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【絵を上達させたい人必見!】そもそもデッサン 第2回 「家庭にある身近なモノを描いていきましょう!」

「絵を上達させたい!でも何から始めたらいいのかわからない…」

そんなアナタに向けた〝そもそもデッサン″。
第2回目のスタートです!

↓第1回目の記事はコチラ↓

第1回目のグレーグラデーションは、2Bの鉛筆だけで作成しましたが、みなさんやってみて、仕上がりはどうでしたか?
HB・2H・4Bといった硬さの違う鉛筆で同様に作成することでも、硬さの差でグラデーションの違いがあることに誰でも気づけます。ぜひ試してみてくださいね!
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
鉛筆の違いでもグラデーションが変わるならやってみたいです!
先生、今回はどんな内容ですか?
今回は、より具体的な形を描く内容に入ります。
原先生
原先生
編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
いよいよですね!どんなモチーフになるんでしょうか?
この〝そもデザ″ではご家庭にある身近な物をモチーフ(描く対象)にデッサンの習得を進めていきます。
今回は「ティッシュペーパーの箱」を描いてみましょう。
美術の授業や絵画教室でも立方体のデッサンは行われますが、一般的に白い石膏製の正六面体(サイコロの形)や直方体(サイコロが縦に伸びた形)などを用います。
原先生
原先生

また、デッサンをする際にカルトン(画板)とそれを立てるイーゼル(画架)も使用して描くのが一般的です。
原先生
原先生

編集部 ハマダ
編集部 ハマダ
学校で見たことありますが、こういった美術用品が自宅にある方は少ないですよね…。
そうですよね。そこで「直方体」のモチーフとして、このティッシュの箱を代用として描くわけです。
なので、箱にプリントされている模様や文字などは、見えていないつもりで今回無視してください。
原先生
原先生

 

↓ここから先の手順は動画でもわかりやすく解説しています!↓

前回作成の『グレーグラデーション』も活用しましょう!

 

と言うわけで、

ティッシュペーパーの箱をモチーフに長方体をデッサンしていきましょう。

 

【1本の鉛筆による『長方体』のデッサン】

◆『長方体』の描画に必要な用具

画用紙(白)…2枚
大きさはB4サイズ(うち1枚は下敷き用です)
表裏の確認をお忘れなく。ざらつき感の強い表(おもて)面に描きます。

鉛筆(2B)…1本
前回同様にしっかり芯を削り出しておきます。
デッサン途中で摩耗するので、その都度削りなおします。

消しゴムと練りゴム…それぞれ1個
今回から練りゴムも準備してください。

直定規(30㎝)…1本
画用紙のセンターを測かり、線引きに使用します。

マスキングテープ(18㎜幅)…1個
画用紙を固定させるのに使います。

先程のカルトン(画板)とそれを立てるイーゼル(画架)もあれば使いますが、ない場合には、
紙 or スチレン製のボード(5㎜厚)…A3サイズ1枚
画板の代わりにします。(これからも常に使用する物です)
イーゼルの代用は画用紙とボードが立て掛けられる動きにくいものを用意します。
最悪ない場合には、テーブルの手前側の縁に立て掛けても良いでしょう。

前回作成した「グレーグラデーション」

 

◆◇ ステップ1 ◆◇画用紙の中心を把握する

◯まず、今回も画用紙(B4)2枚(1枚は下敷き)を横位置にして、画用紙の縦幅と横幅を測った上で、そのセンター(上下左右の長さの半分)位置にメモリをふっておいて、垂直・水平線を引きます。
これで描こうとする位置の中心が視覚的に分かります。

 

◯モチーフ(ティッシュペーパー箱)をセットして画用紙とボード(画板)を机の端に立てかけます。(横位置)

【ポイント!】
①モチーフはやや斜めにおいて上面・正面・側面が見える位置に置こう。
②「アタリ線・アタリ」とは、大まかな見当で引く線・大まかな見当で描くこと。
③初期段階のデッサンは自信が無くて、無意識に小さくなりがちなので、気持ち大きめに描くつもりで。
④見えていない角につながる線(Back Line)も想像しながら引いてみる。
⑤構図(画用紙の中のモチーフの配置)として、上下・左右に変に片寄りが生じている事に気付いたら、その時点で勇気をもってやり直そう!

