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紙の製造工程が家で見られる!?大和板紙株式会社のオンライン工場見学に参加してみた

本、パッケージ、パンフレット、封筒、ノート、タグ……。身の周りを見渡すと、さまざまな紙製品が日常を彩ってくれています。 ペーパーレス化が叫ばれて久しいですが、紙はまだまだクリエイターにとって欠かせない素材の1つ。特にデザインやイラストに携わるクリエイターの皆さんは、作品に応じて最適な紙を選んだり、紙を使った表現の引き出しを増やしたりするためにも、紙という素材への理解を深めておいて損はありません。 今回は、数ある紙の種類の1つ「板紙」を製造している大阪の企業、大和板紙株式会社がオンラインで工場見学会を実施していると知り、参加してみました! 普段見ることのできない製紙工場の内部を見られるだけでなく、紙の成り立ちについて学べる大充実の見学でした。 内容をレポートしますので、興味が湧いた方はぜひ参加してみてくださいね。 文/ヤグチサトコ(ライター/ペーパーアドバイザー) 大和板紙株式会社とは? [caption id="attachment_22817" align="alignnone" width="750"] ※出典:大和板紙株式会社HP[/caption] 大阪府柏原市にある、創業70年以上の歴史を持つ製紙会社です。 「板紙(いたがみ)」と呼ばれる厚い紙を製造されています。 大和板紙の特徴は大きく2つ。 1つ目は、カラフルな板紙や樹皮を混ぜ込んだ板紙など、さまざまな特徴を持つユニークな紙を開発・製造されていること。 2つ目は、ほとんどの製品が古紙配合率70%以上の再生紙であること。他の製紙メーカーでは扱うことが難しい牛乳パックや酒パックといった難処理古紙を積極的に使用しているそうです。 大和板紙の板紙はデザイナーからの人気が高く、並製本の表紙やお菓子のパッケージなど、さまざまな紙モノで採用されています。 もしかしたら、知らないうちに手に取ったことがあるかも!? オンライン工場見学の参加方法 大和板紙のオンライン工場見学は、月に1回開催されています。Zoomが使えれば誰でも参加OK!参加費もかかりません。 下記のページから必要事項を記入してフォームを送信すれば、前日までに申し込んだメールアドレス宛にZoomのURLが届きます。 https://daiwaitagami.com/company/factory-tour/ 当日はカメラオフで参加できますので、顔を出す必要はありません。あくまでも気軽に、参加のハードルを低くしていただいているところがありがたいですね。 オンライン工場見学レポート それでは、工場見学の様子をレポートしていきます! 事前説明 当日はメールアドレスに届いたURLをクリックして、入室します。定刻になるとお話がはじまり、まずは事前説明として企業理念や大和板紙の特徴についてお話くださいました。 司会の方のわかりやすい説明を「ふむふむ」と聞いていると、なんと参加型のクイズがスタート! 次のうち、大和板紙で再生が難しい紙はどれでしょう? A:缶ビールの6本セットの包み紙 B:紙コップ C:養生シート 参加者はチャット機能を使って回答します。 筆者はなんと、正解できました!まぐれですが……。 読者の皆様はA・B・Cのどれが正解だと思いますか? 答えが知りたい方は、ぜひオンライン工場見学に参加して、確かめてみてくださいね。 続いては設備の概要と古紙から板紙ができるまでの工程の解説です。 実は、紙の作り方には2種類あり、「単層抄き」と呼ばれる1枚の層で作る方法と、いくつもの層を重ねて作る「多層抄き」があります。板紙はほとんどが多層抄きで作られ、大和板紙の製品も多層抄きです。大和板紙には抄紙機(紙を作る機械)が2台あり、1号機は8層、2号機は9層の紙を作っているそうです。 (※事情により本記事には掲載できませんでしたが、見学中はスライドを見ながら、視覚的にもわかりやすく解説していただきました。) そして原料を仕入れてから板紙ができるまでの工程を、イラストを交えながら解説していただきました。「パルパー」「チェスト」「ピーター」「プレス」……などなど様々な機材を経由しながら原料がだんだんと加工されていき、板紙として完成されていきます。 知らない機械の名前がたくさん並んでいて、「ついていけないのでは……?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、見学では1つ1つの機械について、どういう作業を行うものなのかを丁寧に説明してくださいます。知識がなくても置いてきぼりにされることはありません。わからないことがあれば、その場でチャットを使って質問することも可能です。 もちろん機械の名前まで覚える必要はなく、「こんな風に紙が作られているのか」というのを体感するだけでも十分、紙に対する解像度が上がると思います。 手すき実験 工程の解説の後は、工場の方による手すき実演が始まりました。 なんとリアルタイムで新聞紙から再生紙を作ってくださいます! 実際の機械のどの部分に該当する工程なのかを丁寧に説明しながら作ってくださったので、先ほどの事前説明で聞いた内容の復習ができました。 いよいよ工場内へ! カメラが工場内へと切り替わり、工場見学のスタートです! 今回、作られていたのは「DKホワイトF」という板紙。飲料容器古紙を使用し、ナチュラルな雰囲気が魅力の白い紙です。 まずは、パルパーという紙を溶かす機械に原料であるお酒パックが投入されていきます。今回は約500㎏の古紙を投入したとおっしゃっていました。このあと約1時間にわたり、機械の中で古紙の繊維がほぐされます。 ほぐされた繊維は、パルパーの底にある直径7㎜の穴の中から次のチェストと呼ばれるタンクの中に送られ、異物除去装置などの機械を通って、約3時間後に紙になって出てきます。そしてこの大きな機械が紙を作るメインの機械、抄紙機です。 左が1号機、右が2号機です。 基本的には同じ構造ですが、バットと呼ばれる紙の層を作るための原料が入っている入れ物が1号機は8個、2号機は9個ついています。1つ多く層を作れる分、2号機の方が厚い紙を作ることができます。 バットの中にはワイヤーシリンダーと呼ばれる円柱状の網が入っていて、回転しながら原料をすくいあげ、シート状にします。その後、シートは表面張力を利用してベルト状の毛布に張り付けられ、次の工程に進みます。ワイヤーシリンダーが回転している様子は、事前に撮影された動画で見せてくださいました。   次は、プレス工程と呼ばれる水を絞る工程です。 バット層で作られた直後の紙は水分率が約90%もありますが、プレス工程で圧をかけて水分を絞り、最終的には約55%まで下げられます。 続いては乾燥(ドライヤー)工程です。 上下交互並んだ蒸気の入ったドライヤーシリンダーに沿わせながら紙のシートを乾燥させます。 ドライヤー工程が終わると、普段私たちが触っている紙の水分率である約7%にまで下がっています。 ドライヤーから出た紙は、表面がボコボコで、ざらざらしています。そこで、紙の厚みを均一にし、印刷適性を上げるためにカレンダーと呼ばれる工程に進みます。