きりん幼稚園壁画リニューアルを追う!(1)
福岡県福岡市城南区にある私立幼稚園「きりん幼稚園」と、博多区にある「専門学校日本デザイナー学院 九州校」とがコラボしたプロジェクトが動き出しました。
このプロジェクトは、どのようにしてスタートしたのでしょうか。追ってみましょう。
創立70周年を迎える「きりん幼稚園」。
この幼稚園には、正門横で毎日園児を迎える特別な作品がありました。
それがこちら。
2000年7月に制作された、こちらの壁画は福岡名誉市民で日本を代表するグラフィックデザイナーでもある西島伊三雄先生が制作された作品です。
この愛らしい動物たちが描かれた壁画は、幼稚園に通学する園児だけでなく、保護者や働く職員、地元の住民を、毎日温かく見守り続けてきました。
さて、この壁画の制作者である西島氏は、国内外より高い評価を受けるデザイナーであり、親しみやすい童画を通して地域に密着した伝統文化や生活文化を鮮やかに描きだす作品も多く制作をされています。彼の携わった作品には、現代の私たちの生活の中で親しみがある作品も多く存在しています。福岡市営地下鉄各駅のシンボルマークや、即席ラーメン「うまかっちゃん」のパッケージイラストとネーミング制作などがその一例です。
また、西島氏は専門学校日本デザイナー学院九州校の初代校長も務められ、次世代のクリエイター育成にも力を入れられておりました。同校からは、これまでも多くのクリエイターが輩出されています。
西島氏については、これまでに以下の記事でも特集をしておりますので、こちらも是非ご覧ください。
さて、この壁画が制作されて23年。
きりん幼稚園によって、大切にされ続けてきた壁画ではありましたが、経年劣化による安全性が保証できなくなってきました。
じつは、西島氏が制作したのはこの壁画だけではなく、園内の講堂に設置されている緞帳も同じ作風で制作が行われています。
この緞帳に関しては、屋内で大切に使用をされていることもあり、今後も多くの園児の目に触れることになりますが、屋外にある壁画に関しては、残念ながら取り壊さざるを得ない状況となりました。
この状況で、新たに設置する壁画のデザインの制作者として声をかけられたのが、西島氏の意思を継ぐ「専門学校日本デザイナー学院 九州校(以下、NDS)」の学生たちでした。
コラボレーション決定後、きりん幼稚園の熱い想いを受け、NDSでも最高の作品を仕上げるべく、全力の制作体制を整えることとなりました。
学生だけでなく、その学生のサポート・統括を行うのは、雑誌や広告など幅広く活躍する、イラストレーター兼NDS講師の小宮 貴一郎氏。
さらに、壁画制作指導として、NDSグラフィックデザイン科卒業生で、Adidasショップの壁画制作なども手がける、グラフィックアーティストのWOK22氏が務められることとなりました。
今回は、これまでの壁画や緞帳にも描かれている、きりん保育園・幼稚園のキャラクターを使って、「明るく」「楽しく」「元気いっぱい」をコンセプトに、NDSの学生からデザインを募集し、きりん保育園・幼稚園の園児、保護者、職員の投票によって、描かれる作品を決定した後に、制作に取り掛かることが決まっています。そして、現在はその投票期間中。
さて、どのようなデザインが選ばれ、そして無事に完成するのでしょうか。
今回はここまで。制作は2023年内での完成を目標としています。
PicoN!では、これからの制作の様子も、引き続き追い続けていきます!
九州校PicoN!編集部 佐藤
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