• HOME
  • ブログ
  • 写真
  • 「日常のなかの美しさを表現したい」-写真家・Shotaさんが語る、アニメチックな世界観の魅力

「日常のなかの美しさを表現したい」-写真家・Shotaさんが語る、アニメチックな世界観の魅力

何気ない日常の風景をアニメチックに表現する写真家・Shotaさん。

Instagramのフォロワーは40万人以上。どこか懐かしさを感じる写真で多くの人の心を掴みます。2023年4月28日には、初の写真集となる「何気ない日常をアニメチックに。」が発売されました。

Shotaさんに、アニメチックな世界観の魅力やSNSをやり続ける理由についてお話を伺いました。

写真家・Shotaさん

好きと憧れから見つけた自分のスタイル

—―Shotaさんが写真を撮りはじめたのはいつですか?

Shotaさん(以下Shota):中学2年生くらいからずっと「空」を撮っています。当時はiPod touchを使っていたのですが、内カメラしかついていなかったので、感覚で撮っていました(笑)。カメラを使い始めたのは大学1年生の冬頃。自分へのクリスマスプレゼントでEOS9000Dを買いました。最近、R5に変えたところです。

雪解け水が写す世界

 

――「アニメチックな日常風景」という、現在のスタイルになったきっかけはあるのでしょうか。

Shota:アニメチックな写真は、大学2年生くらいから撮りはじめました。もともと新海誠監督の映画が好きだったのですが、あるとき大学で新海誠監督の作品を扱う授業がありました。それを見て、やっぱりあの世界観を表現したいなって。

そのとき、Twitterでtomosaki(@photono_gen)さんやAkine Coco(@akinecoco987)さんの写真がでてきて、それを見て自分もやってみよう!と思いました。2人を参考にしながら撮影しているうちに、自然と方向性が定まっていったように感じます。

富士見坂にある分かれ道

 

――自分のスタイルを見つけることって簡単ではないですよね。

Shota:自分も最初は見つけられていなかったと思います。今は青空の印象が強いと思いますが、夕焼けの写真を出していた時期もあります。そこから空を入れた風景にしてみたり、いろいろあって今に至るって感じです。空が好きなので、そこは変えずに。ずっとメインテーマには空がありました。

水溜まりが写す幻想的な世界

 

――新海誠監督の作品はアニメだけど現実っぽいような、映画のビジュアルは1枚の写真のようにも見えます。その世界観を写真で表現する魅力を教えてください。

Shota:現実の色味とアニメの色味って違いますよね。アニメ自体が好きっていうのもありますが、個人的にはアニメの色鮮やかさだったり、美しさが好きです。新海誠監督の作品は、現実のなかに少し非現実を足してあるような、、、そういう「日常だけど非日常」みたいな世界観に惹かれるんです。

当たり前ですが、写真を普通に撮れば現実が写ります。でも、あえて日常を彩りのある世界観で写してみる。日常のなかの美しさを表現できたり、どこにでもあるものだからこそ美しいっていうことを伝えられるのが魅力だと思います。自分の作品を見た方から「新海誠監督みたいだね」って言ってもらえるのが嬉しいですし、それがモチベーションにもつながっています。

路地にある水溜まりが写す世界

 

――Shotaさんはどんなときに写真のおもしろさを感じますか?

Shota:僕は田舎出身なんですが、東京に比べたら田舎って何もないというか、、、普通に過ごしてたら不便だと思うこともあります。コンビニに車で行かないといけなかったり。でも、その地域だからこそ見えてくる美しい景色がいっぱいあると思っています。

例えば、田んぼの水面にリフレクションできるような景色が、田舎には広がっているんです。きっと都会では見れない景色ですよね。そういう魅力に気付けたときに面白さを感じますし、やっててよかったなって感じます。

夏を感じるワンシーン

初写真集「何気ない日常をアニメチックに。」のこと

—―写真集やテレビのお仕事は、SNSから依頼が来るのでしょうか?

