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【対談】新人インテリアデザイナー(元留学生)×インテリアデザイナー・一級建築士(先生)

邓 冰清(トウ ヒョウセイ)さん
中国の江蘇省(こうそしょう)出身。2021年専門学校日本デザイナー学院 インテリアデザイン科卒業、現在は都内のインテリア設計事務所に勤務。

吉里 秀則(よしざとひでのり)先生
NDSインテリアデザイン科講師。インテリアデザイナー・一級建築士/多摩美術大学卒業後、デザイン事務所を経て2016年にヨシザトデザイン一級建築士事務所を設立。住宅設計や店舗デザインを中心としてジャンルにとらわれない幅広いデザイン活動を行っている

 

 

吉里先生)トウさんは日本に来てもう何年になるの??

 

トウさん)日本に来て今年で5年目です、
日本に来て、日本語学校で1年間、日本デザイナー学院(以下、NDS)で2年間、就職して1年経ってるので、今年5年目です。
中国でも半年間の日本語学校に通ってましたけど、そのときはまだちゃんと喋れない感じですね、試験向けの日本語って感じで。
NDSに入学してから日本人のクラスメイトや先生と話して日本語が上達しましたね。

 

吉里先生)なんで日本に来てインテリアデザインを学ぼうと思ったんだっけ?

 

トウさん)中国の大学でもインテリア学科で勉強をしてたんですけど、自分らしいデザインを作る、というところまでは勉強できなかったんです。
そして日本に旅行に来たときに、コンビニのケチャップとマスタードをプチって摘まんだら出てくるアレあるじゃないですか、あれに感動したんです(笑)
中国にはあれ無かったんですよ。こんな細かいところにまでデザインができていることがスゴイと思って、日本に留学することを考え始めました。

 

コンビニのアレ

 

吉里先生)アレに出会えてよかったね、出会えてなかったら日本に来てなかったかもしれないもんね(笑)
学校生活の思い出とか覚えてることはどんなことがある??

 

トウさん)授業とか友達とか、やっぱり楽しかったですね。授業の課題は頑張って取り組んでいました。2年間勉強して“デザイン”の考え方が身に付いたと思います。

吉里先生)NDSのインテリアデザイン科は住宅ショップディスプレイ家具とかあるけど、もともとは何をやりたいと思ってたの??

 

トウさん)最初はあんまりはっきりはしていなかったけど、住宅とショップに興味があって、勉強していくうちにショップデザインがどんどん好きになっていきました。
店舗の業態に合わせていろんなデザインを考えられる自由度とかすごく楽しく感じています。

 

吉里先生)住宅っていうとその国ならではの住まい方の違いとかもあるからね。

ショップはどの国にいっても業態に合わせたいろんなデザインがあるからイメージしやすいだろうね。
特に覚えている授業とかある??

 

トウさん)吉里先生のご友人家族のマンションのリノベーションを題材とした授業がすごく楽しかったですね、結構自由な提案とかも考えました。

 

吉里先生)あぁーあれね、実際のクライアントを呼んでディスカッションして、「あれが欲しい」「こういうことがしたい」とかのリクエストを聞いて、最後はクライアントに学生がプレゼンテーションするっていうやつでしたね。

 

トウさん)その授業は本当のお仕事みたいな流れで、経験できてよかったです。

 

吉里先生)どうしても学校での作品って、先生に対して作品を出すという感じだから、実際のクライアントに対して作品を作るっていう経験はとても良いことだと思うね。

 

トウさん)先生たちに作品をプレゼンするときって、先生たちも途中経過を見ているから、なんとなくプレゼンしちゃうけど、実際のお客さんにはちゃんとわかりやすいプレゼンしないといけないから、そういった意味でも良い経験になりました。

 

吉里先生)、、、日本語上手になったねー(笑)

 

トウさん)はい(笑)ありがとうございます(笑)

 

吉里先生)2年生になって、前期のショップデザインの授業で「カフェ」のデザインやってたよね

 

トウさん)はい、渋谷のなかで自分で場所を選んでコンセプトも決めて

 

吉里先生)トウさんの作品まだ残ってるよ

トウさん)まだあるんですか(笑)懐かしいですね(笑)

吉里先生)今では模型はあまり作らない?

 

トウさん)あまり作らないですけど、コンペの時とか作ったりしました。
今学生時代の模型をみると「うーーーん(汗)」って感じですね(笑)

吉里先生)でも頑張って作ってたよね。
トウさんが2年生のときはちょうどコロナでオンラインばかりだったから卒業制作では模型は作れなかったんだよね

 

トウさん)そうです、それはちょっと残念でしたね

 

吉里先生)鎌倉を舞台に、魚釣りと魚が食べられるレストランをコンセプトにしたショップデザインをしてたね。
振り返ってみてどう?

トウさん)卒業制作でコンセプトの大切さをすごく感じました。コンセプトがしっかりしていないとデザインにつながらなくて。
今見るとまだまだなところも感じますね(笑)Photoshopでもっとリアルな感じに作りこめたなって(笑)

 

吉里先生)でも2年間の勉強でここまで作れるようになったんだからスゴイよね。
作るのは大変だった?

トウさん)思い出は企画を考える段階で鎌倉の海岸を1日中歩き回ったことです(笑)
場所とコンセプトを探すために、なぜこの場所なのかとか考えながらずっと歩いて、釣り人の人に話を聞いたりしました。

 

吉里先生)どのくらい歩いたの?

 

トウさん)由比ヶ浜から江の島くらいまで、もうすぐ藤沢ってところまで歩きました(笑)

 

吉里先生)すごい歩いたねー(笑)鎌倉っていう場所だけはルールがあって、細かな場所選びとコンセプトは自由だったからね。
そしてこれからお仕事として実際に鎌倉で店舗のデザインするんでしょ?

 

トウさん)そうなんです(笑)完成したらぜひ来てください!

 

吉里先生)絶対行くよ、ゼミの時間とか。

トウさんの就職活動のときのポートフォリオも残ってるよ。自分で製本までしたんだよね。

トウさん)手作りのポートフォリオですね。
ショップデザインに進みたかったのでショップ系の作品を多く載せてます。地域のリサーチやコンセプトとかも入れてますね。
就職活動のときにポートフォリオが作りこまれてるっていうことで印象が良かったみたいです。
多くのポートフォリオはポケットに入れてあるだけのものが多いみたいで。

吉里先生)ポートフォリオも自分の作品作りの一部だからね。
就職して最初は大変だっただろうけど少しは落ち着いてきた?

 

トウさん)最初は慣れないことばかりで大変でした(笑)
少しずつ経験してきて心理的に落ち着いてきましたね

 

 

吉里先生)仕事は経験を重ねていくとどんどん楽しくなってくるからね。自分でスケジュールをコントロールできるようになってくるとやりやすくなってくるから。
これからも楽しんでデザインのお仕事続けていってください。

 

トウさん)そうですよね、がんばっていきます!!

 

 

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