【写真学校教師のひとりごと】vol.27 當麻妙について②
わたし菊池東太は写真家であると同時に、写真学校の教員でもあった。
そのわたしの目の前を通り過ぎていった若手写真家のタマゴやヒナたちをとりあげて、ここで紹介してみたい。
その人たちはわたしの担当するゼミの所属であったり、別のゼミであったり、また学校も別の学校であったりとさまざまである。
これを読んでいる写真を学ぶ学生も作品制作に励んでいるだろうが、時代は違えど彼らの作品や制作に向かう姿が少しでも参考になれば幸いだ。
▼【写真学校教師のひとりごと】 當麻妙について
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ひさびさの登場だ。
やっと次の展示が決まったようだ。
10月31日から11月5日。高田馬場のAlt Mediumだ。いままで倉谷卓や棚木晴子が展示したギャラリーである。
當麻の最初の個展は1999年の2月だ。コニカである。
つまり卒業式の1ヶ月前だ。
このように現役の学生のときに最初の作品展をやることが当時わたしのクラスでは流行っていた。
この後2003年にニコンでもやり、彼女はこれでコニカとニコンの双方を経験したことになる。
この記事のために當麻と実に久しぶりに面と向かって会った。
コニカとニコンでの展示以降、東京ではやっていないが住んでいた沖縄でも鳥取でも写真展はやっていたようだ。
それは以下の通り。
2014年11月「KUDAKA」 KIYOKO SAKATA studio(沖縄)![]()
2023年12月「watershed moment」 gallery sora(鳥取)
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2024年3月「HERE COMES THE SUN」 森の生活者(鳥取)
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2024年4月「KUDAKA」 まめ書房(神戸)
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また、2016年には相方と共著で講談社から「旧暦と暮らす沖縄」というタイトルで、単行本を出版している。
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東京でもやらないと、と思って何回かメーカー系ギャラリーに応募したが、選考からはずれてしまったという。
今回のAlt Mediumで展示する写真は、わたしはまだ見ていない。
當麻のように誰にも見せずにやっていると、ふとした思い違いや勘違いに気づかずに過ごしていることがある。よくあることだ。
そしてこれは自分ではなかなか見つけることが難しいものだ。
だれかがそれを見つけてやらなければいけない。彼女は元来なかなか個性的で面白い感性の持ち主だ。
それさえ鈍っていなければなんとかなる。
Alt Mediumの選考を通っているのならば、感性が鈍っていることはないだろう。
當麻は子育てで移り住んだ沖縄でも鳥取でも、写真を撮り続け、その地で展示を続けている。そのことがかの女の生き様をなによりもあらわしていると思う。これからは自分の考えを過信せずに、だが感性を大切にして欲しい。
ときどき写真を見せて。楽しみにしているよ。
菊池東太
1943年生まれ。出版社勤務の後、フリー。
著作
ヤタヘェ~ナバホインディアン保留地から(佼成出版社)
ジェロニモ追跡(草思社)
大地とともに(小峰書店)
パウワウ アメリカインディアンの世界(新潮社)
二千日回峰行(佼成出版社)
ほか
個展
1981年 砂漠の人びと (ミノルタフォトスペース)
1987年 二千日回峰行 (そごうデパート)
1994年 木造モルタル二階建て (コニカプラザ)
1995年 アメリカンウエスト~ミシシッピの西 (コニカプラザ)
1997年 ヤタヘェ 北米最大の先住民、ナバホの20年 (コニカプラザ)
2004年 足尾 (ニコンサロン)
2004年 DESERTSCAPE (コニカミノルタ)
2006年 WATERSCAPE (コニカミノルタ)
2009年 白亜紀の海 (ニコンサロン)
2013年 DESERTSCAPE-2 (コニカミノルタ)
2013年 白亜紀の海2 (ニコンサロン)
2015年 日系アメリカ人強制収容所 (ニコンサロン)
ほか
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