みてください、わたしの地元/#01

遠い地方から上京してきた方でも故郷を大切に、初心を忘れずにいてほしい。

自分が生まれ育った「地元」だからこそ分かる魅力や今まで見てきた風景。

それらを作品を通して伝えていきます。今回は、日本写真芸術専門学校(NPI)在学生2人の地元です。

山形県出身 梅津玲

山形県川西町にて開催される「羽山神社例大祭」を撮影しました。

「羽山神社例大祭」は、川西町の中の私の暮らしていた地区で行われるとても小さなお祭りです。

お祭りの形式としては、山形県南部でよく行われている“黒獅子”祭りです。毎年夏になると、父がお祭りに参加しているのをみてきました。私の地区では、何十年も前から行われているこのお祭りですが、新型コロナウイルスの流行によりここ数年の間、中止するという判断をしてきました。そういった状況が続いているうちに、私はNPIへの進学を機に地元である山形県を離れることになりました。

このお祭りを残したいという想いから

2022年8月、3年ぶりに「羽山神社例大祭」が開催されました。

私は、撮りたい、という気持ちも勿論ありましたが、年々進んでいく地元の過疎化を前に、「私が撮って残さなければ」という気持ちがとても大きかったです。写真学生として、18年間そこに住み見てきた地元の人間として、このお祭りを残していくためにシャッターを切りました。

彼らは熱く、「夏」を感じました

今までとは違う視点でお祭りを見ることができて新鮮でした。生憎の雨模様、そしてこのコロナが流行っている状況から参加者は例年より少なく、少々盛り上がりに欠けるかなと思いましたが、そんなことはありませんでした。雨が降っても、人が少なくてもお祭りに参加している彼らは熱いままでした。ファインダー越しに彼らをみていたあの時間は、雨が降って涼しかったはずなのにとても暑いように感じました。あの瞬間が、「夏」でした。

「また彼らに会いたい。」

写真を眺めるたびに、その気持ちが熱くなります。

写真科Ⅰ部1年 梅津玲

 

神奈川県出身 上村一翔

今回撮影したのは、神奈川県横浜市で開催される「よさこいまつり」を撮影しました。「よさこいまつり」は、横浜市で行われる高知よさこい踊りを基本モデルとし、音楽や踊りに横浜らしい独特のスタイルを取り入れた「ハマこい踊り」として1979年から始まったものです。そんな昔からあるイベントですが、ここ数年は新型コロナウイルスの影響で祭りを行うことができずにいました。

ずっと練習してきた踊り子の成果を残したい

2022 年11月、3年ぶりの開催が決定し、「よさこい祭り」が始まりました。写真学校に通い始めてからやっと地元を撮れる大イベントが開催され、単純に「撮りたい!!」という思いから撮影を決めました。ですが、調べていたらそんな単純な考えだけでなく、コロナに苦しむ中で日々練習をしてきた踊り子の成果を記録として残してあげたいという想いになりました。

肉眼でも見たい、そう感じました

!!迫力!!この言葉がピッタリです。顔の表情や手の器用さ、体全体で表現され沢山あるチーム全てが美しさを持ち、動きひとつひとつが丁寧で感動しました。 よさこい祭りは2日間あり、1日目の馬車道のみ参加することができたのですが、馬車道をいろんなチームが入れ替わりで踊りました。観客が移動しなくても沢山のチームを見ることができ、ずっと迫力満点で見せ方にも情熱を感じました。撮影は午前から午後まで、お昼を食べ忘れるほど楽しんで撮影しました。

カメラに映すのも楽しかったけど、ファインダー越しではなく肉眼での見たさがあり、時々撮るのを忘れてしまいました。全チームから情熱を感じることができて幸せでした。 来年は2日間必ず行って「肉眼」と「撮影」どちらも満喫したいと思います。

 

写真科Ⅰ部1年 上村一翔


 

PicoN!学生編集部、第1回目の企画です。学生たち自身が企画を立案し、内容を考え、記事を作成しました。これからも学生たちにしかできない記事を作っていきます。みなさん、楽しみにしていてください。

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