カレンダー工程は、紙にアイロンをかけるようなもの。たくさん並んだロールの間を通って下から出ていく間に、紙がフラットになります。 その後は検知器で異物がないかをチェック。 検知器で異物ありと判断された紙は次の紙をカットする工程で弾かれますが、弾かれた紙は最初のパルパーに運ばれ、別の紙の原料として再利用されます。 このように大和板紙では、資源を無駄にしないシステムが構築されており、他にも工場内の水をリサイクルしながら効率良く循環させたり、紙にできなかった部分も燃料としてリサイクルされているそうですよ。 カットされた紙はその後、製品として包装されて完成です。 質問コーナー 最後に質問コーナーがありました。 チャット機能を使って質問すると、工場の方が1つ1つ丁寧に答えてくださいます。 筆者もいくつか質問させていただきました。他の参加者の方の質問も勉強になるものばかりで、とても有意義な時間でした。 最後に 以上、大和板紙株式会社のオンライン工場見学レポートでした。 オンライン工場見学に参加してみて、私たちの手元にある紙はたくさんの工程を経て作られているものなのだと改めて実感しました。 ただなんとなく紙を使うのではなく、素材としての紙について深く知った上で使うと、クリエイティブの質も一段と上がるのではないでしょうか。 オンライン工場見学はその一助になると思います。 誰でも無料で参加できますので、ぜひ参加してみてください! ちなみに、大和板紙では現地での工場見学も随時受け付けされているそうです。興味がある方はそちらもチェックしてみてくださいね。 大和板紙株式会社HP:https://daiwaitagami.com/ 工場見学申し込みページ:https://daiwaitagami.com/company/factory-tour/ X:@daiwaitagami Instagram:@daiwaitagami_book @_daiwaitagami_factory ヤグチサトコ ライター/ペーパーアドバイザー(紙のご相談にのります)。 紙の専門商社に約8年勤務後、インハウスのWebディレクターに転職、その後ライターに。 好きな紙はアラベール。趣味はカメラと美術館めぐり。 note X

デザイン

【連載】時代を写した写真家100人の肖像 No.37 日本社会の”典型”を探る 土田ヒロミ『砂を数える』 鳥原学

「個人」が集まると「集団」になり、さらに膨れ上がると「群衆」になる。群衆心理という言葉があるように、個人のとはほぼ別の性格を帯び行動スタイルも変わる。だからこそ観察しなければ見えないことがある。土田ヒロミの『砂を数える』は、高度経済成長を経て貌を変えた都市とその郊外で出会う群衆に典型を見出した作品である。   明るさの中の「巨大な闇」 言語感覚が鋭いと言うべきか、土田ヒロミはタイトルをつけるのが相当に上手い写真家だと思う。都会に対する違和感を主観的に表現したデビュー作の「自閉空間」(1971年)、日本人の民族的な卑俗さを見つめた『俗神』(オットー・ブックス)、なかでも秀逸なのが1990年に出版された『砂を数える』(冬青社)だ。どの写真も画面いっぱいに膨大な人々、 つまり「群衆」が写されている。そのヴィジュアルをじっと眺めていると、まさにこのタイトルしかあり得ないという気持ちになっていく。 土田がこのシリーズに取り組んだのは、1976年から89年にかけてで、撮影地は都市とその近郊で催されるさまざまなイベントやセレモニー、あるいはレジャー施設などである。それも最も人が多く集まる時期を選んでいるのが分かる。 この撮影にあたって土田が心がけていたのは、ふたつのことだった。ひとつは、全体が均質に見えるように画面に中心を持たせないこと。加えて、その画面から具体的な場所や目的が読み取れるような記号を排除することで、その狙いは次のような点にあったと語っている。 「非日常での庶民の顔がそこには写っているわけだけれど、そのハレの記号を消すことでハレとケの境い目に写真を追い込んだ。なおかつ、そこにハレの顔をもった人、モノが存在している。その存在感にどう写真で迫れるか」 つまり、日本人が群衆と化したときの典型を視覚的につかもうとしたのだ。このテーマ性は土田の代表作である本作や『俗神』、あるいは『ヒロシマ』シリーズなどにも共通している。一貫してかなり深い部分を見通した、写真による日本文化論を作ろうとしていたのだ。 「土田さんの写真は、私たちの意識を超え、私たち自身の肉と精神とをひそかにかたどっているなにものかを、まるで掘りかえされた木の根のように見せようとしている。このなにかは無意識というような言葉では覆い尽くすことはできない」 評論家の多木浩二は土田の仕事をこう評し、作品を見た人は「私たちが属している巨大な闇のようなものにじかに触れはじめる」と続けている。 現代的な都市生活において、この巨大な闇は、政治的なイベントや公的な儀礼の場所など、大規模で非日常的な空間にこそ浮かび上がるもののようだ。ところが不思議なことに、イベントの目的が解説されてしまうと、見る側の想像力は萎えていくものらしい。それを避けるために土田は、撮影対象についての情報、どんな目的のイベントなのかを理解する手掛かりを意図的に画面から排除している。 それでもなお、集った人々の服装や世代といった共通項から、イベントの種類を察することはできる。たとえばお祭りや初詣、花見、メーデー、原爆忌、マラソン大会などは経験的に読み取り易い。持ち物で分かるケースもある。揃いの帽子をかぶり、一眼レフを手にした集団となれば、アマチュア写真団体の撮影会に違いない。 見ただけで状況がわからないのは、たとえば写真集の84ページと85ページの見開きに並んだ2枚の写真。どちらも雨模様の冬の日、ロープが張られた広場に並んだ人々を捉えている。集っている人々は中高年が多く、みな険しい表情をしている。中には手を合わせ、ひれ伏す者さえいる。 そこで写真に小さく付された1989年という撮影年と、千代田という地名を見て、やっとこの状況が飲み込める。そう、これは昭和天皇の大喪の礼。そのときの皇居前広場の風景なのだ。土田はここに集った人々を目にしたときが、撮影中で最も刺激的で「さがしていた群れに出会えたと思った」のだと写真集のあとがきで述べている。昭和天皇の死は、まさに日本の歴史の底にある「巨大な闇のようなもの」を突然、顕在化させたできごとであったのだ。土田だけでなく、きっと昭和を生きた多くの日本人にとって。     都市への脱出 土田ヒロミは1939年、福井県の南条郡堺村 (現・南越前町)で生まれた。二十数戸程度の小さな農村だったが、国鉄でSLの機関士を務めていた父は、進取の気風のある人だったと言う。ラジオを買ったのもスキーを始めたのも村で最も早く、英語も独習していた。一方、母は田畑を耕しながらしっかり子どもたちを育ててくれた。 土田の家族関係で重要なのは、彼自身が一卵性の双生児の弟だったことだ。幼いころ、兄とはいつも2人で過ごす蜜月の関係だったが、成長すると周囲の目が気になり、親密さは一種のコンプレックスに転化した。双子ゆえに「自立意識の希薄なところ。何か依存しあっているところがある」と語っている。 そんな土田は絵が好きだったが、親の勧めに従い、地元の福井大学工学部で化学を専攻している。