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「美術のこもれび」Rayons de soleil dans l’art–No31:『 シンシナティ美術館展 』 について

専門学校日本デザイナー学院東京校 講師の原 広信(はらひろのぶ)です。

今回は今年10月10日(土)から東京台東区の上野の森美術館で開催されている『 シンシナティ美術館展 』で展示される作品をいくつかご紹介します。

このシンシナティ美術館 はアメリカ合衆国のオハイオ州シンシナティに1881年に創立され、米国で最も古い美術館のひとつだそうです。※下線部引用:上野の森美術館公式HP

この展覧会についての情報は全て「シンシナティ美術館展」上野の森美術館の公式HPによるものです。

https://www.cincinnati-art2026.jp/about.html

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こちらには主な展示作品について詳細な解説文が掲載されていますので、ぜひ参考になさってください。

このコラムでは私なりの(私見)などをいつもの様につらつらと述べていきたいと思います。

私の大好きな近代絵画が目白押しの展覧会のようです。

では、作品を見ていきましょう。

【 ポール・セザンヌ Paul Cézanne(1839~1906)『 パンと卵のある静物 / Le pain et les œufs 』1865年 カンヴァスに油彩 Cincinnati Art Museum 所蔵 Cincinnati / 米国 】 ※ソース/画像引用元:https://www.cincinnati-art2026.jp/exhibit.html 上野の森美術館公式HP

この作品についてご覧になった皆さんはちょっとした違和感を持たれているかもしれません。

セザンヌの作品にしては、やや古典的な描き方の様に見えませんか?

このコラムの第4話ですでにポール・セザンヌを取り上げましたが、その際に掲載した作品と比較してみましょう。

【 ポール・セザンヌ Paul Cézanne(1839~1906)『 りんごと洋梨のある静物 / Nature morte aux pommes et aux poires 』1891~92年 カンヴァスに油彩 メトロポリタン美術館 所蔵 New York / 米国 】

この作品の方が「セザンヌだよね!」と感じます。同じセザンヌでもまったく作風が違いますよね。私としたらりんごと洋梨のある静物の方がセザンヌらしい感じです。製作年を比較すると、パンと卵の方が約27年前に描かれた作品になります。

全体に重厚で古典的な印象です。モチーフの置かれたデスクや壁は暗く、白っぽい布も重たそうに見えています。そして個性的な表現が感じられません。

セザンヌもこうした描画から、徐々に自分の表現を模索していくのですから、貴重な作品ですね。

さらに別の作品を見ることにしましょう。

【 クロード・モネ Claude Monet(1840~1926)『 ベリールの岩場、ポール=ドモワ / Les falaises rocheuses de Belle-Île, Port-Domois 』1886年 カンヴァスに油彩 Cincinnati Art Museum 所蔵 Cincinnati / 米国 】 ※ソース/画像引用元:https://www.cincinnati-art2026.jp/exhibit.html 上野の森美術館公式HP

この展覧会には、先ほどのセザンヌやモネといった印象派を形作った画家の作品も多く展示されている様です。モネはセザンヌとほぼ同年代の画家で初期の「印象派展」では共に出品をしていました。二人はお互いにリスペクトしていたことはよく知られています。さて、この作品は画面の多くをベリール島の岩場が占めています。大海原からの波に洗われて暗く険しい表情の岩場に対して、画面の上方は空の明るさに溶けそうな水平線が微かなタッチで描かれています。この自然の大きなギャップを四角いカンヴァスに切り取るように描くことで、自然が見せるダイナミックさを表現しています。海からの風を感じます。展覧会のHPの解説では同じ風景を5点描いているそうです。

【 アルフレッド・シスレー Alfred Sisley(1839~1899)『 ブージヴァル / Bougival 』1876年  カンヴァスに油彩 Cincinnati Art Museum 所蔵 Cincinnati / 米国 】 ※ソース/画像引用元:https://www.cincinnati-art2026.jp/exhibit.html 上野の森美術館公式HP

シスレーは主に風景画を多く描いた画家で、印象派を代表する画家の一人とされています。作品タイトルの『ブーシヴァル』は地名でフランスの首都パリに程近い西方に位置し、セーヌ川の河畔にある町です。

画面の半分以上が青い空が占めていて、浮かんでいる雲の描き方でどこまでも遠く広がる遠近感を表現しています。

ちょうど大空と地表の境に橋が遠望され、そこから右側へセーヌ川が横たわっていますね。煙を漂わせながら一艘の汽船が航行しています。たっぷりと日を浴びる景色には人は描かれていないものの、この船が人の暮らしを感じさせてくれています。気持ちの良い長閑な風景です。

それでは、最後に大変ファンの多い画家の作品です。

【 フィンセント・ファン・ゴッホ Vincent van Gogh(1853~1890)『 ポプラ林の中の二人 / Undergrowth with Two Figures 』1890年  カンヴァスに油彩 Cincinnati Art Museum 所蔵 Cincinnati / 米国 】 ※ソース/画像引用元:https://www.cincinnati-art2026.jp/exhibit.html 上野の森美術館公式HP

強く直線的に描かれた樹木の幹の輪郭が印象的なこの作品。横長の形のカンヴァス(※49.5 × 99.7cm)には立ち並ぶ樹木と画面の多くを占める草花が咲き乱れています。

その画面の中央に「二人」の姿が佇(たたず)むように描かれていますね。まるでこの林の色彩に同化しているかのように。

遠近法に従って立ち並ぶポプラの木々の間の人物はこの樹木と鬱蒼とした草花の世界に取り残されて、二人は立ちすくんでいるかのようです。明るさと暗さが競うように共存する色調が不思議です。

ゴッホが死を遂げる前に描いた作品の一つ、と上野の森美術館公式HPは、解説しています。

※下線部作品サイズ引用:https://collection.cincinnatiartmuseum.org/objects/127472/undergrowth-with-two-figures シンシナティ美術館公式HP

このゴッホの『ポプラ林の中の二人』を含め、今回ご紹介した作品をはじめ、84点もの作品を見ることができる展覧会が10月10日より東京、上野駅公園口改札徒歩5分にある上野の森美術館で開かれています。

さあ、秋も一歩深まったこの季節『芸術の秋』を堪能しに出かけましょう!

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【展覧会情報】

■ 『 シンシナティ美術館展 ~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~ 』

2026年 10月10日(土)~2027年 1月10日(日) 上野の森美術館 (東京都・台東区 上野公園内)

https://www.cincinnati-art2026.jp/about.html

※会期中は無休、詳細は公式HPでご確認ください。


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