Shota:そうですね、ほぼほぼそれがメインです。

—―写真集を発売することになった経緯を教えてください。

Shota:去年の5月ごろに、出版社の編集担当の方からInstagramにてDMをいただき、そこから打ち合わせ等を重ねて製作がスタートしました。当時から仲良くさせていただいていたフォトグラファーの方々が次々と写真集を出されていて、自分もいつかは出せたらいいなと思っていたタイミングでお話をいただいたので、すごく嬉しかったです。

――写真集出版まで、どんな流れで制作していたのですか?

Shota:DMをいただいてから、まずオンラインで打ち合わせをすることになり、編集担当の方から「こういったイメージの写真集の企画で進めさせていただきたいと思っています」という話をいただきました。

当時、水溜まりのリフレクションでたくさん反響をいただいていたタイミングだったので、リフレクションを中心に取り上げた写真集なのかなと思っていました。ですが、アニメチックな世界観でというお話をいただき、「あの写真も入れたいな」「この写真も入れたいな」という気持ちでいっぱいでした。

そこから、打ち合わせやインタビュー等を受け、いろんなやりとりを重ねて今回の写真集が出来上がりました。

琵琶湖が見える道に惹かれた

日常をアニメチックに撮るには

――アニメチックに撮るためのポイントを教えてください

Shota:正直、編集でっていうのもありますが「映えるものではないもの」を入れるのがポイントです。

例えば、電線やカーブミラー、お店の看板、そういうのを入れるようにしています。ちなみに、これは友人が言っていたことですが、日本って海外よりも電線が多いらしくて。電線があることによって、日本の風景ってことが分かるみたいなこと言われました。電線をつかって奥行き感を出したりすると結構おもしろいです。

夏の魔物

日常の素晴らしさや地域の風景を届けたい。Shota さんがSNSをやり続ける理由

—―どんな人に写真を届けたいですか?

「当たり前が当たり前であることを大事にしてほしい」という想いを、いろいろな人に知ってもらいたいです。自分の写真が、毎日嫌だなって思ってる人に届けばいいなって。

以前、写真をSNSにあげたとき、
「生きているのが、毎日過ごすのが、嫌になっていました。でも、たまたまおすすめに写真が出てきて、日常のなかの素晴らしさを表現している方がいると知って、もう少し頑張って生きてみようと思いました。」
というようなコメントをいただきました。
それが嬉しくて、思わずスクショしてずっと残してます。そういう風に思ってくれる方がたくさん広がればいいなと思います。これが僕のSNSをやり続ける理由でもあります。

伊根の舟屋の日常

 

――今後の目標を教えてください

Shota:日本全国を巡りたいです。その地域でしか見れない景色がたくさんあると思うので、日本人も知らないような日本の良さを届けつつ、世界にも日本って素敵なところがたくさんあるんだよってことを発信していきたいです。

水彩画のような世界

 

—―写真を学びたい方、学んでいる学生に一言お願いします

Shota:自分が楽しむことが一番大切です。楽しむからこそでてくるクリエイティブなこと、それを大事にしてもらえれば良いと思います。

進みたくなるような湖が見える道

 

――さいごに、日本写真芸術専門学校(NPI)の近くでShotaさんならどんな写真を撮りますか?

ということでShotaさんに撮影をしていただきました!

雨上がりだったので、水溜まりを使ってリフレクションの撮影も。

NPI目の前の風景がアニメチックになりました!

Shotaさん、ありがとうございました!

Instagram @shota.mebakuro

Twitter @shnimohus

Shota
フォトグラファー 兵庫県出身。大学生のとき、SNSにて発信した”アニメのような世界観の写真”が話題に。現在は関東を拠点とし、主に風景を中心に写真や動画を撮影。
2023年4月28日に、写真集「何気ない日常をアニメチックに。」を発売。

 

Shotaさんは、2023年9月18日(月)~9月24日(日)に開催予定の『SNSで集まった10人による写真展 S10』に参加予定です。

ギャラリー・ルデコはこちら

こちらもぜひチェックしてみてください!

 

PicoN!編集部 木下

PicoN!アプリインストールはこちら▽

おすすめ記事▽

関連記事