みんなのネタ帳とアイデアノートの中をのぞいてみよう!

普段は人に見せることがない「ネタ帳」。みなさんは描いたことがありますか?イラストやマンガ、物語など、新しく作品を作りたいと思っても、なかなか良いアイデアが思いつかない…、この前ひらめいたのに忘れてしまった…という経験はありませんか?普段から思いついたこと、自分の作品に使えそうなことをメモしておけば、いざ作品を制作するときにそのメモがヒントになります。自分の手で描くと、記憶にも残りやすいですよね!今回は特別にマンガ科の宮田玲央さんとNDS講師池田幸穂先生の「ネタ帳」を拝見させていただき、質問にも答えていただきました!

マンガ科2年生 宮田玲央さん

いつから漫画家を目指していたのですか?マンガを描き始めたのは何歳ですか?

小学生の頃から漫画家になりたいと思っていました。当時は「ドラゴンボール」や「七つの大罪」が好きでした。なかなか実行に移せていなかったのですが、17歳から本格的にマンガを描くことをはじめました。

ネタ帳を描き始めたのはいつですか?

18歳です。17歳から描いていたのですが、最初の1年目は思いついたものをそのままマンガに描いていました。日に日にアイデアを忘れていってしまうことに気づき、もったいないと感じたのでネタ帳を書き始めました。スマートフォンのメモにもアイデアを描いているので、ノートのネタ帳は今2冊目です。ノートに残すのがオススメです!最近スマートフォンを変えたのですが、そのときにメモが半分消えてしまったので…。ネタ帳は周りの友達もだいたい持っています。

マンガを新しく描くときに、参考にするのはどんなものですか?

友達との会話をメモすることがあります。何気ない会話のなかで、友達が言った奇妙な言い回しを自分のマンガのセリフに使ったりしています。例えばこの前絵しりとりをしていたのですが、友達が描いたポケモンのイーブイが下手で、それに向かって「尿路結石持たせて進化したみたい」と言っていて、それをメモしてあります。なかなか自分では思いつかないですよね(笑)

好きなマンガを教えてください。

「ベルセルク」、「バクマン」、「寄生獣」です!これらの作品から影響を受けましたし、ここからすべてが始まったような気がします。

アイデアが浮かばないときの過ごし方を教えてください。

煮詰まっているときに、休憩も兼ねて映画を見ることが多いです。没頭するのに2時間は良い時間です。映画を見てインプットして、他のアイデアと連結することがあるかもしれません。また、やる気が出るので締め切りが近づいているときにも見ます。

授業ではどんなテーマのマンガを描いていますか?

今は、人に化ける人狼を主人公が倒す話を描いています。童話の「金の斧、銀の斧」をテーマに描いたこともあります。1番最初に描いたマンガは、死神と女性のヒューマンドラマ漫画です。NDSでは、ストーリーの授業があります。僕は絵を描くのは好きなのですが、ストーリーを考えるのが大変です。なんとなく自分のなかでストーリーのイメージがあっても、具現化するのは難しいです。ストーリーを考えるコツや要点を言葉で教えてもらうことによって、やっと飲み込めました。

今まで描いたのは何作品ですか?

短いのも合わせると9作です。そのなかでも思い出に残っているのは、賞を取った作品です。1番小さい賞だったのですが、次はもっと大きい賞を取りたいと感じ、マンガを続けるきっかけになりました。

これからの目標を教えてください。

まずは大きい賞を取ることです。どこか暗い部分のあるストーリーが好きなのですが、最近は主人公が成長していく明るめなストーリーを描くことが多いです。もっと描けるようになったときに明るくて王道だけど暗い部分がある、暗くても面白いストーリーを描きたいです。人の心を打てるようなストーリーが描けるようになりたいですね。

これからマンガを描いてみたい方にアドバイスお願いします。

人一倍描いていれば、結果が出ると思います。ネタはすぐ尽きるので、マンガを描いていない期間でも、ちょっとしたことでも書き留めると良いですよ。僕もいずれは自分の身を助けるだろうと思ってメモを残しています。あまり関連性のないメモでも、それが発想の起点になるかもしれませんし、他のメモと繋がるかもしれません。ネタ帳にメモを残すことで、アイデアが思いつかない未来自分を助けることになります!

 

池田幸穂先生 イラストレーション科1年生の絵の具の授業を担当しています。

アイデアノートを描きはじめたのはいつ頃ですか?

学生の時から描いていました。クロッキー帳にメモ程度でしたが、卒業してしばらく制作時間が取れなくなってから、描けないことがストレスになってしまって。描けなくても「描きたい」気持ちを忘れないように備忘録もかねて、アイデアノートを強く意識し始めました。約15冊持っていて、今まで描いたものはほぼ保管しています。

参考にするものはどんなものですか?

私は日記のような「言葉」、旅行のときに見た景色や写真、美術館でみた展示、本を読んだときに気になったワードなど、身近なものなんでも参考にしてノートに記します。例えば「なびく」という言葉。本を読んでいた時に出てきた言葉なのですが、意味を調べ、言葉のイメージを元にイメージを膨らませてからイラストを描きました。あとは、定期的に本屋や図書館に行くのが好きですね。知りたい内容とは全く違う言葉や画像が目に飛び込んでくるのでアイデアの源です。

何をしているときにアイデアが思いつきますか?

本番の絵を制作していると、次々に描きたい絵やアイデアが湧いてきます。早くこの作品を仕上げたいな、と思ってしまって、制作途中でも新たな作品に着手してしまいます。突然アイデアが思いつくことも多いですが、週に何度かは意識してノートを開くようにしています。

前に描いたものを見返して作品に活かすことはありますか?

活かします!昔のアイデアでも、数年後にまた取り組むと、別のアイデアと組み合わさり、変化したり、色彩も変わります。自分のアイデアなのに科学変化を起こしたような驚きや発見を得られるので楽しいです。5年前はアイデアノートに膨大な時間をかけていました。本画に入る前の助走(アイデアノート)がすごく長くて。絵描きの先輩が「思いついたら全部、本画にしたらいいのに」と言ってくださり、少しずつアイデアノートにかける時間を短くして、制作時間を増やしました。今は走り書きみたいなメモも増えましたよ。

これからアイデアノートを持つ方へのメッセージをお願いします。

いきなり机の上で真っ白いノートを広げても、初めは何も思いつかないかもしれません。それでもできる限り毎日、何か感じたことや好きなもの、言葉をいつでもどこでも記録してとっておこう、という感じでノートを持ち歩くのがオススメです。身の回りに、アイデアは無限にあることに気がついたら、あとはもう、ひたすら絵を描きましょう!

9月に行われていた池田幸穂先生の個展『風になびかれて旅をする』のデザイン案

実際の様子です!

宮田玲央さん、池田幸穂先生ありがとうございました!

「ネタ帳を描くこと」が自分の頭の中にあると、日常から良いアイデアを集めるアンテナが働きますよね。活かせそうなアイデアがいくつかストックしてあると、作品制作もスムーズになりますし、なにより安心につながります。どんどん集まるメモの数は、頑張った証です!まだ「ネタ帳」を作ったことがない方も、まずはアイデアを探すことから始めてみてくださいね。

 

↓PicoN!アプリインストールはこちら

関連記事