もしも写真をレトロゲーム機の画面で見ることができたら?

スマートフォンで見る動画や写真。
印刷されたもののように綺麗に表示されているのが当たり前で、その技術にすっかり慣れてしまった自分がいます。

高解像度ディスプレイを搭載したデジタルデバイスを持ち歩くことが当たり前になった現代ですが、ひと昔前の携帯電話などは少ない色数のドットで表示される画面を見ていました。
とくに昔ゲーム機でよく遊んでいた筆者としては、持ち歩くデジタル画面といえば携帯ゲーム機でした。

そんな画像表示技術の進化を考えていたら、

デジタル写真をレトロゲーム機の画面で見たらどう見えるんだろう?

と唐突に思いついたので、今回はその再現を試みてみました!
グラフィックとしての活用や、表現のヒントに繋がるかも・・・?

 

懐かしのゲーム機の画面を再現する

その昔任天堂から発売されたゲームボーイという携帯ゲーム機があり、当時のちびっ子やゲーマー達が夢中で遊んでいました。
とても小さい画面ながら面白いゲームがたくさんあり、筆者も時間がたつのを忘れて遊んでいた記憶があります。
そしていつしか性能が大幅にアップしたゲームボーイアドバンスが発売されました。

ゲームボーイアドバンス 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

横長になったゲーム画面と表示されるグラフィックの進化にワクワクしたものです。
今回はそんな画面が横長で、かつ一般的なデジタル写真の比率と同じ2:3の画面を持つレトロ携帯ゲーム機、ゲームボーイアドバンスの画面を再現していきたいと思います。

 

 

この日の出を山から眺める人たちの写真を使って再現していきます。
そこはかとなく構図が「そして・・・・ たんきゅうのたびははじまった」的だったので、ゲーム画面の再現にはピッタリなんじゃないかと。

ゲーム機画面の再現のためには、
・画面の表示画素数
・画面の表示色数
の2つを調整していく必要があります。

まずは表示画素数。ゲームボーイアドバンスの画面は240×160ドットで表示されているので、Photoshopのトリミングツールで上記画像のように設定します。
その状態でトリミングした画像がコチラ↓

これで240×160のドットに表示された画像が再現できました!
像がドットに変換されてそれっぽくなりましたが、色の階調が残っているのでこの段階では単純に解像度の低い写真データといった印象です。

続いては表示色数を変更します。

ゲームボーイアドバンスの画面は32,768色表示なので、この色数に制限します。
Photoshopのイメージ→モード→インデックスカラーを使って、上記画像のように設定します。
いろいろ試してみましたが、ディザの項目を誤差拡散法、30%くらいにするといい感じにグラデーションにドットが混ざるのでゲーム画面っぽくなる印象です。
そして完成した画像がコチラ↓

どうでしょう?
ゲームボーイアドバンスの画面の雰囲気がまずまず出ているかなと思うのですが、これは当時遊んでいた人でないとピンとこないかもしれません(汗
これでゲーム画面の再現ができました。RPGのイベントシーンみたいで面白いです!

 

いろいろ試してみる

やり方がわかったので、色々な写真を同じようにゲーム画面風に加工してみましょう。

ひまわりの写真を。
葉のあたりに生々しさが残ってますが、空なんかはイラストっぽくなっていてゲームで見る雰囲気に近づいてますね。

 

廃工場の写真。
なんとなくこういうロケーションは格闘ゲームの背景を思い出すのですが、そんな雰囲気が出てる気がします、、、!

 

猫を大きく写したもの。
風景に比べて、被写体が大きく写っているものはドットになってもリアリティが残りますね。
写真に写る被写体の大きさとドットの粗さ(解像度)の組み合わせ次第でいろいろなドットの表現に応用できそうです。

 

ドット化の応用

今回やってみたこの「デジタル写真のゲーム画面化」の工程というのは、簡単に言えばデジタル画像の解像度をドットが見えるまで下げる、というものです。
なので同じことをイラストに行うことでゲームでおなじみの「ドット絵」っぽいものを再現することもできます。

フリー素材で見つけた七福神の毘沙門天のイラスト。
いい感じにゲームキャラクターっぽいデザインでしたのでこのイラストを選んでみました。
これを適当な大きさに調整して前例の写真と同じように加工すると、、、

こんな感じのドット絵になりました!
RPGのキャラクターグラフィックみたいですね。
ドット絵を描いていくには相応の技術が必要になってきますが、こうして既存のイラストや写真を加工してドット絵っぽくすること自体はそれほど難しくありません。
ゲームが好きな人やデフォルメされたものが好きな人にとってはなかなか面白い表現方法なのではないでしょうか?

まとめ

あえて画質を落とすということは画像の情報量を下げるという単純なデメリットもありますが、このようにドットが見えるくらいまで極端な変更を加えることで面白い表現になることがわかりました。
ゲームそのものもどんどんグラフィックが進化していますが、あえてドット絵の表現を用いた新作ゲームというものたくさん開発されていて、そういったゲームはファンの根強い人気に支えられています。
そういったレトロな雰囲気が持つ独特の魅力を表現の一つとして活用していきたいですね。

今回はゲーム画面でしたが、こうして様々な画像の状態を再現していくのも面白そうです!

PicoN!編集部 : 黒田

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