もちろん入学してしまえば、こっちのものではある。在学中は当時の前衛美術を牽引していた抽象画に惹かれたが、絵筆の代わりにと、カメラを手にした。このころ憧れた写真家は、より映像的な表現で注目を浴びていた若手、奈良原一高や細江英公だった。 4年生になると、工場の解体現場などをモチーフにしたグラフィカルな作品「KU」で最初の個展を開き、また同作で初めて写真雑誌の口絵を飾っている。この初期作品から見えてくるのは、モダニズムや都市文化への憧れだろう。それは古い地縁と血縁の縛りが強い地元ではなく、都会で可能性を広げてゆきたいという願望の投影のように思われる。当然、作品が評価されると、土田は写真家を志向するようになった。投函しなかったが、細江宛に弟子入り志願の手紙を書いたこともあったという。 しかし都会への憧れと親の期待は両立しない。その葛藤のなかで、就職先として化粧品会社の研究員を選んだのは、よく考えたうえでの現実的な選択だった。入社2年目には東京勤務が約束されていたからである。実際、1964年に土田は東京の研究所に異動になった。担当は新製品の開発という仕事で、わりと時間的な余裕があったらしい。土田は週に2回、東京綜合写真専門学校の夜間の研究科へ通うことに決めたのである。その入学時の面接で、これまで撮っていた作品を見せたところ「そんなものは写真じゃない」と手厳しく否定された。そう言い放ったのは、校長で写真評論家の重森弘淹だった。 入学後、その重森に教えられたのは、写真はグラフィカルな表現に収まらない可能性を持っているということだった。カメラは人の視覚では捉えられないもの、見落としていたものをも写しとる装置であり、写真の表現とはその描写能力によってそれを見出すものである。だからこそ、写真家は「日常の中に非日常を見る」ことが大切だという言葉に、土田は強い感銘を受けた。     日本人の深層 平日は会社に勤めつつも、土田は精力的に写真を撮った。そして先鋭的な写真雑誌だった『カメラ時代』(写真同人社)の新人賞を獲得したり、『カメラ毎日』(毎日新聞社)のグラビアに登場したりと、少しずつ名前が知られていった。このころ撮っていた作品のテーマは、モダンな都市生活の中で彼自身が覚えた疎外感だった。ただその表現はまだまだ、‶よそゆき″の服を着ているように見えるものだったと振り返っている。 だが1969年を境に、土田の写真は変化を見せる。この年から撮り始めた浅草の写真には、三社祭で爆発する下町のエネルギーとその賑わいに馴染めない自己嫌悪の感情が、画面全体に滲んだトーンによって表明されている。あまりに率直に自身の内面を晒したこの作品に、土田は「自閉空間」というタイトルを付けたのである。 同年の『カメラ毎日』7月号に掲載された「田楽の日」もまた、転機を感じさせる2枚組の作品だった。これは愛知県の山村、一色黒沢集落の小正月の行事で撮影されたもので、境内の裏山で酒宴に興じる中高年の男女を捉えた1枚が、ことのほか強い印象を与えた。まるで19世紀フランスの画家エドヴァール・マネの「草上の昼食」を思わせる構図である。この絵画は不道徳とされたことで知られるが、土田の写真はより土俗的で猥褻、しかし同時に奇妙な朗らかさがあった。そこには、素性や体質として自身にも染み込んでいながら否定しようとしてきたものが、はっきり表れていた。 開き直るように自分と正面から向き合った土田は、2年後の1971年4月、ついに会社を辞め、写真家として独立を果たした。その直後に「自閉空間」で、若手写真家の登竜門だった太陽賞の受賞を知らされたのは、彼にとって良い追い風になった。 翌年、土田は『カメラ毎日』誌に隔月で連載をする機会を得た。「田楽の日」の世界を広げ、高野山、与那国島、伊勢など日本各地の宗教的な空間と、そこに集う善男善女をスナップした「絆」シリーズである。この連載が注目を集めたのは、まるで戦前にでも撮られた風俗写真にも似た、一見すると古めかしく、同時に懐かしい調子があったからである。 この「絆」シリーズの延長線上に、1976年に出版した初の写真集『俗神』がある。「俗神」とは本書に寄稿した、 農民詩家の松永伍一の造語である。文中で松永は「聖は一転すれば俗になる。俗はつきつめていくと聖になる」と語り、また人のエネルギーは神聖さと猥褻なまでの俗っぽさが渾然一体となるほど強まるとした。つまりこの状態で生きるものが俗神であり、土田の写真の独特なトーンは、その存在感を見る人の生理に直接訴えるものだった。 そして『俗神』が終わった後、土田は都市をテーマにした作品に取り組み始める。そのひとつが『砂を数える』なのだが、ここで作品の雰囲気はまたまた大きく変化する。これまでの湿度の高さが画面から消え、冒頭で触れたようなフラットさと、突き放した視線でもって都市の群衆を見つめているのだ。 それはすっかり東京での生活が長くなった自分を確認するため、また砂粒のような個人の集積である、都市の群衆を客観的に見るために選んだ手法であった。 土田はいつも世相の変化に敏感に反応してテーマを広げ、それに応じてアプローチも変えつつ、日本人の深層と何かを問いかける。『俗神』の粗いトーンが都市への人口流入が進んだ時代のメンタリティを表しているとすれば、この『砂を数える』のフラットさも安定成長期の気分を伝えているのである。 付け加えれば、2005年に出版された『新・砂を数える』での群衆との距離はさらに遠ざかっている。また画像ソフトで非現実的な色彩に加工し、群衆の中にこっそりと土田自身の姿も滑りこませている。21世紀に入って顕著になった、現実とイメージの逆転や、写真の真実性のゆらぎをここでは問いかけたのである。そして、そのフィクショナルな画像からはやはり「巨大な闇のようなもの」が、以前とは違った形をともなって浮かんでいるのである。     土田ヒロミ(つちだ・ひろみ) 1939年福井県生まれ。1963年、福井大学工学部卒業。ポーラ化粧品本舗を経てフリーに。1971年~1996年、東京綜合写真専門学校で教鞭を執る。主な作品集に『俗神』『ヒロシマ』『宴:Party』『ヒロシマ・モニュメントⅡ』『ヒロシマ・コレクション』『砂を数える』『新・砂を数える』『BERLIN』『FUKUSHIMA 2011―2017』がある。土門拳賞、太陽賞、伊奈信男賞など受賞多数。 参考文献 加藤哲郎『昭和の写真家』(晶文社 1990年) 「土田ヒロミ 引き算写真を駆使して撮リきる 「砂の数」」 『アサヒカメラ』(朝日新聞社) 1978年1月号 多木浩二 「イメージの劇場9 見えること見えないこと 土田ヒロミの「パーティ」について」 『カメラ毎日』(毎日新聞社) 1978年5月号 土田ヒロミ「砂を数える」、西井一夫「人物スポット「俗神をふり切る 土田ヒロミ」」 プロジェクト・オムニ編『25人の20代の写真 ヤングボートフォリオ 開館記念企画展』図録(清里フォトアートミュージアム 1995年) 土田ヒロミ「私の20代」 関連記事 [clink url="https://picon.fun/photo/20250207/"] [clink url="https://picon.fun/photo/20250307/"] 文・写真評論家 鳥原学 NPI講師。1965年大阪府生まれ。近畿大学卒業。フリーの執筆者・写真評論家。写真雑誌や美術史に寄稿するほか、ワークショップや展示の企画などを手掛ける。2017年日本写真協会学芸賞受賞。著書に『時代を写した写真家100人の肖像』、『写真のなかの「わたし」:ポートレイトの歴史を読む』、『日本写真史』など多数。 鳥原学 時代を写した写真家100人の肖像 上・下巻(玄光社/定価2500円+税)より   ↓PicoN!アプリインストールはこちら