デッサンにやり直しはつきものです。

失敗を恐れず果敢にトライ、間違いに気づけばやり直す、これが上達への原動力!
間違いに気づけた時点で「眼が成長した」ことの証!

 

◆◇ ステップ2 ◆◇いよいよ描画!

鉛筆の持ち方は一旦テーブルの上に置いた鉛筆を利き手の指で持ち上げるように。
まず、モチーフを見ながら、長方体の輪郭のアタリ線を引いていきます。
その際にモチーフの影も含めての全体がセンターから左右上下にバランス良く入る様に意識しましょう。
そして小さくも大きくもなり過ぎないように!

まずは横方向にアタリ線を引いていきましょう。
その際に手前側に線との間隔幅をやや広くします。
モチーフの上面と正面、そして隠れた(見えない)角にアタリをつけて見えない線も引いてみましょう。

 

今度は縦方向のアタリを線で引きます。
そしてモチーフを見ながら、輪郭線の角度を修正しながら形を長方体の透視図(透けて見える形)にしていきます。
さらに長方体にあわせて、影の輪郭も入れましょう。

◉この段階(長方体と影の輪郭のアタリを引き終えた時点)で構図として、上下・左右に変に片寄りが生じている事に気付いたら、その時点で辺り線を消しゴムで消して、ステップ②の最初からやり直します。

長方体と影のアタリが引けたら、透視図の見えない部分の線は消しゴムで消します。
そして、描いた線の構図がおかしくない場合には、センターの垂直・水平線も消します。

 

◆◇ ステップ3 ◆◇3つの面にそれぞれ明暗の調子(トーン)を入れる

いよいよ前回のグレーグラデーションで作成した明暗の調子を応用していきますよ!

モチーフの長方体に2Bの鉛筆で陰影の調子を入れていきます。
鉛筆で斜めのタッチ(筆跡)で面を塗るように描きましょう。

”そもデザ”第1回で作成したグレーグラデーション

1)まずは正面(こちらを向いた面)に④・⑤番目の中間トーンを入れます。
2)次に上面(上を向いた面)にグレーグラデーションの淡い方から①~③番目の淡い調子(トーン)を描き入れ、
3)残る側面に⑥~⑧番目のトーンを均等に描き入れてみます。
※トーン(調子)はあくまで、参考です。明暗のトーンの感覚は個人差があるので、幅をもたせています。

アタリの線を多少タッチがはみ出しても大丈夫。後で消しゴムなどで補正します。

 

◆◇ ステップ4 ◆◇影にも明暗の調子のアタリ(トーン)を入れる

グレーグラデーションの濃い方から2番目くらいのトーンで影を描きます。
まずはここまでがベースとなる下描きになります。

 

◆◇ ステップ5 ◆◇さらにモチーフを観察しながら、濃淡の調子の変化を使って微妙な変化を描いていく

◯直方体のテーブルに接する部分の影の調子を濃くしていく。
◯上面と正面が接している角の正面部分の調子を濃くしていく。
こうした描画の際には、鉛筆の斜めのタッチ(筆跡)の方向を変えましょう。
またここは輪郭からタッチがはみ出さないように!

◆◇ ステップ6 ◆◇ここからデッサンを整えていく

はみ出したタッチとアタリの輪郭を合わせて消していきます。
長方体の上面のアタリ輪郭の線に下敷き用の紙を当てて、消しゴムではみ出したタッチ、アタリの輪郭を消します。
また、他の輪郭部分のはみ出しも同様に消しましょう。

◉アタリの輪郭線を消してしまっても、明暗さで輪郭が表現されることが分かりますね。

そう、デッサンは線で形を描くのではなく、明暗の差で輪郭を描くものであることを理解してください。
影のタッチも同様に余分な部分は消していきます。

 

さあ、仕上げていきます。長方体の面が変わる角(エッジ)の陰影を濃くしていきます。
角度の変化をさらに強調します。
重複した影があるなら、それも描き入れましょう。
※これはモチーフと照明との関係で異なります。

今回はこれで完成です!
いかがでしたか?

すっきりとした長方体を描けましたでしょうか。
今回のデッサンは、お試し描画です。「試運転」ですから一旦時間を空けて、最初から繰り返してみましょう。
デッサンは納得する仕上がりはなかなか得られないものです。その心構えが大切です。
下敷きの画用紙を利用してトライしてみてください。

次回は『円柱形』を描いていきましょう!

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