レタッチのプロなら、素人写真も「奇跡の一枚」に変えちゃえる説。vol.3
写真の色彩や写り方を編集する「レタッチ」。撮った写真の色彩や要素などを編集することで作品の魅力を増す大事な工程ですが、まだ写真を学んだことがない人には、その重要性・必要性はあまりピンとこないかもしれません。
今回はフォトレタッチの魅力をお伝えすべく、レタッチャーで日本写真芸術専門学校講師の羽立孝先生に、写真シロウトの私(編集部・佐藤)が撮った写真のレタッチを依頼。「プロのレタッチャーがシロウト写真をガチで編集したら、どのくらい見違えるのか?」検証するとともに、作業の流れも解説していただきました。
今回は、第3回です!
解説:羽立孝(レタッチャー/日本写真芸術専門学校講師)
ラーメンの写真をレタッチ!
今回レタッチするのは、こちらのラーメンの写真。このままではラーメン以外のものも多く、主張が弱いので思いっきりトリミングしていきたいと思います。
注意したいのは、白と黒の色。これが画角に入ると目についてしまうので、不必要な部分をトリミングしていきます。ベースのレタッチは、前回までと同様CameraRawを使って行ないます。
爪楊枝やナプキンの「白」から逃げるように、画面を回転させつつ、ラーメンが主張されるような画角に調整していきます。
ここからはトーン調整。照りと艶(つや)を意識しながら全体のコントラストやスープの彩度を上げて、麺と具材とスープが際立つように調整して行きます。
ここからはPhotoshopで編集していきます。
だいぶ要素が整理されていきましたが、写真右上、器の内側に汚れがあり白色が綺麗に見えないので、左上の白い部分を複製してトーン調整しながら、マスクとして部分的に使用。その上から修復ブラシで調整するとさらにすっきりします。
このままでもいいかと思いますが、 シズル感(食品がみずみずしく美味しそうな感じ)を増すために少し湯気を加えて行きます。
黒バックで撮影した湯気をスクリーンで重ねていくと熱々のラーメン感が出てきますね。
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①視線を奪う不要な情報はトリミング(排除)する
②コントラストや彩度を調整し、食品の「照り」や「艶(つや)」を演出する
③別で撮影した湯気を合成し、「熱々」のシズル感を演出!
食品のレタッチにおいては、上記のテクニックを取り入れながら「シズル感」の演出に挑戦してみましょう!
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