アナログ絵はLive2Dで動かせるのか?【後編】
「自分が描いたキャラクターが動き出したら・・・」
なんて妄想を具現化してくれるツール「Live2D®」。
このLive2D、デジタルのキャラクターイラストを動かしていくことになるわけですが、その原理は細かく分けられたパーツごとにモーションを設定をしていくことでキャラクターが動き出すというものです。
そこで、この技術を応用すればアナログで描いたイラストも動かせるのでは?と閃きました。
物は試しということで、やってみましょう!
※前編はコチラ
Live2Dでパーツごとにモーションを設定する
前編でパーツごとにレイヤー分けしたPSDデータを、「Live2D Cubism」上で実際に動かしていきます。
今回は髪の毛が風になびいている感じを意識して動きを付けていこうと思います。
これは髪の毛の左側面をまとめたパーツを読み込んだ状態です。ここで自動生成したアートメッシュはこんな感じですが、これでは滑らかな動きを設定するのが難しいので今回はアートパスを用いていきます。
髪の毛のまとまりの中心にこのようにアートパスを設定しました。このパスを動かしていきます。
髪の毛が画面左側に向かってなびいている絵なので、右から風が吹いているようなイメージでパスを動かします。
こんな感じで、どうでしょうか。まずまずなびいてるんじゃないでしょうか。
これと同様の作業を、他の髪の毛のパーツにも施します。
髪の毛の束ごとに動きをつけました!
細かくパーツを分けたので、その分それぞれの束が独立して動いていい感じです。
アニメーションを作ってみる
モーションの設定ができたところで、次はアニメーションを設定して動かしてみます。
瞬き、ピアスの動きなんかもモーションを設定しておいたので、それらと一緒にキーフレームを打ってアニメーションを設定します。
3秒でループするアニメーションが完成しました。
そよ風で髪の毛がなびいている感じ、まずまず表現できたんじゃないでしょうか。
合成してアナログイラスト感を強調する
この時点でアナログイラストをLive2Dで動かしてみるという目標は達成できたわけですが、せっかくなのでもう少し遊んでみます。
アナログで描いたイラストなので、そのことが伝わる演出をしてみようと思います。
まずこのイラストを描いた画材のペンや色鉛筆と一緒に青い紙を撮影します。
この写真を動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」で開きます。
青い紙の部分をクロマキーで透過させ、
その中にLive2Dで書き出したアニメーションの動画を入れ込みます。
あとはこれを書き出せば、、、
トップに出ているような合成動画が作成できました!
まるでアナログで描いたイラストがそのまま動いているみたいで面白いですね。
Live2Dを活用すればアナログイラストも動かせる!
今回Live2Dを使ってアナログイラストで遊んでみましたが、結論としては「アナログイラストもLive2Dでしっかり動かせる」ということがわかりました!
ただしデジタルイラストを動かすより手間がかかることは否めませんが。。。
また、今回の検証で、Live2Dのいろいろな可能性も見えてきました。今回アナログイラストを動かせたように、例えば一枚絵だったり写真などの画像だったり結構なんでも動かせるのではと。
また何か面白いことを思いついたら試してみようと思います。
文 : PicoN!編集部 黒田