手ブレを付ける!Premiere Proで手ブレ加工/Adobeであそぼ!#10

あっちを見ても手ブレ補正、
こっちを見ても手ブレ補正、、、

最近のカメラはとにかく手ブレ補正の機能が発達していますね。

安定した動画が撮影できて大変素晴らしいのですが、

みなさんそんなに「手ブレ」お嫌いですか??

手ブレ」のある動画って、ちゃんと「」が介在している感じがして逆にリアリティを感じたりしません??

現実世界や人間、動物とかの動きや雰囲気を演出するためには「無駄な動き」が必要だと思うんです。

無駄のないキレイな動きだけだと、ロボット感やデジタル感をどうしても感じてしまうのですが、無駄な動きや揺れがあるだけで一気に生き物感だったり現実感を感じ取れるようになると思うんですよね。

 

ということで、今回は
PremiereProで後付けで「手ブレ」を追加する方法をご紹介!

(どんな紹介のしかたがいいかなと考えた結果、個人的な趣味の方向でご紹介します)

▼こちらの動画をご覧ください。

ということで、東京中野の街にゴジラ(フィギュア)が現れた動画で解説させてもらいます。

 

まずは「手ブレ」追加の話しの前に、ざっと合成の流れを。

動画素材の準備をします。
今回はつぎの3つの動画。

カメラを固定した風景動画

わざと手ブレさせた動画

背景を切り抜きやすい色で撮影したフィギュア動画

 

まずはPremiere Proで
合成動画をつくる

Premiere Proで新規シーケンス、背景動画をタイムラインで開き、背景動画を複製して上に重ねる。
上に重ねた動画のエフェクトコントロール欄の「不透明度」でマスクのペンツールを選び、丁寧に画面上の建物(怪獣より手前あって欲しいもの)を囲みます。

 

先ほど作った動画にサンドイッチするように怪獣フィギュアの動画を配置して、怪獣動画に ビデオエフェクトキーイングUltraキー を適用。
Ultraキーの設定ウィンドウで透明化させたい色をスポイトで吸い取り、数値を調整したら合成動画の完成♪

 

と、こんな感じで簡単な合成ができました。
この状態が上のYouTube動画でお見せした「合成のみ」の動画にあたります。

 

さて、前置きが長くなりましたが今回の記事の主題がやっとここからです。

手ブレを付けよう!

 

01.手ブレ動画を上に重ねる

先ほどの合成動画(今回は1度書き出したもの)の上に、わざと手ブレさせた動画をタイムライン上で上に重ねます。

 

02.2つの動画をネスト化

重ねた動画を選択した状態で右クリックしてネスト化します。
ネストというのは新たな箱(シーケンス)にまとめて入れておく、みたいなことです。

 

03.ネストにエフェクト「ワープスタビライザー」を適用

ネストしたものに、ビデオエフェクトディストーションワープスタビライザー を適用します。
ワープスタビライザーは手ブレ補正をしてくれるエフェクトで、上に重ねられた手ブレ動画を自動分析して、サイズ・位置・角度などを自動処理で手ブレを補正してくれます。

 

04.ネスト内の手ブレ動画を削除すると完成!

ネストをダブルクリックすると、中身を開くことができるので、ここで手ブレ動画を削除します。
そして元画面に戻りネストされた動画を再生すると、手ブレ動画の完成です。

ネストにかけたワープスタビライザーが手ブレ動画を分析してできた動きが、手ブレ動画が削除されたことで下にあった合成動画に反映されたものが見えるようになった、という手振れ補正を逆に使った方法です。

 

ではもう一度見比べてみましょう♪

被写体(今回はゴジラ)をしっかり見せたいのであれば手ブレは無い方が見やすいですが、臨場感や、カメラを持つ人を想像させることができるのは手ブレ動画の方がありますよね。

ついでに、カメラマンの心情になり、ズームとか、ピンボケを追加してみるとこんな感じに。

 

 

ちなみに、スピード感を演出するときにも手ブレが有効で、私が以前編集したこの動画の「」が飛んでいくシーンも画像に手ブレを追加しています。

 

ということでいかがでしたでしょうか?

手ブレのない安定した動画もいいですが、臨場感や躍動感を演出するときには手ブレを追加してみてはいかがでしょうか♫

それではまた。

 

PicoN!編集部 横山

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