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カルチャーが生まれる街・渋谷の最前線「DIG SHIBUYA 2025」レポート

アートとテクノロジーの祭典「DIG SHIBUYA 2025」。2025年2月8日〜11日の4日間にわたり、渋谷を舞台に開催されました。 世界中のアーティストに公共空間や商業施設を開放し、実験的な取り組みを展開した本イベント。 会場を訪れた筆者が、クリエイティブテックの最前線をレポートします。 また、オープンなマインドでコミュニティを形成している点も、このイベントの魅力です。 今回は、「DIG SHIBUYA 2025」のPRを担当されている寺西藍子さんにお話を伺い、企画の背景や今後のビジョンをお聞きしました。 この記事では、「DIG SHIBUYA 2025」のオープンでグローバルな考え方をお伝えするとともに、アーティストとスタートアップによるクリエイティビティの数々をご紹介します。 世界から注目される渋谷でどんなカルチャーが生まれているのか、ぜひご覧ください。 (トップ画像キャプション:「DIG SHIBUYA 2025 presents: Shibuya Crossing Night Art」画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会) 多様性からカルチャーが生まれる街 [caption id="attachment_23461" align="alignnone" width="2000"] 「パイナップル・スクランブル by 大平龍一」渋谷公園通りで食事や交流を楽しむ人々の様子(画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会)[/caption] 2024年にスタートし、今年で2年目を迎えた「DIG SHIBUYA」。アートとテクノロジーを掛け合わせている点が非常にユニークですが、どのようなプロセスを経てイベントが作られたのでしょうか。企画の背景について、寺西さんに伺いました。 渋谷の文化的資産に着目 企画の発端となったのは、新型コロナウイルスの影響を受けたエンターテイメント施設のリサーチだったそうです。渋谷ではナイトタイムエコノミーが活発ですが、コロナ禍で閉鎖せざるを得ない店舗が相当数に上りました。 そこで、渋谷区の担当部署で調査したところ、カルチャーを生み出しているスポットが170ヶ所もあると分かりました。そのため、「そうしたベニュー(※行事または活動の現場のこと)を文化的資産と捉えて、街に活気を取り戻せないかと考えた」と言います。 また、渋谷区ではスタートアップの支援に力を入れており、ここ数年、海外から「渋谷で起業したい」という声が多く寄せられているそうです。その理由を尋ねたところ、多数のスタートアップが「渋谷にはカルチャーがあるから」と答えたとのこと。 そうした声を聞いて浮かんだのが、渋谷のカルチャーを広く発信して、世界中の人々にこの街に来てもらおうというアイデアでした。その後、人と人が出会って刺激を受けるようなイベントを企画しようという話に発展していきました。 テック系のスタートアップとアートの融合 イベントを企画するにあたり、渋谷で活動するテック系のスタートアップに焦点を当てることになりました。日本のスタートアップが自国に収まるのではなく、視野を広げて成長するためには、グローバルな視点をもつ海外の人たちと交流し、お互いに刺激し合うことがとても重要だと言われています。 渋谷区は「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を基本構想とし、ダイバーシティを推進しています。異なる背景を持つ人々が交流する様子を見てきた寺西さんは、「多様性からカルチャーが生まれる渋谷の特性を、街に実装できないかと考えました」と話してくださいました。 加えて、起業家とアーティストの思想に共通点を見出したそうです。「『この街がこうなったらもっと良くなる』という理想の世界を描き、実現する方法を探る姿勢が似ていると感じます」と寺西さん。 そこで、XRやAI、Web3などのテクノロジーとアートを掛け合わせたプロジェクトにフォーカスし、テック系のスタートアップやアーティストの活動をショーケースする「DIG SHIBUYA」の企画が始動しました。 新たなカルチャーを育む土壌作り さらに、「DIG SHIBUYA」は、当初から新たなカルチャーを育む土壌作りも進めてきました。 テクノロジー、アート、カルチャー分野におけるオリジナルの展示企画やイベント企画を毎年募集し、チャレンジャーに発表の機会を提供しています。この公募制度により、国内外の起業家やアーティストが、革新的なアイデアを形にする実験場としてプロジェクトを行うことで、さらなる飛躍を遂げるチャンスになるのです。 加えて、本イベントを運営するSHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会が、スペースの無償提供や広報PRのサポートなど、バックアップ体制を整えているのも魅力的です。このように、新たなカルチャーが生まれる場を形成し、「渋谷の特性を街に実装する」という目標に向けて計画が進んでいきました。 「DIG SHIBUYA 2025」レポート [caption id="attachment_23464" align="alignnone" width="2000"] ハチ公前広場 DIG SHIBUYA サイン(画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会)[/caption] 多様性からカルチャーが生まれる街という特徴に注目して企画された「DIG SHIBUYA」。 ここでは、「DIG SHIBUYA 2025」のレポートを通して、各スポットでどのような作品が展開されたのかご紹介します。 渋谷区立北谷公園 [caption id="attachment_23465" align="alignnone" width="2000"] 渋谷区立北谷公園 入り口[/caption] 渋谷区立北谷公園は、人々の交流や発信を促すスポットで、イベントスペースとカフェが併設されています。この会場で行われた展示やイベントを3つご紹介します。 パイナップル・スクランブル by 大平龍一 [caption id="attachment_23466" align="alignnone" width="2000"] 「パイナップル・スクランブル by 大平龍一」(画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会)[/caption] 彫刻家・大平龍一によるプロジェクト「パイナップル・スクランブル by 大平龍一」。