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「心が苦しかったり悩んでいる人に、大丈夫、そばにいるからね、と伝えたい」 – 写真科3年・杉本百花さん

日本写真芸術専門学校の在校生インタビュー企画。

今回は写真科フォトアートゼミ3年の杉本百花さんに、現在の制作やつくっているものについて伺いました。

Q.いまつくっている作品のコンセプトや概要を教えてください

フィルムとデジタルを組み合わせ、自分の内向的な側面と外向的な側面を対立させた作品を制作しようと考えています。
フィルムは粒子が大きくなるコントラストの低いもので、セルフポートレートをメインに体の部分を撮影しています。一方、デジタルはボケ感を強調した写真を組み合わせようと考えていて、家の外で撮影を進めています。
自分の中でもまだ方向性が完全には定まっておらず、展示の際のレイアウトなどについて実験を重ねている段階です。

撮影/杉本百花

Q. なぜその作品をつくりたいと思ったのですか?きっかけとなった思いや、エピソードなどがあれば教えてください。

「私の気持ちをわかってほしい」、「誰かに寄り添いたい」。そんな思いを抱きながら、自分の経験をすり減らすような形で、3年間作品を制作してきました。
しかしふと立ち返ったとき、「私は今まで何をすり減らしてきたのだろう」と自問し、自分自身を撮影するセルフポートを始めました。それは、自分を見つめ直す行為を制作のプロセスに取り入れ、自分自身を確認していく作業が必要だと感じたからです。
また、フィルムを使った作品制作は私にとってイレギュラーな挑戦でしたが、新しい技術を習得し、表現の幅を広げたいという思いも動機としてありました。

撮影/杉本百花

Q. この作品を見た人に、どんな気持ちになってもらいたいですか?

数年前、「大丈夫だよ」と言ってもらえなかった自分を慰める意味で作品を作っています。もしその作品を見て、安心してもらえる人がいるなら、それだけで凄く嬉しいです。もちろん、とても難しいことですが。
一方で、私の作品を見て苦しくなる人もいてほしいと思っています。これは「どれだけ苦しかったか知ってほしい!」というわがままでもあります。
それでも、好き勝手言ってほしいと思います。(当たり前ですが)全部受け止めたいです。

撮影/杉本百花

Q. 将来の夢や目標、これからつくりたいものを教えてください。

すべてを一度に解決することは難しいですが、少しずつ自分自身を作品にしていくことで、心のわだかまりを解消していきたいと思っています。誰かの痛みを少しでも和らげられるような作品を作りたいです。
将来の目標は、誰かに寄り添えるような作家になることです。ただ、今は大きな夢とか目標を掲げる余裕はなく、目の前のことに必死で、ひたすら作品を作り続けています。
「ずっと作品を作り続けられたらいいな」という、そんなぼんやりとした願いが今の私の原動力です。それが私にとってすべてかもしれません。

撮影/杉本百花

 

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