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【Youtube】グリッチ case6 BASHOW『表現の大陸』【「写真から浮上する言葉を掴む」を活動方針にした写真家コレクティヴ】

6 回目となるグリッチの活動が行われました。
2026 年 1 月 10 日から 25 日の会期で、ギャラリー 工房親にて開催された BASHOW さんの写真展『表現の大陸』が、今回の私たちの活動の対象となりました。

『表現の大陸』は「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2024」準グランプリを受賞した作品でもあり、また受賞に伴い同タイトルの写真集『表現の大陸』がG/P+abp より展示に先駆けて出版されています。

『表現の大陸』は BASHOW さんのコロナ禍における幻視的な体験をきっかけに始まり、表される写真はどこか魔術的な様相をもつ、表現的なものとなっています。BASHOW さんは本作の制作を、タイトルとなっている『表現の大陸』への紀行のようでもあったとしています。

本展は、そのように作成された写真が様々な方法で展示され、見る者を感覚的に刺激し、『表現の大陸』へといざないます。

これまで私たちは五つの作品から、五つの言葉を手に入れてきました。少しおさらいをすると、私たちグリッチが対象とする展示は≪写真とは?に射程をもつと思われる作品≫ということでした。
簡単に申し上げれば、鑑賞の際に「これは写真のことだ!?」という反応が鑑賞者である私たち自身に湧き起こってくる展示・作品、ということになります。つまり、写真そのものについて見せている作品のことを指します。
私が BASHOW さんの作品を今回の対象に選んだのは、ある種のネイキッドな認識のように思えたことからです。作品を目にした時、所謂ロゴス的な把握の仕方に、感覚的な触覚を通した現象的に与えられる知覚のような仕方が伴う、そのような認識があったと思えました。例えるなら、何かを食べるということに近いということができるでしょう。つまり、目の前の料理が、何を素材とし、どのような調理を工程にもつのかを知りながら、食べて感覚することを経て認識するというような。あるいは、フェイクファーの手触りが、ナイロンであるということを知りながらというただなかに、フェイクファーの認識を得るというような。

理性的な把握の付着を持ちながら、感覚の作動が伴う認識が引き起こされる、それは目を閉じながら視るというようなニュアンスがあり、暗室の中で合焦面が得られるという、暗室内での作業を想起させました。BASHOW さんの作品がフ ィルムの所産であることと結びつき、身体による手仕事性という質とカメラのオペレーティングな機械性という質の二面性の再認識が立ち上がり、そのように生み出される写真によって私たちがその大陸への認識に導かれることの不思議さが、”写真とは?”へ私を導きました。
このように論じるのは、BASHOW さんの作品によって、写真が表現的、つまり現実の変換としての表面であるということが、鑑賞の中に常に既に認められているということが惹起するからです。その惹起の中に、写真そのものについてを私は見たのでした。言い換えれば、『表現の大陸』の鑑賞には、それが”写真であること”が認識に先立ってあり、鑑賞を経てやってくる感覚と同時の把握は、これを指してしたわけです。つまり、見せられている作品には”写真であること”が含まれていて、本作を前にした私に「これは写真のことだ!?」と反応をさせたのでした。

今回のディスカッションには、作者である BASHOW さんの他、前回ご参加いただいたエザワユウスケさんにも加わっていただきました。
ディスカッションでは、ご本人にお話を伺いながら、グリッチとエザワさんとで本展の読み解きを行いました。その最中に立ち上がってきた様々なキーワードを回収しつつ、それらの混ざり合いの内に獲得すべき言葉の浮上を待ちました。
第六の言葉の浮上に是非ご立ち会いください。
グリッチの note も合わせてご覧ください。

グリッチ 馬場智

BASHOW / バショウ
1995 年生まれ 東京在住。
2018 年 法政大学社会学部卒業。2024 年 日本写真芸術専門学校夜間部卒業。
過去に撮影した一枚の写真から「見える世界」と「見えない世界」が交差する感覚を得た経験を起点に、写真を通して世界の「外側」に触れる表現を探求している。
多重露光や現像操作など、あえて制御を外す手法を用いることで、内部から外部へ抜け出すようなイメージの出現を試みる。
主な受賞に「日本写真芸術専門学校 2024 卒業作品展」小髙美穂賞、
「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2024」準グランプリなど。
展示歴に、個展「表現の大陸」(2026,東京)「SPACE ON PAPER」(2022,中国・廈門)、「第 27 回 日本の美術-全国選抜作家展」上野の森美術館(2022,東京)などがある。 また 2025 年に写真集『表現の大陸』(G/P+abp)を刊行。

エザワユウスケ
「きたもと暮らしの編集室」やシェアキッチン&シェアスペース「ケルン」「中庭」の運営を行う。
その他、オルタナティブスペース「実験と発見 ツカノマ」の運営、マーケットイベント「縁側日和」「NEW HOLIDAY」や、北本市観光協会のイベントの企画運営など多数手掛ける。また近年では、北本団地を舞台に団地にまつわる記録と記憶をテーマにした新たなプロジェクト『北本団地コミュニティアーカイブ』を立ち上げ、アーカイブプロジェクトとして『写真展 団地のアルバム 北本団地商店街』を開催している。
http://kitamotokurashi.com

写真/黒田渉

 


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