医学と写真表現の融合による作品。医師写真家 石井靖久の個展「△」開催中
医師であり写真作家の石井靖久氏の個展「△」が新宿・北村写真機店にて開催中です。
無意識のうちに動的平衡を形作る生体と、その相似形を成す事象。集団としての意識を共有することで保たれる、人間社会の構造。同じものを見ているという前提が孕む矛盾と、それを乗り越える想像力。本展の作品群に通底する視座から抽出されたシグナル。それは「△」だった。
医師として人体の構造や現象を観察し続けてきた石井氏が、私たちが日常的に見ている視覚とは異なる視点で被写体と向き合い、写真として表現した作品の数々。染色・顕微鏡観察・画像解析診断などのさまざまな医学的手法を用いた写真作品は、見る者に想像と推測に対峙する機会を与えます。
世界規模で広がったウイルスに翻弄された社会。どこか曖昧な危機感を感じる日々にも、作家たちは独自の視点で観察し続け「写真」という表現でメッセージを発信し続けています。この慄然としながら過ごした時間も、いつか大きな意味と価値を持つ歴史のひとつと称されるのでしょうか。
石井靖久 写真展「△」
会 期:2021年11月26日(金)~2022年1月12日(水)
場 所:新宿 北村写真機店 6F「Space Lucida」
WEB:北村写真機店WEBサイト