらったことがイラストを描き始めたきっかけです。

また、保護猫のミノを迎えたことは、イラスト活動を本格的に始めるきっかけとなりました。ミノを迎える際に、動物の引き取りや保護を行っている団体があるということを初めて知りました。
私も何か貢献できないかと思い、空いている時間に猫のイラストを描いてInstagramにアップしてみました。すると、フォロワーが一気に増え、「お金を払うので描いてほしい」というDMがたくさん届きました。そこで、「イラストを描いた利益の一部を保護団体に寄付する」という形で、自分なりの保護猫活動を始めました。

ミノ

 

Instagramを始めて1年も経たないうちに、数々の猫スイーツを手がけるお菓子メーカー『オールハーツカンパニー』の、『ねこねこチーズケーキ』からパッケージデザインの依頼を受けました。
3~4年ほど日中はインハウスデザイナーとして働き、夜は遅くまでイラストを描くというダブルワークを続けていましたが、昨年1月からフリーランスとして活動を開始しました。

2025年2月3日(月)より全国発売 「にゃんともおいしいチーズケーキ クッキー&クリーム」257円

 

どんなツールを使って描いていますか?

基本的にはillustratorです。iPadにApple Pencilで描き、最後の仕上げはマウスで行っています。マウスを使うと予期しないラインが出ることが個人的に気に入っていて、この部分はかなりのこだわりです。こだわらないと、作風が少し変わってしまうかもしれないくらい大切な作業だと感じています。

最近は「猫+食べ物」を描くことも多くなってきたので、Photoshopも使っています。 Illustratorでは食べ物のシズル感(購買意欲を掻き立てるような瑞々しさ)を表現するのに限界があるため、ベースはillustratorで描き、最後の仕上げはPhotoshopで行っています。

作品制作の流れを教えてください

私が描いているのは基本的に猫のバストアップ(照明写真のような)アングルです。そのため、そういったアングルでこちらを見ている写真を送ってもらいます。他にもいくつか写真をいただき、「この子はおっとりしているんだろうな」「あざとい系かな」など、どういう子なのかを感じとって、なるべく個性が表れるように描いています。

背景の色は、基本的にお家に飾るため、インテリアの写真をもらって提案したりします。希望の色を指定していただくこともありますし、「猫ちゃんに合う色にしてください」と要望いただくこともあるので、その都度対応しています。

猫を描くときにこだわっているポイントはありますか?

「目」にこだわっています。
猫は目がとても綺麗で、他の部分がモコモコしている姿が可愛いと思うので、そのバランスがうまく出るように心がけています。
また、見る人と目が合うように意識し、他の体毛よりも線を太くして少しうるうるした感じにしたり、透明感が出るように工夫したりしています。

今の課題はなんですか?

やっぱり描く時間―効率化が課題です。結局、描くのにかかる時間が収入に直結するので、できるだけ早く描けるようにしたいと考えています。どうやったら筆が乗りやすくなるのか、下書きをもっと早く進める方法はないか、生産性をあげる手段はないか、などを考えています。

見ている人に伝えたいことはありますか?

良い意味で特にないんです(笑) 「猫かわいいな〜」と思ってもらえたら、それが一番最高です。
というのも、「収益の一部を保護猫に寄付します」と言っているものの、受け取る側に圧力を感じさせてしまう感じがして、保護活動を前面に出しすぎたくないんです。”可愛いから”という理由でグッズやイラストを買ってもらい、実は保護猫への寄付につながっていたと知る人もいるかもしれない、そういう循環を作っていきたいと思っています。
だから、「猫かわいい」と思ってもらえたら、それが一番嬉しいです。

 

フリーランスとして働くうえで意識していることはありますか?

イラストが上手い方はたくさんいらっしゃいますが、フリーランスとして活動するには「マーケティング」の要素がとても重要だと考えています。
特に、自分が「どんなイラストレーターなのか」を一言で伝えられることが大切だと感じています。

私の場合、SNSには意図的に【猫ちゃんのバストアップ+正面を向いたイラスト】を多く投稿しています。それは、絵を見た方に「自社のパッケージに使えそう」とか「うちの猫の似顔絵も描いてほしい」と具体的なイメージを持ってもらいやすくするためです。
現在、ほとんどの仕事はInstagram経由でご依頼をいただいています。

ハローキティとにゃんともおいしいチーズケーキ~つぶつぶストロベリー~(現在は販売終了しています)

 

クライアントが求めることと自分の色の出し方は、どのようにバランスをとっていますか?

特に企業がクライアントのときは、基本的に企業の意向に従っています。絶対に譲れない点は守りますが、それ以外の部分については、新しい一面として受け入れています。
もし少し違うと感じる場合は、相手の要望を理解した上で、別の方向で提案することもあります。インハウスデザイナーを10年ほどやっていたので、社内の状況や事情はある程度理解できます。おそらく、いきなりフリーランスになっていたら分からなかったことだと思います。会社で働いていた経験は、大きな強みになっていますね。

また、納期やプロジェクトの内容にもよりますが、自分なりのアイデアを1案加えることも多いです。
最初のミーティングでは、企画の意図や求める成果・イメージをヒアリングし、その認識をすり合わせるためのA案を作成します。そして、A案に追加要素を加えたB案や、さらに解釈を広げたC案、ちょっと方向性の違うD案を提案します。
基本的にInstagramを見てご依頼いただくため、テイストを変えてほしいという要望はありません。

今年度から美術大学の講師もやられているCoonyさん。イラストを学ぶ学生にメッセージをください。

お仕事がたくさんもらえて忙しくなってくると、嬉しい反面、時間や体力の限界を感じることもあるかと思います。そんな忙しい時やピンチの時に「なんで私はイラストやりたかったんだっけ…?」という原点がしっかりしていると、それを振り返ることで、ピンチも乗り越えられますし、軸もぶれないと思います。会社でいうミッション、ビジョンあたりが近いと思います。

私の場合、深夜に睡魔と闘いながら描くことも時々ありますが、「これで猫が何匹助かるのかな」と思うと頑張れるので、そういった原点があるとやっぱり強いなと感じます。

これからの目標を教えてください。

今はお菓子や食品のパッケージが多いので、今年は新しい分野の製品やパッケージにも積極的にチャレンジしていきたいと思っています。また、動画や3Dなどイラストを元に派生させて進化させることにも挑戦してみたいです。見てくれる人を楽しませるような内容にするのが目標です。


 

Coonyさん、ありがとうございました!
人懐っこくて可愛い3匹の猫ちゃんたちに囲まれて、とても幸せな取材時間を過ごしました。

Coonyさんはたくさんの商品パッケージを担当されています。
▼コラボ商品とイベントのお知らせをご紹介いたします▼

 

 

 

 

  • HARAKADO CAT’S GALLERY ★参加&メインビジュアルを担当★

    期間:2025年2月17日(月)~2月27日(金) 11:00-20:00
    場所:東急プラザ原宿『ハラカド』3階 ハラカドギャラリーby匿名希望画廊 @tokumei_kibogaro
    内容:9名のアーティストによる猫アート作品の展示・販売、グッズ販売、オーダーイラスト抽選会、その他イベント
    寄付:こちらのイベントの収益の一部は東京キャットガーディアンに寄付されます🐾 @tokyocatguardian

 

また、CoonyさんのSNSには素敵な作品がたくさん載せられています。こちらもぜひご覧ください☟

Instagram @coony_illust

X(Twitter)@Coony_illust

TikTok @coony_illust

PicoN!編集部 そん


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