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NPIフォトフィールドワークゼミ3年生「国内フィールドワーク完了報告会」

日本写真芸術専門学校(以下NPI)フォトフィールドワークゼミ3年生による『国内フィールドワーク完了報告会』を開催しました。今年度もコロナの影響で国内となりましたが、約180日間のフィールドワークで撮影した作品をスライドショーで発表しました。

撮りたいテーマに徹底的に向き合える180日間。今回は、学生たちが撮影したテーマについてご紹介していきます。

「灰の色」 大島奏来

喧噪の中に弱さ、静寂の中に力強さがあり、そこに魅力を感じ、このテーマを撮影することにしました。

日本各地を回り、喧噪と静寂の狭間にあるものを撮影した大島さん。

約半年間写真だけに集中し、普段自分が撮影しないような被写体なども撮影でき、表現の幅が広がったと話していました。

 

「NISHINARI FREEDOM」 落合椋也

2ヶ月間、西成で撮影してきました。

落合さんは、大阪府の西成区で撮影した写真を発表しました。

西成に住んでいる人たちの多くは生活保護で暮らしており、地元の人は少なく、県外から来た人が多いそうです。落合さん自身も西成区のホテルに泊まりながら撮影をしました。キャリーケースを広げたら足場がなくなるくらいの3畳ほど部屋は、ベッドがぽつんとあるだけだったそう。もし西成が気になった方は、足を運んでみてくださいと話しました。

 

「弱冠」 桑澤太郎

若者を撮るという漠然としたテーマですが、とにかく足が向く方へ歩いて行きました。

桑澤さんは、沖縄と北海道で撮影した写真を発表しました。

長野県で生まれ育った桑澤さんは、地続きではない場所に対してどこか遠い国のように感じていて、以前からこの遠く離れた2つの土地に興味を持っていたそう。それぞれの土地で多くの同世代の若者に出会い、その中で異なる価値観を持つ人、周りとは違った生き方をする人のことが気になったそうです。多くの人と出会い、多くの出来事を経験した桑澤さん。フィールドワーク中に出会った方とは今でも交流があると話していました。

 

「たゆたい」 成田萌恵

主に歩きで予定も立てず、その場その場でどこに行くか決めながら撮影していました。

人口の少ない地域で撮影をした成田さん。各場所には1週間程度滞在し、17カ所をゆっくりとしたペースで回ったと言います。

特に群馬の南牧村は家やモノがそのまま残されていて、時間が止まっているかのような不思議な感覚になり、印象に残っているそうです。歩きながらの撮影では、普段の生活の中で見過ごしてしまうような様々なものを見ることができましたと話しました。

 

「記憶の片隅」 吉田鐘一

日本が戦争していたときに建てられた軍事工場跡や炭鉱跡の現場を撮影しました。

吉田さんは、軍事工場跡や炭鉱跡で働いていた人にインタビューをして、はじめて知ったことが多かったそうです。

差別や強制的な労働などの事実を知り、悲しい出来事だと思った。今は跡が残っているだけですが、日本全国に朝鮮人の労働者が働いていた事実をみなさんに知ってほしいと話しました。

 

NPI副校長の樋口先生からは、モノや人は消えていくけど写真は残る。だから写真が重要なんだ。せっかく写真を3年間学んだのだから本気で目指してほしい。と激励の言葉をいただきました。

 

報告会には、在校生、卒業生、関係者の方々など、たくさんの人たちが集まりました。

最後にゼミを担当されているNPI講師の鈴木先生と飯塚先生からは、2年後、3年後、時間が経ってはじめて180日間の意味や重みが分かってくる。経験を磨いていってください。とメッセージをいただきました。

この報告会で彼らのフィールドワークは一区切り。ひとまず、みなさんお疲れさまでした。後期は作品をまとめる作業です。

5名の作品の集大成は2月に開催される卒業作品展で発表されます。私も楽しみにしています。みなさまも彼らの作品を見にぜひ足をお運びくださいね。

PicoN!編集部 木下

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