彼が魅了され続ける「パイナップル」をモチーフにした大きな彫刻作品が、まちなかに登場しました。この彫刻は、神南小学校の子どもたちとアクションペインティングの手法で彩色したもので、パイナップルの山車「移動する彫刻」として制作されました。 また、2月9日には、渋谷公園通りを交通規制して、道路のあちこちに「移動する彫刻」を出現させ、イベントや特別ライブなどを行ったそうです。来場者がライブやキッチンカーでの食事を楽しみ、散策して彫刻に出会うというシチュエーションは、まさにカルチャーが生まれる瞬間だったと言えるでしょう。 TYO「DO the XR(Shibuya XR festival)」 [caption id="attachment_23467" align="alignnone" width="2000"] TYO「DO the XR(Shibuya XR festival)」「舞踏石井組」の舞踏[/caption] TYOは、広告映像を中心としたコミュニケーションコンテンツの戦略立案・企画・制作を手掛けるプロデュースカンパニーです。 今回のイベントでは、「DIG SHIBUYA」の公募団体として採択され、XRカルチャーフェスティバル「DO the XR(Shibuya XR festival)」を開催しました。XRテクノロジーの技術を活用し、様々なジャンルのアーティストを、デバイスを通して公園に出現させました。 タブレットを利用すると、現実の風景にアーティストが登場し、間近でパフォーマンスを鑑賞できます。また、VRデバイスとヘッドホンを装着し、よりリアルな体験ができるコーナーも。 実際に試したところ、どの角度から見ても動きが滑らかで、目の前にアーティストがいるかのようなダイナミックさに圧倒されました。 現実とバーチャル空間が混ざり合った新鮮な体験でした。 SHIBUYA PARK MUSIC Silent Live [caption id="attachment_23468" align="alignnone" width="2000"] 「SHIBUYA PARK MUSIC Silent Live」[/caption] 渋谷の公園で行うアーティスト応援プロジェクト「SHIBUYA PARK MUSIC」。公園で自由に演奏したり、気軽にライブを楽しんだりできる場を創出しています。 今回の「Silent Live」は、ライブをヘッドホンで聴くユニークなイベントです。観客がヘッドホンで没入感を味わえるとともに、近隣の環境に配慮することで、都市と音楽が共存できるという取り組みです。 筆者も体験しましたが、音質が非常にクリアで、アーティストの息遣いまで聞こえるため、配信される楽曲を聴くのとはまったく異なる感覚でした。パフォーマンスを見ながらじっくりと音楽に耳を傾けられるので、ライブを独り占めしているような贅沢なイベントでした。 SLOTH JINNAN [caption id="attachment_23469" align="alignnone" width="2000"] SLOTH JINNAN 入り口[/caption] 次にご紹介するSLOTH JINNANは、「クリエイティブな日常を共につくる」がコンセプトのコワーキングサロンで、ギャラリーや多目的スペース、バーなどが併設されています。人々が交流する場を作り出しているのが特徴です。 ここでは、AIの技術を活用した作品を2つご紹介します。 Florian Zumbrunn with Jetski「Odysseys」 [caption id="attachment_23470" align="alignnone" width="2000"] Florian Zumbrunn with Jetski「Odysseys」[/caption] マルチメディアアーティストのFlorian Zumbrunnと、元Googleのクリエイティブ3人で立ち上げたクリエイティブ集団Jetskiによる作品「Odysseys」。Zumbrunnは、ジェネラティブアートや絵画・印刷の手法を駆使して、デジタルとアナログを横断する作品を制作しています。 ジェネラティブアートとは、コンピューターのアルゴリズムを利用して生成する作品のことです。また、データを学習させたジェネレーティブAIを活用すると、予測不可能な結果が生まれるのがユニークな点です。 繊細なモザイク画のように見える「Odysseys」は、ルールと偶然性、そしてアナログを融合させて、新しさと「慣れ親しんだ絵画を見ている安心感」を同時に生み出していると感じました。 NFFT「NFFT2025」 [caption id="attachment_23471" align="alignnone" width="2000"] NFFT「NFFT2025」(画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会)[/caption] NFFT(New Future AI Fashion Technology )は、世界で活躍するAIクリエイターの最新ファッション作品を集め、Digital AI Fashion Movie 展を開催するプロジェクトです。 会場では、AI Prompt DirectorやAI Filmmakerが手がけた、世界トップレベルのAIファッションMovie 作品が公開されました。 “Regeneration”をテーマに、32名のクリエイターが創作した作品の数々。彼らの美意識から生まれた世界観が、生成AIによってリアルに立ち上がる様子は圧巻です。 また、モデルや風景、音楽に至るまで、すべて生成AIの技術を使って制作されたそうです。映像の中のファッションやビジョンが現実に変わっていくような感覚を味わいました。 勤労福祉会館 [caption id="attachment_23473" align="alignnone" width="2000"] 勤労福祉会館[/caption] 筆者が次に訪れた勤労福祉会館は、渋谷区で働く人の学びや福祉を向上させるための施設です。スポーツやサークル活動をしたり、コワーキングスペースを利用したりできます。 ここでは、仮想空間に焦点を当てた映像作品を2つご紹介します。 XRT「Around The Corner」 [caption id="attachment_23474" align="alignnone" width="2000"] XRT「Around The Corner」(画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会)[/caption] XRTの「Around The Corner」は、集合的記憶が作られていく様子をビジュアル化した作品です。 1970年代の香港の公共住宅を舞台にデジタル空間を再構築し、当時の住民と観客がバーチャルで交流することで、記憶を形成します。 当時の風景は失われつつあるそうですが、仮想空間では時間の概念を超えて人々がつながりを持てるのです。 