レタッチのプロなら、素人写真も「奇跡の一枚」に変えちゃえる説。vol.1
写真の色彩や写り方を編集する「レタッチ」。撮った写真の色彩や要素などを編集することで作品の魅力を増す大事な工程ですが、まだ写真を学んだことがない人には、その重要性・必要性はあまりピンとこないかもしれません。
今回はフォトレタッチの魅力をお伝えすべく、レタッチャーで日本写真芸術専門学校講師の羽立孝先生に、写真シロウトの私(編集部・佐藤)が撮った写真のレタッチを依頼。「プロのレタッチャーがシロウト写真をガチで編集したら、どのくらい見違えるのか?」検証するとともに、作業の流れも解説していただきました。
解説:羽立孝(レタッチャー/日本写真芸術専門学校講師)
奥多摩の山岳風景写真をレタッチ!
山間の河川敷と、キャンプや水遊びを楽しむ人々。夏を感じる風景ですね。
この写真を、もっと夏らしくいきましょう。
ポイントは「色」です。今のままでは夏感が少ないので、空と緑をより夏らしい色に調整していきたいと思います。
空の青や木々の緑の彩度をあげていくことで全体的にメリハリが出てきます。今回使ったのはRAW現像(※)で使用するAdobeの「CameraRaw」というソフトです。JPGでもCameraRawを指定して開くことができるので、使いやすいものを使ってみてください。
※RAW現像……撮影された光の情報を、写真データとして現像すること。詳しくはPicoN! 過去回をご参照ください。
色の調整ができたので今度は、より夏の楽しい雰囲気を強調できるようにトリミング(要素や色などを削ること)をしていきたいと思います。
手前の畑をトリミングしていきます。ここにあった土の色を除いていくことで、緑に囲まれた河川敷にいる人々の姿をより鮮明に際立たせられるからです。
左から右に伸びる黒い電線が気になるので、これをPhotoshop>修復ブラシを使いながら消していくと更にすっきりしてきます。このように、見せたいポイントやその見せ方を絞ることによって、写真作品の雰囲気をまた違ったものにすることができますよ。
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①写真の雰囲気やテーマに合わせて、色彩を調整する
②見せたいポイントを決め、それを際立たせるために周囲の色を薄くする
③不要な要素は排除し、画面をスッキリさせる
今回はこんな技術を使い、写真をレタッチしてみました。皆さんもぜひトライして、お気に入りの写真をさらに魅力的にしてみましょう!
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