生の現場を覗いてみた!インテリアデザイナーのアトリエ訪問記 その1

インテリアデザイナーのアトリエ訪問記

ショップデザイナー、住空間デザイナー、ファニチャーデザイナー、ディスプレイデザイナーなどインテリアデザイナーが働いている現場を取材していきます!普段見れない裏側、制作現場を余すことなくお届けしていきますよ。

1話目となるインテリアデザイナーはウィンドウディスプレイ制作のプロの「ー噌 万佐留」先生です。さっそく事務所を見てみましょう!

ディスプレイ制作のプロは、オールマイティ!

一噌先生の作品の一つ [イッセイミヤケbaobao ]

一噌先生の作品の一つ [イッセイミヤケbaobao ]

画家ではないけど絵が描ける。彫刻家ではないけど彫塑ができる。大工じゃないけど木工ができる。ウィンドウディスプレイ制作のプロは、オールマイティに何でもこなす制作のプロフェッショナル。トップブランドのウィンドウディスプレイを手がけて40年のキャリアを持つ一噌先生のアトリエにお邪魔した実感です。

現在の府中のアトリエに移ってから10年、ここで一噌先生から制作の技術を学び巣立っていった卒業生達も、今ではそれぞれの場で活躍しています。

華やかなウィンドウのバックヤード、裏方の仕事場

発砲スチロールやベニヤ板、針金にスタイロフォーム、各種塗料、様々な工具類、オールマイティな制作のための必需品が詰め込まれた1階の工房。町工場のようにも見えますが、正に華やかなウィンドウのバックヤード、裏方の仕事場です。

2階に上がる階段に配置された作品とピンクの手摺に、表舞台の華やかさが感じられます。

今日は、演出小物のサンプルがあちこちに楽しげに置かれていましたが、昨日までは、巨大な発砲スチロールの作り物で占領されていたそうです。

ー噌 万佐留先生の活動スタイル

元々は、イラストレーターの仕事をされていた一噌先生。24歳の時に、資生堂のウィンドウディスプレイで絵を描いたのがきっかけで、以来一貫してフリーランスとしてお仕事をされてきました。「これ作れますか?」と頼まれたら、絶対断らないと言う、姿勢がオールマイティな制作者である一噌先生を作り上げたのだと思います。そして、なにより飾らない謙虚なお人柄が、長く仕事を続けている方の共通した特徴でもあると思います。

「僕はこの仕事が大好きで、周りの人に恵まれたから、今でも続けていられています。感謝しかありません。あと10年はやりたいと思っています。」と、力強くおっしゃっていました。

そんな一噌先生が仕事を同じくらい好きなのが、愛車のアルファロメオでのドライブだそうです。

日曜日の午前中は、どんなに忙しくても一人で青梅や奥多摩など、のどかな田園風景の中をドライブして、愛車の写真を撮るのが仕事へのモチベーションになっているとのこと。仕事と車の両輪走行は、しばらく続きそうですね。

 


いかがでしたでしょうか?制作物でいっぱいでー噌先生のアイデアの宝がつまったアトリエの様子が見られたと思います。

次回もお楽しみに。

文:池谷光江
NDSインテリアデザイン科講師。商品装飾展示技能検定1級、日本VMD協会理事マネキンディスプレイ会社のデザイン室を経て、フリーランスのディスプレイデザイナーとして、百貨店、専門店、メーカーのVMD企画デザイン、社員教育に携わる。現在、ディスプレイの国家試験「商品装飾展示技能検定」中央検定委員として問題作成に携わっている。

 

 

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