大きなスクリーンに投影された映像を前にすると、過去と現在の境界が薄れていき、自分も記憶の一部だという感覚になりました。 サイバー南無南無「サイバー南無南無@渋谷」 [caption id="attachment_23475" align="alignnone" width="2000"] サイバー南無南無「サイバー南無南無@渋谷」(画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会)[/caption] サイバー南無南無は、仏教とテクノロジーアートが融合する体験を生み出すクリエイターグループです。 「サイバー南無南無@渋谷」では、テクノミュージックにアレンジされた読経と、立方体を組み合わせて作られたボクセルアートで、独自の世界を出現させました。 仏教の荘厳さとテクノロジーアートのポップさという異色のコラボレーションが魅力的で、思わず見入ってしまいます。 渋谷は都会のイメージがありますが、仏教の寺院や施設も多く存在します。街の背景にある文化を思い起こし、現代に重ねる試みでもあると感じました。 MIYASHITA PARK [caption id="attachment_23476" align="alignnone" width="2000"] MIYASHITA PARK 宮下公園北バイク駐車場(画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会)[/caption] 最後にご紹介するのは、MIYASHITA PARKです。MIYASHITA PARKは、公園やショップ、ホテルなど、人々の憩いの場やカルチャーに触れられる施設が充実しています。 そんなMIYASHITA PARKの地下で、NEORT株式会社による「 BYOD² – BRING YOUR OWN DATA & DISPLAY」という展覧会が開催されました。 ここでは、宮下公園北バイク駐車場で行われた展示の様子をお届けします。 NEORT「 BYOD² – BRING YOUR OWN DATA & DISPLAY」 [caption id="attachment_23477" align="alignnone" width="2000"] NEORT「 BYOD² – BRING YOUR OWN DATA & DISPLAY」[/caption] NEORT株式会社は、デジタルテクノロジーを駆使した新しいアートのためのプラットフォームを運営する組織です。 「 BYOD² – BRING YOUR OWN DATA & DISPLAY」は、誰もが自由にデジタル作品をアップロードしたり、作品を投影する機器を持ち込んだりできる、オープンな展覧会です。世界中から集まった作品がモニターにランダムに映し出され、刻々と変化していきます。暗闇の中で無数の作品に囲まれていると、渋谷のスクランブル交差点に佇んでいるような感覚になりました。 開かれた場でクリエイティビティが重なり合い、多様性からカルチャーが生まれる渋谷を体現していると感じる展示でした。 グローバルでオープンなコミュニティ [caption id="attachment_23478" align="alignnone" width="2000"] 「DIG SHIBUYA 2025 オープニングイベント& ミートアップ」の様子(画像提供:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会)[/caption] ここまで、「DIG SHIBUYA 2025」で展開された様々なプロジェクトをご紹介してきました。 本イベントを通して見えてきたのは、誰もが積極的に関われるオープンな考え方です。 来場者が単に作品を鑑賞するのではなく、インタラクティブな展示を楽しんだり、会場にいるアーティストと話したりと、コミュニケーションに重きを置いたイベントだと感じました。 寺西さんは、「『DIG SHIBUYA』にWeb3のマインドを取り入れ、オープンにすることを目指しています」と話します。Web3とは分散型インターネットの概念で、組織がデータを管理する中央集権型ではなく、ユーザーがデータを管理して分散させるのが特徴。誰かがルールを決めるのではなく、色々な人とコミュニケーションしながら決定していくWeb3の考え方は、渋谷の特性と共通しています。 また、「DIG SHIBUYA」のオープンなマインドは、海外のアーティストが参加するきっかけにもなっていると言えます。今回の公募プロジェクトに応募したグループのおよそ半数が、海外の団体だったそうです。 前回は日本の団体が多くを占めていたため、「グローバル化が進んできたと感じます」と寺西さん。海外のアーティストが渋谷に魅力を感じているのはもちろん、「DIG SHIBUYA」が誰にでも場を開いていることが、彼らのモチベーションに大きな影響を与えているのでしょう。 まとめ 「DIG SHIBUYA」は、作り手だけでなく、来場者にとってもオープンな場です。寺西さんは、「ほとんどの展示を無料にしているのは、多くの方々に気軽に見ていただきたいからです」と話します。 また、「アートやテクノロジーは敷居が高いと感じる方もいらっしゃるため、まずは気軽に楽しんでいただきたいです」と言います。 来年の「DIG SHIBUYA」の開催が決定したら、会場を訪れてみてくださいね。 また、プロジェクトの公募には、アートやカルチャーなどに最新テクノロジー(Web3、 AI、XR等)を絡めた活動実績があれば、団体・企業(スタートアップを含む)で応募が可能です。 本イベントに興味を持った方は、ぜひ情報をチェックしてみてください。 渋谷では、クリエイティブな人々の交流や活動があちこちで行われています。カルチャーが生まれる瞬間に立ち会うと、あなたの中にも新たなクリエイティビティが芽生えるかもしれません。 渋谷のカルチャーベニューで、多様な人々とのコミュニケーションを楽しみましょう。 (取材協力:「DIG SHIBUYA 2025」PR担当 寺西藍子様、取材日:2025年2月11日) 《イベント概要》※イベントの会期は終了しました 「DIG SHIBUYA 2025」 会期:2025年2月8日(土)〜11日(火・祝) 開催場所:渋谷公園通りを中心とした徒歩15分圏内の公共空間や商業施設 主催:SHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁 共催:渋谷区 文/浜田夏実 アートと文化のライター。武蔵野美術大学 造形学部 芸術文化学科卒業。行政の文化事業を担う組織でバックオフィス業務を担当した後、フリーランスとして独立。「東京芸術祭」の事務局スタッフや文化事業の広報、アーティストのサポートを行う。2024年にライターの活動をスタートし、アーティストへのインタビューや展覧会の取材などを行っている。 note X

アート

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【NDS卒業生の活躍】あさみみちゃんポップアップイベントを渋谷サクラステージにて開催中!

