プロカメラマンのカバンの中身
皆さんこんにちは!
PicoN!学生編集部です!
突然ですが、皆さんはプロのカメラマンが現場に行く際に、どんな機材をカバンの中に詰めているか知っていますか?
気になりますよね?僕はとっても気になります!!
そこで、僕はとあるカメラマンの方を学校のスタジオにお呼びして、カバンの中身を見せて頂きました!
というわけで今回の記事は、大好評の“カバンの中身シリーズ”の第3弾です。
今回の企画に協力してくださったカメラマンは、NPI(日本写真芸術専門学校)卒業生の内山慎也さんです。
今回のカバンの中身のコンセプト
ロケで肖像写真を撮ることを想定して、その撮影の基本セットを持ってきていただきました!内山さんは自然光が好きなので、今回ストロボは補助、もしくは急遽暗いところで撮影しなければならなくなったときのために使う、という想定だそうです。
【カメラ】→GFX100s、GFX50SⅡ、Hasselblad H1
【レンズ】→GF45-100mmF4 R LM OIS WR 、GF32-64mm F4, GF63mmF2.8, CFE80mm、Hasselblad C120mm F5.6, SIGMA 50mm F1.4 DG HSM
(シグマとハッセルのレンズはマウントアダプターを経由してFUJIFILMのカメラでも使用します。)
【ストロボ】→Profoto A1を2灯
その他→スタンド2本、エアリモ、テザーケーブル、アンブレラ、MacBookなど
この中でよく使うカメラとレンズの組み合わせを2組紹介していただきました!
こちらは、現在内山さんの個人製作で使用しているメインカメラとレンズです!このレンズと、少し広角のGF32-64mm F4を使い分けているそうです。
以前はPENTAX645Zを使っていましたが、ボロボロになってきたので更新したと話していました!
撮影には、ほぼ必ず中判以上のフィルムカメラを1台持って行くそうです。多くの場合はハッセルの503を持っていきますが、内山さんが持っているAirRemote(ストロボにシャッターのタイミングを知らせるため、カメラにつける機械)とは相性が悪いので、ストロボも使うことを想定した今回の装備ではこちらをセレクトしてくれました。
フィルムカメラの主な使用用途は、撮影テンポを下げたいときや緊張感を持たせたいとき!昔のハッセルのレンズを多く持っているので、それらを専用のアダプターで使用しているそうです。
お気に入りアイテムはズバリ???
➢名称
TetherPro USB-C to USB-C 4.6m オレンジ
➢理由
頑丈なテザー撮影用USBケーブル。オレンジ色は暗い場所でも目立つので助かるのだとか。内山さん曰く、プロで使っている人をよく見ますが、頑丈過ぎて柔軟性はあまりないので、それを嫌って使わない人も多いそうです!
愛用カバンは?
➢名称
バンガード VANGUARD Xcenior 48T
➢紹介
内山さんが卒業直前に購入した軽量且つ頑丈なトローリーバッグ!分厚いパッドとメッシュネットで機材はしっかり保護され、PCの収納スペースもサイドストラップで簡単に落ちない設計になっています。なので安心して使えるそうです!
もっと大きなライトや大判カメラを使う時は、より大型の「Xcenior 62T」を使っています。
さすがプロのカメラマン。以前紹介した学生のカバンの中身とは全く違いますね。
僕は中判のデジタルカメラを、こんなに間近で見たのは初めてだったのでとても興奮しました!
撮影によっては、この装備よりもさらに多くの機材を持って撮影に向かうこともあるそうです!持ち運ぶのも一苦労ですね・・・。
せっかくの機会なので、内山さんに気になったことをいくつか質問してみました!
Q:1内山さんの今までの経歴を教えてください!
「歴史が好きだったので、大学では考古学を専攻していました。ただ考古学を仕事にするイメージがわかなくて。実家が写真館だったこともあって、とりあえず写真の技術を身に着ければ仕事になるかな…という感じでNPIに入学しました。2年生の夏くらいまでは写真館で働く技術だけあればいいと思っていたので、ゼミ以外は学校の課題だけやるような感じでした。
その後、暗室作業にハマったのがきっかけで、アートやドキュメンタリー系の学生や、隣のスタジオにいたコマーシャルをハードにこなしている同級生との関わりが深くなりました。作品の話はあまりできなかったのですが、同世代でこれだけ様々な分野の写真をやっている人間がいるのが、面白くて。そこからもっと写真を知りたい、撮りたいと思うようになりました。
卒業後は研究科に所属しながらフリーランスでいろいろな仕事をするようになり、母校の助手に採用していただいて、現在に至ります。」
Q2:今は主にどのような仕事をしていますか?
「NPIで写真を仕事にしたい学生たちのサポートをしつつ、イベント撮影の仕事を主にやっています。」
Q3:今は主にどんな作品を制作していますか?
「地元の風景写真を作っています。もともと人物撮影をメインにしていたのですが、一時期写真で他者と対峙するエネルギーが無くなってしまい、人が撮れなくなりました。
ただ何か写真を撮りたいという意思はあったので、実家に戻った時に地元の撮影を始めました。地元というと学校の通学路か友達の家くらいからイメージが無かったのですが、改めて歩いてみると毎日の通学路の道中の微妙な変化や、初めて入る小道が楽しくて、帰省するたびにいろいろな場所を歩いています。
最近、肖像写真を再開するエネルギーが戻ってきたので、近々どなたかを撮影させていただこうかと思います。」
Q4:1番難しかった撮影はなんですか?
「一番記憶に残っているのは、卒業直後にいただいた仕事ですね。焼き鳥の撮影と聞いて行ってみたら、お寿司や鍋なども含めた多岐にわたる写真が必要な仕事だったことがありました。最後には茹蛸(ゆでだこ)を鍋から上げていることをとってほしいと言われて(笑)
その時はアシスタントの経験もフォトグラファーとしての経験もなかったので、かなり焦りました。でも、念のためにと背景紙やレフをいろいろ持って行ったのと、コマーシャルフォトゼミの友人たちの撮影を手伝っていた経験もあって、何とか切り抜けました。様々な分野の勉強しておいて本当によかったです。」
Q5:機材に費やした総額は??
「某ドイツ車のセダン一台分くらい…思い出したくないです。」
内山慎也さん、お忙しいなか快く取材に応じて頂きありがとうございました!
プロのカメラマンは現場でどんな機材を使っているのか、カメラマンになるまでにどんな苦労があったのか、などを教えて頂きとても勉強になりました!
内山さんについて気になった方は、ぜひポートフォリオサイトやInstagramをご覧ください!また、PicoN!では、内山さんにカメラについて語っていただく記事も連載中なので、そちらもぜひご覧ください!
PicoN!学生編集部 畑中
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