クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…〈vol.1〉

PicoN!をご覧の皆様、はじめまして。おはようございます。こんにちは。こんばんは。
わたくし普段は一介の会社員をしている北米のエボ・テイラーと申します。

趣味は音楽/映画鑑賞、読書、フェスや盆踊りで踊ったり、銭湯やサウナに入ったりが好きな…
途轍もなく当たり障りのないおじさんです。
しかも、特にクリエイティブに資するアウトプット、イラストを描いたり、写真を撮ったり能動的な趣味をしておらず、
ここまで読んだ方は「お前何で書いているんだ!」という声が聞こえてきそうで汲々としています。

そんな私が何故PicoN!の末席で読者の皆様のお目汚しするような記事を書くに至ったかと申しますと、
会社の後輩社員経由での運営事務局の方からの紹介です。
つまり…The人とのつながり。
(人とのつながり大事!人とのつながりはクリエイター/非クリエイター問わず大事にしていきたいですね!)
と此処まで大分戯言で紙幅を稼いで(WEBメディアの文章で紙幅っていうのかしら?)きましたが、

せっかく光栄にもクリエイティブに関しての書かせて頂く、機会を頂きましたので、

自分なりに何を書こうか考えた末にネーミングしたのが
本タイトル「クリエイティブ圏外漢のクリエイティビティを感じる何か…」です。

タイトル通りにクリエイティブに関して専門知識がない、特に能動的クリエイティブ活動をしていない私のような人間が、
それでも好きであらゆるクリエイティブな作品に触れることで感じる何か…を書いていければという所存です。

勘のいい方は、
『「何か…」と曖昧にしているのでジャンルを問わないことで、ネタの枯渇を避け、保険をもかけているのでは?」
とお思いでしょうが、ご名答!
その通りです。しかし当面はPicoN!であまり記事化されていない音楽に関して絞って書いていければと思っております。

タイトルやこれから書く記事に関しても戯言をつづけておりますが、
真面目な想いとして、
クリエイティブは当然専門知識を持つ人や能動的なクリエイティブ活動をしている人の為のモノだけでなく受容する人のモノでもあるわけで、何かしらのクリエイティブが好きな門外漢が「いいなぁ」と感じた点を記すことは意味があると思います。

クリエイター(及び予備軍)には非クリエイターが感応する点がわかり、私のようにクリエイティブを受容する側の人にも面白がり方や知らないクリエイティブに触れるきっかけが生まれるはず…

無理やりな自己正当化かもしれませんが、色んなクリエイティブで一喜一憂している
おじさんの視点も少しは意味があるかもと思って読んでいただければ幸いです。

 

さて今回ご紹介するのは現代芸術家である宇川直宏の音楽プロジェクト
UKAWANIMATION!によるデビューアルバム『ZOUNDTRACK』です。

掲載作品の作者である宇川直宏氏ですが現代美術家、映像作家、グラフィックデザイナー、VJ、文筆家…数々の肩書を持ち、
ライブストリーミングスタジオ兼チャンネルDOMMUNEの代表をしている多才&鬼才な方です。
(彼について書き出すとキリがないので詳しく知りたい方はこちらをご参照下さい)

なぜ本作を取り上げたかと申しますと、このオウンドメディアPicoN!を主催されている呉学園は日本写真芸術学校を運営しており、執筆依頼を受けた際に「カメラについての曲」が入っている本作が文字通りPicoN!と思い出され、呉学園の専門学校日本デザイナー学院の初代校長である山名文夫先生はグラフィックデザイナーの先駆者であり、宇川直宏とのつながりを感じたからという理由です。

そんなPicoN!とも縁深い本作は宇川直宏がコンセプト建て、作詞、作曲家のキュレーション、MV撮影を行っており、収録曲はハウス、テクノ、ノイズ、ポップス…とジャンルレスな楽曲群となっております。

先述した「カメラについての曲」というのはアルバムの1曲目
UKAWANIMATION! feat. 石野卓球、萩原健一/“惑星のポートレイト 5億万画素” Dedicated to Cameraです。
カメラに捧げられた曲というより吾輩は猫であるStyleでカメラ視点の詞をシド・ビシャスに憧れていたショーケンこと故:萩原健一がブルーハープを奏で“マニュアルフォーカス” “わざと露出OVERで”とノリノリで歌い上げます。
作曲は電気グルーヴの石野卓球!叩きつける無機質なマシンビートやシャッター音が心地いい。コラボ曲も定評がある彼ですが、カメラの視点、幻影、瞬間を変幻自在に歌い上げるショーケンとのマリアージュは近年の石野卓球のコラボ曲の中でも屈指の出来映え。

『人間意外の森羅万象から見た世界』をコンセプトにした本アルバムはカメラ以外にも、落花生、ウナギ、弦、スプーン、酸素、編成風…などをモチーフに制作されており、人間以外のあらゆる森羅万象が持つAuraを感じます。
宇川氏も本作のテーマで「エコ・クリティシズム=環境の考え方」を標榜しております。

本アルバムは
クリエイターとは『普段気づかない視点』を提示してくれるような存在なのでは?
そしてクリエイティビティとは無限にある森羅万象に対しての視点の置き方から
クリエイターのフィルターを通過して抽出し加工された一つの選択肢なのでは?
と感じるPicoN!な発見がある一作です。オススメです!

文・写真 北米のエボ・テイラー

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