あさみみちゃん×歌舞伎座コラボレーショングッズ販売&ポップアップイベント 「かわよきPOPUPでございます!」が渋谷サクラステージにて開催中! 専門学校日本デザイナー学院 イラストレーション科を卒業した吉野さんが、渋谷のサクラステージで開催中の「あさみみちゃん × 歌舞伎座」コラボ期間限定POP UPショップのグッズデザインを担当しました! LINEスタンプなどでもおなじみの『あさみみちゃん』は、「あなたの気持ちを浅くする寄り添いうさぎ」の女の子。25歳のOLで、日本一のマスコットキャラクターを目指しています。 浅いことしか言わないウサギちゃんなので、「あさみみちゃん」という名前なのだそう。 ポップアップ会場は、あさみみちゃんと仲間たちのグッズやパネルがたくさん!ピンクで統一された店内にテンションが上がります。 ポップアップオリジナルデザインのクリアファイル2種。コレクションしたくなる可愛さ…!使うのがもったいないです。 ランダムキーホルダーも購入。ダニーくんをゲットしました。 また、会場にはミラー風のパネルや、あさみみちゃんたちの等身大パネルが設置されており、フォトスポットも充実!さまざまな楽しみ方ができるポップアップストアです。 ポップアップイベントは4月13日まで開催中 イラストを学んだ学生がこのように活躍していることは、専門学校日本デザイナー学院のスタッフとしても大変嬉しく思います。 専門学校日本デザイナー学院から徒歩わずか5分のサクラステージ。ぜひこの機会に足を運んでみてくださいね! ▶グッズ詳細はこちら https://asamimichan.com/news69/ 展覧会名|あさみみちゃん×歌舞伎座コラボレーショングッズ販売&ポップアップイベント「かわよきPOPUPでございます!」 会 期|2025年3月14日(金)-2025年4月13日(日) 会 場|渋谷サクラステージ SHIBUYA SIDE 3F ときめきSTAGE 時 間|10:00-21:00 入 場 料|無料(フリー入場)   ↓PicoN!アプリインストールはこちら  

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毒甘可愛いを描く、イラストレーター・こんぺ伊藤さん PicoN!インタビュー

専門学校日本デザイナー学院を卒業後にゲーム会社勤務・デザイナーを経て、2024年5月からフリーランスのイラストレーターとして活躍中、こんぺ伊藤さん。毒っぽくて可愛いキャラクターと中毒性のある世界観がファンを魅了しています。今回はこんぺ伊藤さんの作品紹介と、現在イラストレーターとしてお仕事をするまでの経緯や「イラストレーター」というキャリアについてお話をうかがいます。   現在フリーランスのイラストレーターとして活躍中のこんぺ伊藤さん!作品のご紹介をおねがいします 毒々しくて甘くて可愛い女の子のイラストをメインに描いています。「中毒性のあるイラスト」をコンセプトに、現在はSNSを中心に作品を公開しています。 ほかにも自主制作でブックレットやポストカードなどのグッズを作っています。   お仕事ではどんなイラストを描いているのでしょうか? 石黒千尋様のVtuber活動1周年記念キービジュアルを担当させて頂きました˚✧₊ pic.twitter.com/rbAALexSa8 — こんぺ伊藤 (@konpe0217) April 28, 2023 最近のお仕事はVtuberのキャラクター制作がとても多いです。Vtuberの方々は記念イベントによってキャラクターのファッションや仕様がバージョンアップすることも多く、そういった季節ごとのご依頼も増えています。一般の方から、グッズのイラストを依頼されることもあります。 私自身、トレンドや流行に乗ってお仕事できるのがとても楽しく、自分のイラストが誰かの為に役立っているのが嬉しいです。   専門学校日本デザイナー学院ではコミックイラストを中心に学んでいましたが、将来はイラストレーターになることを目標にしていたのでしょうか? はい。昔から絵を描くのが好きで、高校生の頃は美術部に所属し、スマホで絵を描いたりしていました。「将来はイラストレーターになる!」ということを視野に、専門学校を選びました。 専門学校日本デザイナー学院が主催している「高校生マンガイラストグランプリ」のイラスト部門で優秀賞を受賞したことをきっかけに、入学しました。   当時はどんな専門学校生活を送っていましたか? クラスメイトが全員、絵を描くのが好きというのがとても刺激的な毎日でした。切磋琢磨し合える仲間がいるのはとても大事だと思います。講師もみなさん現役のクリエイターとして活躍している先生方なので、作品制作においてもクリエイターならではの視点で具体的なアドバイスをもらえるのが嬉しかったです。 あとは、「グラフィックデザイン」の授業があったのは、ポートフォリオを作るときや就職活動の際にもとても役立ったと思います。就職活動の時には自分でいろいろな会社求人をネットで探しましたね。学校のキャリアセンターの先生と履歴書を作ったり、面接練習をしたり、サポートもしてもらいました。   卒業後、ゲーム会社に就職後、どんな業務を担当していたのでしょうか? デザイナーとしてゲームのアバター制作を担当していました。着せ替えのファッションアイテムや小物、など幅広いデザインに携わることができ、また当時の業務がスキルアップ、いまの自分のイラスト制作・お仕事にもつながっていると感じています。 毒地雷ナースちゃん pic.twitter.com/wnbPR3tAah — こんぺ伊藤 (@konpe0217) October 18, 2024 当時はとても忙しく、SNSでの発信はお休みしていたのですが…ふと自分のオリジナル作品を発信しはじめると、たくさんの「好き」という声が届き、フリーランスのイラストレーターとして独立することを決めました。   これからチャレンジしたいことや目標がありましたらぜひ教えてください! ずっと向上心を持ってイラストを描き続けていきたいです。自分の視野・可能性を広げるためにオフラインのクリエイターイベントにも積極的に足を運んでいます。夢は、自分の画集を出すこと!150作品掲載を目標に、これからも頑張っていきたいです。 こんぺ伊藤さん、ありがとうございました!ゲーム会社への就職やVtuberのイラスト制作など、お仕事やキャリアについてもお話いただきました。これからイラストレーターを目指したい方はぜひ参考にしてみてくださいね。今後のイラスト作品もとても楽しみです…!   \\ こんぺ伊藤さん Xにて最新作品掲載中! // @konpe0217   \\ NDSのイラスト体験授業はこちら! // オープンキャンパス・体験授業 ↓PicoN!アプリインストールはこちら    

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前編【対談】世界ポスタートリエンナーレトヤマ2024受賞記念!デザイナー福島治先生×NDS在校生河内瑠未さん

第14回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2024でU30+STUDENT部門で銅賞を受賞した専門学校日本デザイナー学院 総合デザイン科グラフィックデザイン専攻3年 河内瑠未さんと、2012年に日本人初のグランプリ受賞をした福島治先生の対談企画です。 今回受賞した河内さんのポスター作品「心について考える」について、制作段階でのエピソードや工夫、世界的に大きなコンペティションで受賞をした率直な気持ち、またデザイナーである福島先生の視点で感じ取った印象などについてお話をお伺いしました。 アイディアから制作・撮影まで。ポスターに込められた想いとこだわり。 [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]この度は受賞おめでとうございます!本当に素晴らしい作品で、今日は聞いてみたいことが山ほどあります。(笑)[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]よろしくお願いします!こうして貴重な機会をいただけて嬉しいです。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]今回、「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」応募のために作品を制作をしたのだと思いますが、アイディアや発想の段階を含めて、どのように形にしていったのでしょうか。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]最初のラフ段階では、別の案もありました。ハートが2つ重なって、ほどけていくようないるような。でもそれだとどこか既視感があって。学校の先生にも相談をして、心臓を編んでみるのはどうかなとアイディアが生まれました。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]見る人に柔らかさ与えますね。心臓は編まれている赤いパーツが帽子のようなイメージで擬人化されているようにも感じました。今までやったことのないチャレンジを自然とできるというのは素晴らしいことだと思います。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]ありがとうございます。