卒業生に会いに行こう![株式会社アスコット]

クリエイティブ業界で活躍するNDS&NPIの卒業生にインタビューしてきました!

第2回目は、
専門学校日本デザイナー学院(以下、NDS)を卒業され、現在、株式会社アスコットにてデザイナーとしてご活躍されている長谷川日菜さんと、小山奈実さんにお話しを伺いました。


株式会社 アスコット

変化のスピードがさらに増すファッション業界において繊維の専門商社として、企画から生産管理、納品まで一連のプロセスをトータルで提案しています。時代とともに変化するお客様の価値観やニーズを理解し、笑顔が生まれる商品を提供してまいります。

自己紹介をお願いいたします。

長谷川:2018年3月昼間部イラストレーション科を卒業した長谷川日菜と申します。

小山:2024年3月夜間部イラストレーション科を卒業した小山奈実と申します。

現在のお仕事の内容を教えてください。

長谷川:現在、デザイナーとして勤務しています。取引先がデザイナー毎に変わるんですが、私は、「バースデイ」というしまむらグループのベビー・子ども用品を取り扱っているお店を担当しており、洗面台に置く2段ステップやこども用の豆イス、お食事スタイ、転倒防止クッションなどお洋服以外の雑貨をデザインしています。ブランドは、「cottoli」「futafuta」「MY LITTLE WONDER」を中心に幅広いブランドを担当しています。ノーブランドで自分のオリジナルのデザインも作っています。

小山:私は主に「西松屋」を担当しています。こども用の帽子やバッグをデザインしています。最近だと、レッスンバッグやプールバッグをデザインしました。

長谷川さんがデザインされた商品

 

1つの商品が出来上がるまでの流れを教えてもらえますか?

長谷川:月に1回、社内の企画会議で、「こうゆう商品を作りたいよね!」と話し合い、そこから生まれたアイディアを各担当者が取引先に合わせてデザインに落とし込みます。それからバイヤーさんという、店舗が販売する商品や製品の材料を仕入れる担当者に企画のご提案をします。

先方からセレクトしていただいたデザイン案を、指示書を作成して、工場へ作成依頼をします。工場から上がったサンプルをバイヤーさんとすり合わせながら、店頭に置けるような状態まで持っていくっていうのがひととおりの流れですね。

小山さんがデザインされた服飾雑貨 今季発売のものはちょうど1年前にデザインしているそう。

ご提案の際、いくつかデザインのパターンを持っていかれるんですか?

長谷川:私は結構色んなパターンを持っていきたくなっちゃうので1つの商品で、男の子・女の子柄を各5種類位持参します。それで決定になるのは、1、2種類です。

オススメしたいデザインが採用されない事はありますか?

小山:採用して欲しいデザイン案が通らない事もありますね。選んでもらえるように説得力を持って提案していく事を心がけています。参考になるサンプルを購入して持参し、実際にバイヤーさんにお見せしながら商談するなどの工夫もしています。

デザイン案を考える時のヒントを教えてください。

小山:実際の売り場を見に行き、流行りの商品や売れ筋の商品を調査するMR(マーケットリサーチ)を定期的に行い、デザインを考えるヒントとして役立てています。

海外の製品はどこのものをヒントとして得ることが多いですか?

長谷川:韓国の製品からアイディアを得る事が多いですね。最近は、大人の服がそのままキッズサイズで販売される事も多く、大人の服もヒントになったりします。

実際にヒントになったものありますか?

小山:最近でいうと、アパレルショップで見つけたコンパクトミラーが商品作成のヒントになりました。キラキラした液体のビーズが入っているモチーフが可愛いなと思い、帽子にチャームとしてつけるデザインを考えたりしました。日頃から流行っているものは気をつけて見るようにしています。

グラフィックデザインやイラストレーションは平面の作品の印象が強いのですが、服飾雑貨をデザインするにあたり、アパレルの専門知識が必要なのでは?と思うのですが、入社前に専門知識がなくても働く事は可能なのでしょうか?

