【アナログイラスト初心者向け連載】第8回~夏の野菜の描き方編~
今回は季節感を取り入れた夏の野菜、ミニトマトとナスを描いてみました!
どちらも色が濃くツヤツヤに光っているのですが、ハイライトの入れ方が異なります。
トマトは水彩紙の白をハイライトにしているのに対して、ナスは、洗い出しの技法で柔らかなハイライトにしました。
どちらの描き方がお好きでしょうか。
お好みで、トマトもナスと同じ手法でも構いませんし、ナスをトマトの描き方で描いてもいいです。
それでは、ミニトマトから始めていきます!
ミニトマト
①下書き
よく観察して形をとる。実のサイズに対して、ヘタのバランスをしっかり取る。
②広い面積から塗り始める
光っている箇所を塗らないように避けて塗るとツヤツヤ 光沢が出る。乾いてから、実の暗く見えるところに色を重ねる。
③乾いたら、ヘタに色をつける
④早めにテーブル面に影をつける
今回は混ぜて作ったグレーに、トマトの色を反映させて使用した。
⑤ ②~④を繰り返して存在感を出す
⑥完成
ナス
続いて、ナスの描き方です。ナスは【洗い出し・ 拭き取り】の技法を使って光沢を表現しています。一度塗ったところに、水をつけた筆や、乾いたティッシュ・タオ ルで ゴシゴシ絵の具を取ります。上から重ね塗りも繰り返し、質感表現を追求しました。
①よく観察して鉛筆で形をとる
ここは輪郭だけ取れればOK。
②ナスの身から塗っていく
一層目は光っているところを塗り残す。
③乾いたらヘタに色をつける
④早めに影をつける
影の形をぼかす。
⑤ハイライトを弱めたいので、塗り残しの上にも彩色
重ね塗りをする毎に濃くなるので、実は少しずつ色が濃くなる。
⑥ハイライトをぼんやり光らせたいので洗い出し・拭き取りをする
⑦拭き取りの後、再び重ね塗りをして、ハイライトの光の具合いを調整する
⑧ ③~⑦をくり返し、色彩の濃淡をつけていく
⑨完成
いかがでしたでしょうか。
少ない色数でも重ね塗りを繰り返しながら、濃淡をつけていくことで、立体感が出てきます。
トマトやナスに限らず、野菜のヘタの部分は、実がぶら下がるために重力がかかるところなのでおろそかにせず、しっかりと存在感を出すのも、リアリティを出すコツの一つです。
リアリティを出す表現ではなく、にじみやムラも出しながら、水彩らしい野菜を描くのも良いですね!
トマトやナスが描けたら、光沢のある果物なども同じような手順で描くことができます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
初めてクリックしてくださった方は、「パン」や「空」の描き方、紙や筆の選び方など、過去の記事もぜひ、ご覧ください。
池田幸穂
絵描き / Gallery MoMo 所属 / 武蔵野美術大学卒業後、個展多数。ワークショップ等。海外のアートフェアに参加。図書館に作品常設。
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