これまでも学校の課題制作含めていろいろな作品を作ってきましたが、今回自分でも1番ピンときたというか、納得して作りこめたというか。「モノ作りって楽しい!」ってのめり込んだ感覚でした。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]今までよりも、ちょっと、頭1つ抜き出たかな、という感覚でしょうか。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]はい。撮影も自分でライティングや角度など微調整を繰り返しながら何度も何度も撮り直しました。影のつき方とか、どうやったら自然に見えるのかな、とか。撮影後にPhotoshopで編集もして、納得いくまで何パターンも制作しました。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]実物よりも濃度が上がって、リアリティ、存在感のある強さがうかがえます。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]本当はもうすこし赤の部分が紫っぽく、黄色もすこしオレンジっぽい色味でしたが、人間の心の繊細さを感じるような柔らかい印象にしたかったんです。毛糸を使って編んだのも、心臓だけどグロさを感じさせるというより温かみを感じるように仕上げたかったのが理由です。実際の臓器の色を忠実に表現することもできたかもしれませんが、そうすると作品のコンセプトと合わないな、と。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]やっぱり自分で作るからこそオリジナルが生まれるんですよね。すでにそこに何らかの形で存在してるものを、どう加工したり組み合わせたりしていくか。僕は今まで人が見たことがないデザインや世界感っていうのを見ることにとてもワクワクします。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]秋に学校のアートフェアで学内展示「small voice」を制作しました。そのなかで「埃」を作ったんです。色んなところから綿や埃を集めてきて、髪の毛混ぜてみたり、とにかくリアルなものを作りました。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]うんうん、なるほど。面白い。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]そしたら学校の清掃の方に捨てられてしまって。(笑) でも、それは嬉しいことで。本物と思ってもらえた証拠です。それを機会に「やっぱり作ることって楽しい」「自分で作った方が伝わるな」と実感しました。[/word_balloon]     一本の「ほどける糸」。最後まで妥協せずにつくりあげた作品。 [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]ポスターのキャッチコピーの入れ方もうまいなと思いますね。配置に何か意図があったのですか?[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]あえてほどける糸を一本だしています。「don't pull.」は引っ張りたくなるけど引っ張っちゃいけない、っていうメッセージを込めています。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]デザインを作るとき、例えば「ここに置いたらカッコイイ」「綺麗に決まるな」っていう風にレイアウトしてしまいがちだけど、何を伝えるかっていう事を深く追求して工夫しているのが素晴らしいですね。かなりプロフェッショナルだと感じます。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]ありがとうございます。たくさん悩みましたが、自分でも納得のいく形になったと思います。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]でもきっと、そこまで突き詰めていかないと「賞を取る」ってことは難しい世界なんですよね。世界ポスタートリエンナーレトヤマも世界中から数千もの応募作品があって、受賞できる作品は本当に一握り。審査員の心を動かす力がないと、なかなか受賞は難しいです。 河内さんが最後まで自分で妥協せずにつくりあげた、というのが伝わってきました。最終的なオブジェとしての造形的な強さっていうのも大事にしています。たまたまの受賞じゃない。すごいことですよ。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]実際に富山へ授賞式に行かせていただいた際、富山美術館の最初の第一審査員を務めた方が声をかけてくださって。「私がこの作品推したんだよ」って言ってもらえて、自分の作品が誰かに届いている、と実感でき嬉しい瞬間でした。[/word_balloon] 授賞式・展示会で自分の作品と改めて対峙して、感じた率直な想い [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]受賞作品の展示会で、自分の作品と、自分以外の作品が展示されているのをみたとき、どう感じましたか?[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]海外出身の方の作品は特に、多様な表現があってとても刺激になりました。受賞作品はモノクロ作品も多く、自分の作品が良い意味でも目立っていたのかなと感じました。一方で、自分の作品はなんというか「学生の作品」だなとも感じて。 プロの方、現役デザイナーの方の作品をみると、やっぱり作りこみがすごいなと圧倒されました。洗練されていて、無駄なものがなくて。デザインでお仕事するってこういう事なのかって考えさせられました。クリエイター自身の個性や世界観もそれぞれの作品に感じました。私自身にはまだそういったものが確立していないので、尊敬や憧れの気持ちも生まれました。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]なるほど。僕から見るとあまり学生っぽさは感じないかなあ。プロのデザイナーが作った作品、と感じます。特に言葉「don't pull.」の入れ方。一本糸が出ているのも、作為的なようには見えないけど、でも必ずそこに目がいってしまう。曲線上に置いてあることや、文字の大きさも含めて“引っ張りたくなる”ような感じが、センスが良くて大好きです。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]ありがとうございます。普段は課題制作など無我夢中だったり学校の講師とも真剣にモノづくりに向き合っていますが、なかなかこうやって褒められる機会がないので嬉しいです。(笑)[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]写真も自分で撮影したとのこと、工夫した点はありますか?[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/kauchi_-1-300x294.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="河内さん" balloon="round" bg_color="#e8f9b3" border_style="solid" border_color="transparent"]立体感を出すために、真ん中にピントを合わせてそれ以外はあえてふわっとぼかしています。全部にピントを合わせると体温みたいなものが感じられなくなってしまい「もの」として見えてしまうと考えました。真上から撮ったり、下から煽って撮ってみたり、アングルは試行錯誤しました。[/word_balloon] [word_balloon id="unset" src="https://picon.fun/wp-content/uploads/2025/02/fukushima-300x300.jpg" size="S" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" name="福島治先生" balloon="round" bg_color="#dbf9ff" border_style="solid" border_color="transparent"]結局これは心臓に見立てたいっていうのと、毛糸っていうことで、命のあるもの、心臓っていう血の通った大事な臓器である、といのをみる人に感じさせる創意工夫が見られます。[/word_balloon]   今回の受賞作品について制作当時を回想しながらさまざまな視点でお話いただきました。デザインを学ぶ専門学生である河内さんの真っ直ぐでありのままの想いや言葉、作品制作に対する姿勢を感じることができましたね。デザイナーである福島先生の視点でのコメントも非常に勉強になります。 対談はまだまだ続きます!記事の後編、公開をお楽しみに。 ↓PicoN!アプリインストールはこちら    

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