長谷川:私は今年1月に弊社へ転職してきたのですが、服飾雑貨の知識に関しては、入社後に教えていただきました。皆さん優しく教えてくださるので、雑貨やアパレルの知識がなくても問題なく働ける環境だと感じました。

小山:入社するにあたり、不安はとてもありました。服飾の専門学校もあるくらいなので、服飾雑貨に関しても専門的で複雑な知識が要るのではないかと心配でしたが、長谷川さんが仰っていたように先輩の方が丁寧に教えてくださいますし、グラフィックなど学校で学んでいた内容と共通するところもあり、やっていくうちにだんだんコツを掴んでいく事ができました。

デザインやイラストを勉強しようと思ったきっかけを教えてください。

長谷川:高校1年生の終わり位から絵を描くのにハマって、それまでは動物系の進路を検討していたのですが、方向を変えてイラストレーションの道に進む事を決めました。具体的にこういう仕事に就きたいとかなかったんですけれど、漠然とイラストを仕事にしたいなと思いまして。

小山:コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、絵を描くようになりました。進路を考えた時に、イラスト関係の仕事に就きたいと思うようになり、NDSに通い始めました。

NDSではどういう勉強をされていましたか?

長谷川:基本的なアナログ画材の使い方から、実際に絵を描く事を仕事とした時にどういう風に描いていけばいいかとか。Adobe IllustratorやCLIP STUDIO PAINTの使い方などを学びました。

印象に残っている先生はいますか?

長谷川:コミックイラストの授業をご担当されていた藤井みどり先生がすごく好きでした!
小山:私は、山口真理子先生ですね!印象に残ってます。

学生時代に力を入れていた事を教えてください。

長谷川:鈴木真紀夫先生が「プロは締め切りを守るのが大事!」って仰っていたのがすごく印象に残ってまして、必ず締め切りを守る事を徹底していました。仕事では納期は絶対なので、あの時に締切に向かって逆算する練習がたくさんできてよかったなと思っています。

小山:私は専門学校に入った目的がイラスト関係やデザイン系で就職する事だったので、就活を頑張りました。ポートフォリオの作成は結構力入れてましたね。

就職活動はいつから始めましたか?

小山:本格的に企業にエントリーし始めたのは、2年生の5月からでした。ポートフォリオを作り始めたのは1年生の冬ですね。ポートフォリオを作るのって時間かかりますし、いろんな方に見てもらって、ブラッシュアップする時間も必要なので早め早めに作成しておくことをオススメします。ポートフォリオは志望業界に縛らずイラスト関係の仕事をまんべんなく応募できるような感じで作成していました。イラストの会社を調べるのは、NDSの学校案内パンフレットの内定者一覧で興味あるジャンルの内定先を全部書き出してひとつひとつ調べていきました。弊社の会社説明会があるのを知って2年生の10月に会社説明会に参加しました。

長谷川:私はかなり動きが遅くて、就職活動も2年生の夏くらいに慌ててスタートしました。ポートフォリオはポートフォリオを作る授業があったので、それに合わせて制作しました。キャリアセンターの先生に進路相談もしてもらいました。当時はキャラクター関係の仕事を探していたので、先生方に過去にキャラクター系のお仕事に就いた方いますか?と伺って、先輩方のポートフォリオを見せてもらったりとか、希望に沿った会社を教えてもらったりしました。就職決まったのもかなりギリギリでしたね。

イラストを仕事にしたい方へ向けてメッセージをお願いします。

長谷川:専門学校に入学するまでは、イラストのお仕事ってかなり少ないんじゃないかとか、不安はかなり大きいとは思うのですが、プロの講師の先生やキャリアセンターの先生から業界の話を伺うと、徐々にどんな仕事があるのか、どんな働き方があるのかなどを知る事ができます。イラストを使ったお仕事は思っているよりも幅広くあるので、そんなに何か不安なことだらけではないかなって思うので、思いっきり学生生活を楽しんでください。

小山:専門学校に通って授業を受けていると、少なからず、この先どういうふうにお仕事に繋げていこうかなと不安になることもあると思います。でも、急いでぱっと決められるものではないですし、いろんなことに触れていくうちにだんだん自分にあったやり方、働き方が見えてくると思うので、今は焦らずに視野を広くもって過ごしてほしいです。好きなことを楽しく続けられることが一番大切だと思うので、自信をもって好きなことに挑戦していってほしいです。応援しています!

取材・撮影/PicoN!編集部 市村

 

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