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三葉堂寫眞機店 店主・稲田さんが教える、フィルムカメラの世界と3つの魅力。

どこか懐かしさや温かさを感じさせる“フィルム写真”。スマホや一眼レフなどデジタル写真が主流となった現代でも、その特有の色味やデジタルにはない描写は、いまも幅広い世代のひとに愛されています。
今回はフィルムカメラの魅力と、若い世代の方がフィルム写真に興味を持つ理由を探るべく、「三葉堂寫眞機店」店主の稲田さんにお話を伺いました。

 

はじめまして。三葉堂寫眞機店(みつばどうしゃしんきてん) 店主の稲田と申します。当店はフィルムカメラ専門店として、フィルムカメラを始めたい方から既にお持ちの方にもお力になれるよう、販売以外にも買取・修理・ギャラリーのレンタルも行っております。

今回は現代におけるフィルムカメラのお話をさせていただきます。

いま、若い人がフィルム写真をはじめる理由。

当店のお客様のうちの多くはまだカメラを持っていない新規ユーザーです。お話を伺っておりますと下記のようなご意見が多く見られます。

  • 見た目が可愛いカメラを使ってみたい(デザイン)
  • 今のカメラとは違う写りが楽しめそう(写り)

現代のデジタルカメラも数年前までは黒い流線型のボディが多く、80年代以前のフィルムカメラは銀と黒色で角張ったデザインが多くありました。最近はレトロデザインのデジカメも出ていることも、若い方が昔のデザインに興味を持たれる現れかと思います。フィルムカメラは見た目のレトロさが興味を引き、さらにそれがご自身の生まれる前のもので、実際に撮影出来るという点に魅力を感じていただけているようです。

 

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写りという点では現代レンズは性能が良すぎて、「写りすぎる」と感じる方が多い印象です。もちろんフィルムカメラの古いレンズでもしっかりした描写で撮ることも出来るのですが、古いレンズならではのクセや光の滲みをあえて出した写真を自分でも撮ってみたいと感じていただけているようです。

 

お客さまが三葉堂さまの店舗やワークショップに来る理由やきっかけ

お店を立ち上げる以前、フィルムカメラを始めたいがどこのお店に行ったら良いかわからない、どの機種を選んだらいいのかわからい。こういった声が多く聞こえておりました。そこで、当店はこれからフィルムカメラを始めたい方にも来やすいお店作りをコンセプトにしております。

当店のスタッフは全員学生時代からフィルムカメラを使ってきたユーザーですので、自分たちが触れてきた経験や知識を活かし、個々のお客様にどんなカメラがいいのかヒアリングしながらご提案・ご紹介させていただいております。

選び方から使い方まで一通りご説明しますので、当店の接客時間は1組あたり2~3時間前後になることも少なくありません。これは一般的なカメラ店ではあまりないことですが、「思っていたのと違った」と感じられないようにこのようなやり方をとっています。

こういったやり方を気に入ってくださる方のSNSやYouTubeを見ていらしたり、当店のお客様のご友人がご紹介でいらっしゃったりするケースが多いかと思います。

フィルムカメラの3つの魅力とは?

50年、100年先の未来に“モノ”として残ること

フィルムカメラでの撮影データはフィルム自体に光を焼き込んだ“モノ“として残せます。デジタルの場合、パソコンが壊れたり、ファイルを見失ってしまったりすることもあるかと思います。
フィルムの場合は現像済みのネガ自体をきちんと保管さえしておけば、50年先でも100年先でも改めてプリントやデータ化ができます。また撮影から現像してプリント作業をするまで、暗室を使うことで自分の手で写真を一から作ることができるのもアナログな魅力です。

音や手応えを感じる、ビンテージカメラの操作感。

フィルムカメラの多くは現代のカメラのようにオート化された部分が少なく、自分で操作することが前提となります。たとえば“写ルンです“の巻き上げギアを巻くことや、一眼レフのピントを自分で合わせるといったことです。機械・からくりの操作をする手応えや音というのもビンテージのカメラならではかと思います。

待つ時間も楽しみに。写真屋さんで現像する、ということ。

日本のフィルムユーザーの多くがカラーネガという種類のフィルムを使っています。一般的には写真屋さんに現像やプリント、データ化をお願いします。このネガにはデジタルのRAWデータのような自由度があり、通常は写真屋さんがきれいに仕上げてくれますが、実はこのバリエーションがとても多いのです。

 

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フォトショップなどで写真をレタッチすると何が正解なのかわからなくなるという話も聞きますが、それだけ自由度が高く、パターンが無限にあるということでもあります。写真屋さんはレタッチをしてきれいに仕上げてくれるところでもあるので、写真屋さんを変えたり注文を変えたりすることで、同じネガからでもまったく違う写真が得られます。好みの写真に仕上げてくれる写真屋さん探しや、現像が仕上がる数日から数週間を楽しみに待つ時間もまた、楽しみの一つかと思います。

 

フィルムカメラのヴィンテージ感のあるメカニックな見た目や、シャッターを押すときの感覚、重厚感のある音。フィルムカメラで撮影することで映し出される光景や、デジタルでは表現できない色気も楽しむことができますね。日本写真芸術専門学校では、歴代のフィルムカメラや機材、暗室などを利用し、フィルム撮影にチャレンジすることができます。ぜひ体験授業やワークショップに参加してフィルムカメラの楽しさをたくさん感じてみてくださいね。三葉堂寫眞機店でも、不定期に参加型ワークショップを開催されています。ぜひ、ホームページをチェックしてみてくださいね。

 

文・稲田慎一郎
1988年 東京都生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、2017年に三葉堂寫眞機店をフィルムカメラ仲間と立ち上げる。

三葉堂寫眞機店
〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-32-6
Tel:03-6884-4943
Email:info@mitsubado.com
HP:https://www.mitsubado.com/
営業時間:11:00~19:00
定休日:水曜日

\ 公式Instagram /

@mitsubadocamera

 

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